え?待ってない?大丈夫。読み終わる頃にはきっとあなたもイシ間ファン、そしてでんでんのファンになっているはずですから。
ドラマ『死役所』は死者が訪れ、成仏までの手続きをするシ役所が舞台です。職員は個性派揃い。
不気味な笑顔のシ村、ツンケン女のニシ川、飄々としたハヤシの中でとびきり人間らしくて癒やしの存在であるイシ間をでんでんが演じています。
癒やされるあまり「あれ?ここってシ役所ではなく市役所では?」なんて勘違いしそうになるんですよね。(あ、これは個人の感想です)
シ役所の職員は皆「死刑」になっている人のはずなんです。ということは、いつも笑顔のイシ間も死刑になるほどの罪を犯したということ??
気になるイシ間の過去を掘り下げる第7話、最後までお付き合いくださいませ。
あ、ガッツリ!ネタバレオンパレードなのでご注意を。
『死役所』ドラマ第7話
これまでの『死役所』はこちらで要チェック↓↓
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今日深夜は、「#死役所」アンコール放送第7話❗️
他殺課職員・イシ間(#でんでん)は、自身の生前の記憶を辿る。「俺が殺した奴らもここに来たんだよなぁ…。」
娘のように可愛がっていた姪っ子・ミチ(#田鍋梨々花)とイシ間を引き裂くこととなった悲しすぎる事件とは…⁉️#松岡昌宏#清原翔#松本まりか pic.twitter.com/Tg5fJSsNba— 死役所【テレビ東京系】6/3〜アンコール放送📣 (@tx_shiyakusho) July 15, 2020
魂えぐられる第7話、始まり始まり〜
中学生ぐらいの女のコが泣いているのを見て自分の姪っ子を思い出したイシ間。「オレが殺したやつらもここに来たんだよな」とシ村に尋ねました。「職員が丁寧に対応したはずですよ。お客様は仏様ですから」といつもの笑顔で返すシ村。
イシ間は生前の話をシ村にし始めます。
石間徳治(イシ間)と姪っ子のミチ
戦後、田舎暮らしをしていた大工の石間と姪っ子のミチ(田鍋梨々花)。石間の妻もミチの両親も戦争中に亡くなってしまいミチのことを石間が引き取り育てていたのでした。美人で優しいミチは伯父である石間を慕っています。「私が結婚したらおじちゃんが家を建ててね」と言われ、石間はミチの嫁入りを想像するだけで泣けてくるのでした。(生前から涙もろい石間さん)
ホントの親子にしか見えない、仲睦まじい二人の幸せはそう長くは続かなかったのです…。
芋泥棒兄弟
ある夜、石間家の畑に芋泥棒をする兄弟を見つけました。「殺さないで」という兄弟に「芋盗んだぐらいで殺すかよ」と許し、ミチはいただきものの大根まで渡してあげました。「お腹いっぱいになってほしい」と自分も貧しいのに他人にまで優しい心を向けるミチ。親方が「養子縁組を組んで早く本当の親子になったら?」と後押ししてくれてるのに「オレみたいなのが親になっていいものか」と言いながらまんざら嫌でもない様子の石間。
絶望的な夜
久しぶりに石間がお酒を飲んで帰ったある夜。家の中にいるはずのミチの姿がありません。嫌な予感がして鍬を持って探し回ると家の裏でミチが暴行を加えられていました。よく見ると犯人は先日の芋泥棒兄弟。(←恩を仇で返すやつ!)石間は迷いなく弟の方に鍬を振り下ろしました。兄は逃げ回りますが追い詰められます。「ごめんなさい。殺さないで」という兄に「何が殺さないでだ」「よくもミチを」と何回も鍬を振り下ろし、殺してしまいました。(ここ、恐怖シーンです)
性被害の傷
石間は兄弟の死体を埋め、日常生活を送ります。しかし、輝いていたミチの笑顔はもう見られなくなりました。ふさぎ込んでしまい、犯人兄弟と同じぐらいの年格好の人を見るだけで恐怖が蘇ります。性被害は事件の時だけでなく、ミチの人生そのものに大きな傷をつけてしまいました。
それでも数年たち、いい人と出会ってミチも結婚することに。「私なんかが結婚したらダメだ」と戸惑うミチに「お前は幸せになっていいんだ」と説得する石間。「お前は」というところに石間は「ミチさえ幸せになれば、自分の人生はどうでもいい」と思っているように感じました。深い愛情です。
ミチは嫁いでいきました。
自ら選んだ死刑判決
ミチが嫁いでホッとしていたら、埋めていた兄弟の死体が見つかり、石間は逮捕されました。ミチのことを話せば罪も軽くなるだろうけど、石間は一切事件のことは口にしませんでした。「ミチには幸せになってほしい」ただそれだけを願う伯父としてのゆるがない覚悟。判決は…死刑です。
イシ間とミチ再び
イシ間はシ村に、自分の過去を話し終わり「ただそれだけさ」と言いました。
シ村はイシ間を老衰課に連れていきます。
そこには年老いた婦人がたっており、イシ間に向かって「おじちゃん!元気だった?」ととびきりの笑顔を向けてくるのです。
そう、ミチです。
認知症であるミチは、事件のことは忘れていておじちゃんであるイシ間との思い出はしっかり覚えているようでした。生前から死後まで何十年も「ミチの幸せ」だけを願っていたイシ間にとってこの再会は何よりも嬉しいものでした。
思わずくしゃくしゃの笑顔で涙するイシ間に「おじちゃん、また泣いてる」とニコニコするミチ。ミチは幸せな人生を送ったようです。辛いこともあったけど、ミチは乗り越え天寿を全うしました。
「よく生きたな」
イシ間はミチを成仏の扉まで送っていきます。
ミチは旧姓である「石間ミチ」とサインし、扉の方へ。イシ間はミチが書いた名前を見て笑顔に。
「おじちゃん、帰ってきたら大根の味噌汁作るからね!」
「腹すかせて待ってるよ!」
二人らしい愛のこもった温かい最後の会話でした。
イシ間の罪
幸せそうに笑うミチを見送り、イシ間はいま一度自分の罪について考えます。
芋泥棒兄弟も同情すべき境遇でした。でもそんなものは関係ない、他人も自分もどうでもいい。
「ミチの人生が全てだ」
「また同じことが起こればどうしますか?」というシ村の問いに対して
「殺すと思う」
と迷いのない答えを返すイシ間。
「それも一つの答えですね」とシ村。
そしてイシ間にはある封書が届きます…。
石間徳治(イシ間)役に、でんでんがハマりすぎ!
でんでんは原作漫画を読んだとき「漫画を超えられるような演技をしたい」と思ったそうです。しっかり有言実行、されています!
でんでんってこんな人
- 本名:緒方義博
- 1950年1月23日生まれ
- 福岡県出身
- 元お笑い芸人
出演作品
- 「コラ!なんばしよっと」
- 「あまちゃん」
- 「緊急取調室」
- 「CURE」
- 「冷たい熱帯魚」←数々の賞を受賞
- などなど数えられないほどの出演作品!
人情派のイシ間にでんでんがピッタリ!!
無茶を言う死者にも優しく寄り添ったり、子どもの死者を見て涙したり、いつも怒らず笑顔でニコニコしているイシ間。原作でも「気さくなおっちゃん」でした。
そこにでんでんは「重み」を加えたのだと思います。「死役所」には似つかわしくない、どこの市役所にもいるような(しかも田舎限定!)会ったことありそうでなさそうな「おっちゃん」感。それなのに何十年も重い過去を抱え込んだ重みのある優しさ。
・イシ間さんは納得のでんでん
・でんでんさん、イシ間さんすぎるわ
・でんでん演じるイシ間さん、再現度150%
・死役所、イシ間はほんとでんでんさん
・原作読んでるときもでんでんさんイメージして読んでた
7話のでんでんの演技が神がかってる!
7話では、田舎暮らしでミチをかわいがるおっちゃんの顔、ためらいもなく殺人を犯す冷酷な顔、年老いたミチと再会した時のとびきりの笑顔。7話の中だけでいろんな顔を見せるイシ間を、実力派でんでんは見事に演じきっていました。イシ間がでんでんじゃなきゃ、あんなに感動的な回にはならなかったかも?!
・でんでんさんの魅力が大爆発の回。ミチを見て天寿全うしたのだと理解し泣き笑いのような表情。心の奥底にあったのはただ、ミチの幸せ。それが分かる瞬間。あんな演技でんでんさんしかできない。この瞬間自分も全部この人に持ってかれた。
・でんでんさんの表情の変化が凄すぎ。
・死役所7話地上波最恐のでんでんショータイム
・殺人シーンではかつての邦画を見てる様な演技と効果。でんでん劇場だった。
・憎しみの中にミチへの愛情も感じさせる、でんでんさんの演技にやられた…
・でんでんの魂の感情の演技は寿命が縮まる
原作イシ間を超えたでんでんの演技を見逃すなかれ!
「死役所」でのイシ間の演技、もしかしたらでんでん史上最高ではないでしょうか?(注:個人の意見です)
ボロ泣き必至、でんでんの演技は、ぜひぜひあなたの目と耳、そして心でじっくり味わってください。