『麒麟がくる』25話は「羽運ぶ蟻(あり)」だ。光秀、故郷の美濃に行く。

『麒麟がくる』25話目です。今回は光秀と信長の関係に注目していこうね。あれっ、ママは?
奈美
ママは「義輝ロスで辛いわ。今回はパス」って言ってたわ。代わりにわたしが聞くわよ。
そうなんだね。奈美にも分かりやすい様に説明するよ。

麒麟がくる

登場人物

明智光秀(あけちみつひで)

斎藤家の元家臣で、越前で寺子屋(現在でいうと塾)の先生をしている。11年振りに故郷の美濃へ帰ることが出来た。美濃の主となった織田信長がいる岐阜城に行き、彼からある悩みを打ち明けられる。皆からは十兵衛(じゅうべえ)と呼ばれている。

牧(まき)

光秀の母である。明智家に嫁いでから美濃で暮らしていたが、主君の斎藤家のお家騒動に巻き込まれた。光秀と一緒に越前で過ごし、11年振りに美濃へ帰る事が出来た。これからどうすればいいか悩む光秀にアドバイスする。

足利義昭(あしかがよしあき)

還俗(げんぞく)をした覚慶である。朝倉義景の元へ向かうが、越前の近場で足止めをくらう不遇な日々を送る。息が詰まって嫌になった彼は、光秀の家へ遊びに行く。そこで光秀と義昭は蟻(あり)の話をし始めた。

還俗(げんぞく):お坊さんが世間(俗世)に戻ること

織田信長(おだのぶなが)

斎藤義龍(高政)の子である斎藤龍興を追放し美濃を平定した。勢いに乗る戦国大名だが、ある悩みを抱えていた。久しぶりにあった光秀と意気投合し、家臣にならないかとスカウトする。

朝倉義景(あさくらよしかげ)

義昭を受け入れると希望するも、光秀の義昭評が気になったのか保留する。家臣も乗り気じゃないからそのままでいいかと考え始めた。そんな時、光秀と義昭が会っていたとの情報を得る。

細川藤孝(ほそかわふじたか)

足利義昭を次の将軍にしようと動いている。義昭を受け入れない義景に苛立っている。理想に燃えるタイプで光秀とは意気投合しやすい。何かにつけて熱くなるので、兄の三淵藤英にたしなめられる事が多い。

三淵藤英(みつぶちふじひで)

細川藤孝の兄で、熱血漢な弟とは真逆のタイプである。駆け引きをしながら物事を進めるのが得意で、弟の藤孝をよく諫めている。

22話から24話の簡単なあらすじ

光秀が幕府再興の仕事に取り組むも、義輝が殺されます。尊敬する義輝が殺された現実にうちひがれる光秀でした。その後、光秀は義輝の弟の覚慶が次の将軍にふさわしいか見極める事になりました。

もっと詳しい内容は別記事で紹介しますのでご覧ください。

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奈美
ママは義輝が殺されてショック受けてたよね。
そうだね。その日は晩御飯のおかずが無かったなぁ~。

 

25話「羽運ぶ蟻(あり)」

覚慶、義昭となる

覚慶は還俗(げんぞく)し、足利義昭となった。しかし、朝倉義景の優柔不断のせいで、敦賀(つるが)で待たされる羽目になった。「朝倉どのが何考えてるのかわからない」と愚痴る藤孝に、「やる気をそいだのわたしなんだよ」と言う訳にはいかず黙る光秀である。

一方、待たされている義昭はお庭で蟻(あり)の観察をしていた。死んだ蝶の羽を必死に運ぶ蟻に顔が緩む義昭であった。彼は何を思っていたのだろうか?

奈美
義昭は生き物好きなんだね。
人生の大半は僧侶として過ごしているからね。生き物を大切する考えを持っているんだよ。

光秀、故郷の美濃に行く

織田信長が斎藤龍興(義龍の子)を追放し、美濃を平定した。敵がいなくなった光秀は、牧(光秀の母)を連れて美濃へ帰る。美濃の明智荘に残っていた家臣たちと再会し、喜び合う牧と光秀だった。

斎藤龍興が家臣に裏切られた事を知った光秀は、「高政が生きていたらこんな事にはならなかっただろう」と呟く。

奈美
高政って、光秀の幼なじみだよね?光秀にふられた人ってママから聞いたわ。
ママ、なんちゅう覚え方してるんだよ。

牧は「美濃に戻る事が出来て思い残すことはないです」といい、越前に戻る気はなさそうだった。悩む光秀に「お前は明智家の当主です。己の信念に従って動きなさい」とアドバイスする。

信長に会いに岐阜城に登城した光秀は稲葉一鉄(いなばいってつ)と出会う。斎藤家の重臣だったが、織田家に鞍替えしていたのだ。ゴミを見るかの様な塩対応をする光秀に「お互いいろいろあったが水に流して織田家を支えようぞ」とガハハ笑いをする一鉄だった。

奈美
このおじさん、斎藤家を裏切っていたんだね。高政をそそのかしたくせに。
稲葉はしたたかな国衆だね。『真田丸』の真田昌幸みたいだよ。主役側じゃないから悪く描かれるけど。
『真田丸』や『おんな城主直虎』は国衆が出てくるので興味あれば見て下さいね。
奈美
パパ、宣伝お疲れさま。

大きな国

信長と面会した光秀はスカウトされる。若干迷うも丁重に断る光秀に、信長は理由を聞く。

光秀:正直申せば、足利義輝さまにお仕えしとうございました。あの方なら世の中を平和にしてくれる理想のお方だと思いました。

奈美
スカウトしてる信長の前で義輝が良かったって言っちゃだめだよ。ほら、信長が傷ついちゃうわ。
光秀は正直すぎるよね。それだけ、義輝を尊敬していたんだよ。

義輝押しがとまらない光秀に信長の目が笑っていない。今度は信長の愚痴が始まる。

信長:斎藤龍興が三好と手を組みおった。また戦が始まるわ。何のために戦っているのか分からなくなってしまう。正直申せば、わしは戦が嫌いではない。戦に勝って皆が喜ぶ顔を見るのが好きなのじゃ。その為の戦なら喜んで戦うぞ

奈美
信長が怖いわ。これって皆が喜ぶ顔が見れる戦がしたいって事だよね。
そうだね。美濃も制圧したし、何をすればいいかわからないんだよね。信長の妻の帰蝶も上洛の事はさすがにわからないだろうし。

承認欲求の塊である信長に対して、光秀は「上洛して幕府を再興すれば、平和な世が来て皆が喜びますよ」と提案する。この先なにをしていいかわからない信長に指針を与える光秀だった。

誰も手出しができぬ大きな国をつくれば敵は襲ってこない。かつての主君だった斎藤道三とのやりとりを光秀は信長に話した。信長も乗り気で地図を広げて「これくらいか?(日本全土を囲っている)」と光秀に尋ね、「はい」と光秀は元気よく返事した。すっかり意気投合し笑い声をあげる二人であった。

奈美
信長の野望は光秀がきっかけで始まったのね。
『麒麟がくる』の信長と光秀は、今までの大河ドラマと違う人物像だから面白いよね。
奈美
信長はそのうち、「十兵衛に褒められたいからやる」とか言い出しそう。

光秀と信長が考える大きな国

誰も手出しができぬ大きな国というセリフは斎藤道三が言いました。詳しい内容は別記事にて紹介しますのでご覧ください。

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奈美
パパ、信長と光秀が思い描いてる大きな国ってかなりズレてるよね。
奈美もそう思う?二人の言動を表でまとめてみたよ。
信長の大きな国 戦は嫌いじゃないし皆が喜ぶ顔が見たい。貿易が盛んな堺(現在の大阪)が欲しい。南蛮貿易をして豊かで大きな国になれば皆が喜ぶから戦をする。
            麒麟は来ない
光秀の大きな国 戦が好きではない。幕府が再興すれば、畿内を中心に、将軍による太平の世を築ける。大きな国になれば無駄な戦がなくなる
            麒麟がくる
奈美
麒麟ってこんな生き物だよね。
そうそう。平和な世の中になったら現れる生き物で、光秀や義輝は麒麟がくる世の中を望んでいるんだよ。

義昭と蟻(あり)

大きな国づくりの為には、義昭を将軍にする必要がある。ただ、あのお方は向いてないと考える光秀は再び悩む。家に戻ると、義昭が光秀の子供と遊んでいた。彼は「お主とゆっくり話がしたかったのじゃ」と話しかけた。

奈美
光秀の子供たちに「また遊ぼうのう」と声かけする義昭は優しいね。
義昭の周りにはむさ苦しい男だけしかいないからね。いい気分転換になったと思うよ。

人払いを済ませ、羽を運ぶ蟻(あり)が話題になった。

義昭:あの蟻は自分よりはるかに大きな蝶の羽を一生懸命運んでいた。仲間が助けに来るが、一匹だけで運ぼうとしている。あの蟻は私だ将軍という大きな羽を運ぶには助けがいる。もし私が将軍になれば、一人では手が届かなかった貧しい人々を救えるかもしれん

義昭の思いを知った光秀は「このお方なら大丈夫だ」と思った。

義景、決心する

一度は将軍の器ではないと義景に報告した光秀は作戦を練る。義景に呼ばれた光秀は、「義昭さまはを眺めておいででした」と話す。呆れる義景の表情を見た光秀は切り出す。

光秀:義昭さまは弱者を思いやれるお方です。強い大名が支えれば立派な将軍になります。

光秀におだてられその気になる義景は、松永久秀(大和の大名)の手紙の内容を話す。

義景:織田信長と手を組んで、上洛するという案じゃ。信長と一緒というのは気に入らぬが仕方ない。義昭さまを支えるぞ。

家臣が諫めるも一喝し、やる気満々な義景にほっとした光秀だった。その時、義景の息子が現れ「父上、ちゅうたろうがいないのです」泣きながら話してきた。

子煩悩の義景は家臣総出で探し出し始めた。人と連想した光秀だが、家臣の「様ではない。ねずみだ」という言葉に不安を覚える。

そして、足利義栄が14代将軍に就任した。

奈美
義景はマイホームパパなのね。子供が可愛くて仕方ないんだね。
子供のペット探しに家臣総出で探させるのはどうかと思うよ。光秀も「おいおい大丈夫かよ」という顔してたし。

最後に

いかがでしたでしょうか?光秀は信長や義景をうまく説得していましたね。信長には「みんなが喜びましょう」と言い、義景には「強い大名が支えれば」と言ってます。これからの光秀の活躍が楽しみですね。

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