今回ご紹介するのは、アメリカのSFアクション映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」のサウンドトラックです。
若い読者の皆さんにとっては、お父さん、お母さんの時代の古びた音楽に聞こえるかもしれません。でも、映画の中でうまくシーンに組み合わされていて、まったく違和感を感じないと思います。1960年代~70年代の曲を集めたサウンドトラックですが、ポンコツヒーローたちの活躍に妙にマッチしていて、いつのまにか頭の中に残ってしまう曲たちです。
- 1 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスとは
- 2 サウンドトラックにもストーリがぎっしり
- 2.1 ミスター・ブルー・スカイ/ Mr. Blue Sky (エレクトリック・ライト・オーケストラ)
- 2.2 フォックス・オン・ザ・ラン/ Fox on the Run (スウィート)
- 2.3 レイク・ショア・ドライヴ/ Lake Shore Drive (アリオッタ・ヘインズ・ジェレマイア)
- 2.4 ザ・チェイン/ The Chain (フリートウッド・マック)
- 2.5 ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー/ Bring It on Home to Me (サム・クック)
- 2.6 サザン・ナイツ/ Southern Nights (グレン・キャンベル)
- 2.7 マイ・スウィート・ロード/ My Sweet Lord (ジョージ・ハリスン)
- 2.8 ブランディー/ Brandy (You’re a Fine Girl) (ルッキング・グラス)
- 2.9 もっと寄りそって/ Come a Little Bit Closer (ジェイ&アメリカンズ)
- 2.10 恋のバンシャガラン/ Wham Bam Shang-A-Lang (シルバー)
- 2.11 サレンダー/ Surrender (チープ・トリック)
- 2.12 父と子/ Father and Son (キャット・スティーヴンス)
- 2.13 フラッシュ・ライト/ Flash Light (パーラメント)
- 2.14 ガーディアンズ・インフェルノ/ Guardians Inferno (ザ・スニーパーズ feat. デビッド・ハッセルホフ)
- 3 まとめ
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスとは
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスは、2017年5月に公開されたアメリカンSFアクション映画です。前作のガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年公開)の続編になります。
前作の最後に明かされた、もう一本のオーサムミックステープの存在が伏線になっています。オーサムミックステープとは、自分の好きな曲を集めたカセットテープのことです。スマホで言うなれば、お気に入りプレイリストに入っている曲集のことです。
映画の中では、主人公のピーター・クイル(通称、スター・ロード)が古びたウォークマンを大事に持っています。そこには、亡き母が好きだった曲がぎっしり詰まったカセットテープが入っています。母や故郷の地球に思いをはせながら、宇宙狭しと活躍している姿が描かれています。
こちらにもあらすじなど紹介がありますので、参考にしてください。
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスは、いくつかの配信サイトでレンタル視聴が可能です。無料お試し期間でもレンタルできます。
サウンドトラックにもストーリがぎっしり
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サウンドトラックに収録されているのは以下の楽曲です。それぞれについて解説していきます。
No. | 曲目 | アーティスト |
1 | ミスター・ブルー・スカイ/ Mr. Blue Sky | エレクトリック・ライト・オーケストラ/ Electric Light Orchestra |
2 | フォックス・オン・ザ・ラン/ Fox on the Run | スウィート/ Sweet |
3 | レイク・ショア・ドライヴ/ Lake Shore Drive | アリオッタ・ヘインズ・ジェレマイア/ Aliotta Haynes Jeremiah |
4 | ザ・チェイン/ The Chain | フリートウッド・マック/ Fleetwood Mac |
5 | ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー/ Bring It on Home to Me | サム・クック/ Sam Cooke |
6 | サザン・ナイツ/ Southern Nights | グレン・キャンベル/ Glen Campbell |
7 | マイ・スウィート・ロード/ My Sweet Lord | ジョージ・ハリスン/ George Harrison |
8 | ブランディー/ Brandy (You’re a Fine Girl) | ルッキング・グラス/ Looking Glass |
9 | もっと寄りそって/ Come a Little Bit Closer | ジェイ&アメリカンズ/ Jay & The Americans |
10 | 恋のバンシャガラン/ Wham Bam Shang-A-Lang | シルバー/ Silver |
11 | サレンダー/ Surrender | チープ・トリック/ Cheap trick |
12 | 父と子/ Father and Son | キャット・スティーヴンス/ Cat Stevens |
13 | フラッシュ・ライト/ Flash Light | パーラメント/ Parliament |
14 | ガーディアンズ・インフェルノ/ Guardians Inferno | ザ・スニーパーズ feat. デビッド・ハッセルホフ/ The Sneepers feat. David Hasselhoff |
注) 以下、日本語曲名/ 英語曲名 (アーティスト)のように表記します。
ミスター・ブルー・スカイ/ Mr. Blue Sky (エレクトリック・ライト・オーケストラ)
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エレクトリック・ライト・オーケストラ (Electric Light Orchestra、以後ELO)はジェフ・リンを中心としたイギリスのロックバンドで、1971年にデビューしています。当初グループリーダはロイ・ウッドでしたが、結成の翌年である1972年に早々に脱退して以降、ジェフ・リンがELOの中心的な存在になりました。
特徴的なのは、ロックバンドでありながらホーンやバイオリン、チェロなどの楽器がバンドに組み込まれている点です。ポップスとクラシックの融合というコンセプトだったようです。まさに、小さなオーケストラといえます。
ELOの活動時期は、ジェフ・リンが引っ張っていたのは1986年までで、それ以降は別のメンバーによりELO2というバンド名で2000年まで存続していました。
ELOの代表的なアルバムは、「A New World Record」(1976年)、「Out of the Blue」(1977年)、「Discovery」(1979年)です。
サントラに収録されているミスター・ブルー・スカイは、ELOが絶頂期にあった1978年にアルバム「Out of the Blue」からシングルカットされ、全米ビルボード HOT 100で最高35位、全英シングルチャートで最高6位まであがりました。
レガシーな弦楽器と、エレキギターやシンセサイザーなどの電子音、そしてコーラスとが融合されていて、映画のオープニングにふさわしい曲です。そして、曲の終盤にガラッと変わって荘厳な雰囲気になりますが、それがゆえに頭に残ってしまう曲です。
ジェフ・リンはアルバム制作のためにスイスの山中にこもっていたときに、突然晴れた空を見てインスピレーションを得た、と後に語っています。そのときにミスター・ブルー・スカイを含め、13曲も一気に書き上げたそうです。
一度スイッチが入ると、湯水のようにメロディが湧き出すアーティストだったようです。
フォックス・オン・ザ・ラン/ Fox on the Run (スウィート)
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スウィートは1968年に結成されたイギリスのロックバンドで、1981年の解散までのあいだに、英国チャートで20位以内に入る曲を13曲もリリースしています。
メンバーはブライアン・コノリー(ヴォーカル)、ミック・タッカー(ドラム)、スティーヴ・プリースト(ベース)、そしてアンディ・スコット(ギター)の4人です。彼らの美しいハーモニーは、クイーンにも引けをとらないと絶賛されていました。
代表作であるアルバム「DESOLATION BOULEVARD」は1975年発売です。それまでのスウィートはアイドルグループという色が濃かったのですが、この5枚目のアルバム以降、ハードロックを代表するバンドに生まれ変わりました。彼らは1981年に一度解散しましたが1985年に再結成、さらに1993年には再々結成されています。なんと、現在(2020年5月)でもツアーを行っています。
サントラに収録されているフォックス・オン・ザ・ランは1975年にシングルリリースされ、ヒットチャートの最高位は全英2位、全米5位を獲得しています。
また、2016年12月に映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー2」の予告編でこの曲が使用されるとリバイバルヒット。iTunes Top 40 U.S. Rock Songsでなんと1位になってしまいました。時代を経ても、正当派70’sロックは強いです。
レイク・ショア・ドライヴ/ Lake Shore Drive (アリオッタ・ヘインズ・ジェレマイア)
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アリオッタ・ヘインズ・ジェレマイアは、1970年から1977まで活動したシカゴ出身のロックバンドです。ロックバンドとはいいながら、カントリーフォークが彼らの持ち味です。
メンバーはミッチ・アリオッタ(ベース)、スキップ・ヘインズ(ギター)、そしてジョン・ジュレマイア(ドラム)の3人です。お気づきのように、グループ名は彼らの名前から取っています。ほとんど名を知られていないグループですが、8枚のアルバムを世に送り出しています。
代表曲は、映画の挿入歌になったレイク・ショア・ドライブです。この曲はヒットチャート入りをしたという記録がありません。メジャーにはならなかったけど、ジェームズ・ガン監督にとっては思い入れのある曲だったのかもしれません。
曲目の頭文字をとったLSDがドラッグを連想させますが、これは当時流行していたヒッピー的な考えを反映しているわけではない、とメンバーは反論しています。ミシガン湖に面したシカゴのバンドなので、思い入れのある湖岸道路を歌ったとのことです。
ザ・チェイン/ The Chain (フリートウッド・マック)
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フリートウッド・マックは、1967にイングランドで結成されたロックバンドです。オリジナルメンバーは、ピーター・グリーン(ギター)、ジェレミー・スペンサー(ギター&ヴォーカル)、ジョン・マクヴィー(ベース)、そしてミック・フリートウッド(ドラム)です。
1978年にはグラミー賞、1998年にはロックの殿堂入りを果たしています。何度かメンバーを入れ替えながら、50年以上経った今でも活動を続けている長寿バンドです。(2020年5月現在)。
現在のメンバーは、ジョン・マクヴィー(ベース)、ミック・フリートウッド(ドラム)以外に、スティーヴィー・ニックス(ヴォーカル)、クリスティン・マクヴィー(キーボード&ヴォーカル)、マイク・キャンベル(リードギター)、そしてニール・フィン(リズムギター&ヴォーカル)の6名です。
サントラに収録されているザ・チェインは全英・全米チャートで1位を獲得した彼らを代表するアルバム「Rumours」(1977年)に収録されています。シングルカットもアルバム発売と同じく1977年で、UKヒットチャートで最高81位を記録しました。この曲は、もとは別々だった曲のテープを組み合わせて、まさに鎖のようにつなぎ合わせて作ったそうです。
この曲の前半はスローテンポなのですが、中盤から雰囲気が変わり、最後はアップテンポなシャウト系の曲で盛り上がります。魅力は何といってもベースソロ。ズンズン心に響きます。トレーラーで体感してみてください。
ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー/ Bring It on Home to Me (サム・クック)
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サム・クックは1931年にミシシッピで生まれました。幼いころから聖歌隊で歌っていましたが、19歳のときにゴスペルグループ「ソウル・スターラーズ」のリードボーカルとなってデビュー。ルックスもよかったことから、アイドル的に売れっ子になりました。
1957年にR&B歌手としてソロデビューすると、ユー・センド・ミー、ワンダフル・ワールド、ツイストで踊りあかそう、など数々のトップ10入りするヒット曲を世に送り出しました。サムクックは後世のソウル・ミュージックやR&Bに多大な影響を与えたと言って間違いありません。
彼は1964年12月11日に、女性と入ったモーテルで射殺され生涯を閉じています。33歳という若さでした。この死をめぐっては多くの謎が残されており、黒人に対する偏見や成功者に対する妬みなど、さまざまな憶測を呼んでいます。
サントラに収録されたブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミーは、1962年にシングル発売されています。このときはなんと、裏面のHaving A Partyと両方が同時にヒットチャートインするという快挙を成し遂げています。
その後、この曲は28人ものアーティストによってカバーされました。その中にはロッド・スチュワート、ポール・マッカートニー、ジョン・レノンなどが含まれており、そうそうたる顔ぶれが名を連ねています。日本ではトータス松本さんが2003年発売のアルバム「TRAVELLER」に収録しています。
サザン・ナイツ/ Southern Nights (グレン・キャンベル)
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グレン・キャンベルは1936年生まれ。1960年代からソロアーティストとして活動を開始しましたが、彼は非常に才能あふれるエンターテイナーでした。カントリー・ソングの歌手、ギタリストなど音楽だけでなく、「勇気ある追跡」や「ダーティファイター 燃えよ鉄拳」などに俳優として出演しています。
また、「The Glen Campbell Goodtime Hour」という自身のバラエティ番組の司会をしたり、アメリカン・ミュージック・アワードの共同司会を務めるなど、広く活躍したマルチタレントでした。
スタジオミュージシャンだったときには、あのエルヴィス・プレスリーやフランク・シナトラ、ビーチボーイズのレコーディングにも参加しています。彼にはBy The Time I Get Phoenix、Wichita Lineman、Galveston、I Wanna Liveなどの代表作がありますが、1975年にRhinestone Cowboyが大ヒットして人気を博しました。
サントラに収録されているサザン・ナイツは、そんな人気絶頂のときにリリースされた曲です。この曲はアラン・トゥーサンが作曲し1975年に発表されたものですが、1977年にグレン・キャンベルがカントリー風にアレンジしてカバーしたことで大ヒットした曲です。
この曲はビルボード Hot 100で1位を獲得。また、カントリーチャートでも1位を獲得しています。
マイ・スウィート・ロード/ My Sweet Lord (ジョージ・ハリスン)
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ジョージ・ハリスンについてはよく知られていると思います。ビートルズの一員であり、ソロとしても多くのヒット曲を生み出したアーティストです。
彼はポール・マッカートニーとジョン・レノンという2枚看板のビートルズの中では陰に回ることが多かったですが、恋をするなら、タックスマン、サムシングなどの曲をビートルズに提供しています。
ビートルズ解散後は「オール・シングス・マスト・パス」、「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」など、全米、全英ヒットチャートで1位となるアルバムを立て続けに発表し、1980年ごろまで積極的に音楽活動を行っていました。その後しばらく音楽から遠ざかるときがありましたが、1991年にはエリック・クラプトンとともに日本公演を行っています。
音楽活動の一方で彼は独特の宗教観をもっており、ヒンズー教に強く傾倒していたことがよく知られています。ビートルズ時代にも彼が作る音楽には、インド音楽の要素が盛り込まれていたといわれています。
サントラに収録されたマイ・スウィート・ロードは、1970年にアルバム「オール・シングス・マスト・パス」からアメリカで先行シングル発売され、その後、1971年にかけてイギリス、日本など世界各国でリリースされています。全米、全英のヒットチャートでは1位、日本では最高4位を獲得しています。
2001年にデジタルリマスター版が発売されたとき、日本ではロードのつづりを”Road”と印刷してしまい、初版のCDを市場回収する騒ぎも起きました。マイ・スウィート・ロードとは、彼が傾倒していたヒンズー教の最高神クリシュナを称える曲で、「敬愛なる神」という意味です。
ブランディー/ Brandy (You’re a Fine Girl) (ルッキング・グラス)
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ルッキング・グラスはアメリカの東海岸にあるニュージャージー州出身のロックグループです。1969年に結成されて、1974年まで活動していました。
サントラに収録されたブランディーが彼らの代表曲です。バンドのリーダ格だったエリオットルーリーが作曲して1972年に発売されたこの曲は、全米ビルボード HOT 100で1位を獲得しました。当初この曲はDon’t It Make You Feel Goodという曲のB面だったのですが、反響が大きかったためA面になったという逸話があります。
ブランディというのは、港の酒場で働く娘さんの名前です。船乗りに恋をしたブランディに対して、俺たちの恋人は海なのさ、という船乗りのセリフが歌詞になっています。港町のニュージャージらしいですね。
この曲がヒットしたことで、ブランディという名前の女の子が増えたそうです。1971年には全米のBrandyさんは353位だったのが、曲がヒットした1972年に140位、1973年は82位になったとのことです。アニメやアイドル、曲のタイトルなどから我が子に名前をつけるのは、どこの国でも同じですね。
もっと寄りそって/ Come a Little Bit Closer (ジェイ&アメリカンズ)
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ジェイ&アメリカンズは1962年デビューのロックグループです。彼らはニューヨーク大学時代にオーディションを受けてスカウトされました。2ndシングルのShe Criedが大ヒットして有名になったのですが、なぜか直後にリードボーカルのジェイ・トレーナが脱退してしまいました。
その代わりにジェイ・ブラックがボーカルとして加入してから躍進を続け、1970年に解散するまでに17曲もヒットチャートインする楽曲を送り出しました。
彼らのヒット作は、She Cried(ビルボード HOT 100で最高5位)、Cara Mia(ビルボード HOT 100で最高4位)、This Magic Moment(ビルボード HOT 100で最高6位)です。
サントラに収録されたもっと寄りそって(Come a Little Bit Closer)は1964年にリリースされ、ビルボード HOT 100で最高3位を記録し、彼らの作品の中でもっとも売れた曲です。2ndシングルで脚光を浴びた後しばらく低迷していましたが、この曲によってジェイ&アメリカンズは音楽界にCome Backしました。
恋のバンシャガラン/ Wham Bam Shang-A-Lang (シルバー)
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シルバーは1976年に結成されたカントリーロックバンドです。活動期間はわずかに1年でした。
メンバーはジョン・バドロフ(ボーカル&ギター)、ブレント・ミッドランド(ボーカル&キーボード)、グレッグ・コリアー(ボーカル&ギター)、ハリー・スティンソン(ドラム)、トム・レドン(バス)です。トム・レドンは、あのイーグルスの初代メンバーであるバーニー・レドンの弟です。
サントラに収録された恋のバンシャガラン(Wham Bam Shang-A-Lang)は彼らの唯一のヒットソングで、ソングライターはリック・ジャイルズです。1976年のビルボード HOT 100で最高16位を記録しました。
タイトルのWham Banは、”突然に”、というようなニュアンスの言葉です。Shang-A-Langには正確な意味はないのですが、日本語でいうところのシャララ(歌を口ずさむ)のことだと考えられますので、突然シャララと歌いだす、というような意味になると思います。
それにしても、当時無理やり日本語訳を当てた感があります。「シャンガラン」でもよかったのでは、と思うのは私だけでしょうか?
サレンダー/ Surrender (チープ・トリック)
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チープ・トリックは、1974年に結成されたアメリカ・イリノイ州出身のロックバンドです。1977年に1stアルバム「チープトリック」、つづけて同年に2ndアルバム「蒼ざめたハイウェイ」を発売しましたが、本国のアメリカではヒットしませんでした。ところが、なぜか日本でヒットし、それがアメリカに逆輸入されて人気が出たバンドです。
1978年4月、彼らの運命を変えた日本武道館でのライブを収録したアルバム「チープトリックat武道館」は、アメリカへの輸入盤(日本で発売したものをアメリカが輸入)が売れ、さらにアメリカ本土でも1979年にリリースされ、アルバムとして全米で最高4位を記録しました。
ライブ会場としての「日本武道館」を世界中に知らしめたのは、ビートルズよりもむしろ、チープ・トリックだと言われています。
さらに、このアルバムからシングルカットされた「甘い罠/ I Want You To Want Me」は、ビルボード Hot 100 で最高7位を記録し、彼らにとって初のヒットシングルになりました。
彼らは、映画「トップガン」(1986)のエンディングクレジットで使われた「Mighty Wings」も提供しています。
サントラに収録されたサレンダーは、1978年6月にリリースされました。日本武道館公演の直後です。まだアメリカではそれほど人気が出ていなかったときの曲ですが、このシングルはビルボード Hot 100で最高62位まであがっています。スマッシュヒットとまではいきませんでしたが、じわじわと人気が出始めていたようです。
父と子/ Father and Son (キャット・スティーヴンス)
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キャット・スティーヴンスはイギリスのシンガーソングライターです。本名はスティーヴン・ジョルジオといい、ギリシャ系キプロス人の父と、スウェーデン人の母の間に生まれています。ジョルジオのままでは人から覚えてもらいにくいと考え、音楽を始めるときに芸名として、キャット・スティーヴンスを名乗り始めました。
1977年に彼はイスラム教に改宗し、ユスフ・イスラムというのが現在の名前です。
彼は早くから音楽の才能を見せており、1966年、18歳のときにはアイ・ラヴ・マイ・ドッグとマシュー・アンド・サンという曲がイギリスでトップ10入りするようになっていました。その後も順調にキャリアを積み、世界中で6,000万枚以上のアルバムを売り上げています。彼はデビューから50年たった今でも現役です。(2020年5月現在)
また、彼は叔父の影響で絵心もあったと言われており、アルバムジャケットの絵を自ら描いたりすることもあったようです。
サントラに収録された父と子(Father and son)は、1970年にアルバム「Tea for the Tillerman」からシングルカットされました。この曲は父と息子の会話、よくあることで説教じみたことを言うオヤジと、いつも俺の話を聞いてくれないじゃないかと不満を持つムスコの、お互いに近づきたいけど近づけない葛藤を描いた曲です。
映画の中で主人公のピーター・クイル(通称スター・ロード)は、再会した父親(エゴ)とキャッチボールしたり、育ての親ヨンドゥとのだまし合いがあったりしますが、彼にとって本当の父親が誰なのかを思うときに、この曲がバックに使われています。
フラッシュ・ライト/ Flash Light (パーラメント)
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パーラメント は、1955年に結成されたファンク・ロック・グループです。結成した当時、発起人のジョージ・クリントンはまだ14歳でした。その後、1970年にアルバム「オズミウム」を発表し、1980年の解散までに9枚のアルバムを残しています。
ジャケットからもわかる通り宇宙観を前面に出していて、ドゥーワップとキーボードが彼らの音楽の特徴です。
サントラに収録されたフラッシュ・ライトは、1978年にリリースされました。この曲は数か月にわたってUS pop chartに居続け、最高16位をマークしています。
ガーディアンズ・インフェルノ/ Guardians Inferno (ザ・スニーパーズ feat. デビッド・ハッセルホフ)
サントラの中で唯一映画のために作られた新曲で、ジェームズ・ガン監督と音楽担当のタイラー・ベイツが作りました。歌っているのはスニーパーズという、架空の宇宙人バンドです。このスニーパー族というのはマーベル・コミックに初めて登場したエイリアンで、監督が細部にもこだわったことが感じられます。
ダンサーたちは金ピカでぴちぴちの衣装をまとい、スニーパー族が周囲で盛り上げます。グラサンをかけたヒッピー風のDJがディスクを操り、くびれのまったく見当たらないボリューミーな女性がくねくねと腰を振ります。
1970年代のディスコを表現したこの曲は、ポンコツヒーローたちを描いたこの映画のエンディングにふさわしいふざけ具合といえるでしょう。
このミュージックビデオに出てくる衣装を着たダンサーや宇宙人たちは、実は映画の出演者たちです。さらに、「スパイダーマン」などの原作者であるスタン・リーが後半登場したり、踊るロボットに入っていたのはなんと、ピーター・クイル役のクリス・プラットです。大物たちが映画の最後に大はしゃぎです。
さらに驚かされるのは、フィーチャーされているデビッド・ハッセルホフです。彼はかつての名作、「ナイトライダー」で主人公のマイケル・ナイトを演じた俳優さんです。ピーター・クイル(通称スター・ロード)が少年時代を過ごした1970年代を代表する作品ということで、監督のジェームズ・ガンが交渉し、映画本編にもカメオ出演しています。
このミュージックビデオで楽しそうに歌って踊っているデビッド・ハッセルホフのプロ意識にはただただ脱帽です。
まとめ
いかがだったでしょうか? ひと昔前の音楽が、近未来のSFシーンといいコントラストになっています。ジェームズ・ガン監督自らが長い時間をかけて選んだ曲たちばかりなので、映画への思いが伝わってきます。ぜひ、映画とサウンドトラックを、両方とも繰り返し楽しんでください。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスは、現在無料配信されているサイトは無いようですが、いくつかの配信サイトでレンタル視聴が可能です。無料お試し期間でもレンタルできます。