2021年にマイティ・ソー の4作目が公開されると聞いて、観てみたいと思う方も多いと思います。しかし、中々時間がない、とりあえず掻い摘んで内容を把握したいと思われる方も多いはず。
そこで、1作目、2作目をサラッと紹介しつつ、3作目の「マイティ・ソー /バトルロイヤル 」にてレッドツェッペリンの「移民の歌」がなぜ使用されたのかを深掘りしていきたいと思います。
マイティ・ソー を初めて観る方へ
「マイティ・ソー」(2011年公開) は、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の中で、4作品目となり、アイアンマン、ハルクと続いた後の3番目のヒーローとなり、アベンジャーズの中でも古参となります。
マイティ・ソー を観たことがないという方にも、知っておいていただきたい情報を詰め込みましたのでぜひ最後まで読んでみてください。
1作目:「マイティ・ソー 」(2011年公開)
ソーの父親であるオーディンは神の世界アスガルドの王として君臨しています。そんな王の指揮のもと地球(ミッドガルド)をラウフェイが率いる氷の巨人が住む国であるヨトゥンヘイムの戦士フロスト・ジャイアントと戦闘を繰り広げていました。
その戦争に勝利したオーディンは、力の源である「箱」をフロスト・ジャイアントから奪いました。
そして、月日は流れオーディンはソーへ王位を継承するために、継承式を開きました。しかし、継承式の最中フロスト・ジャイアントが王宮を襲撃し、「箱」を奪い返そうとします。
継承式を邪魔され、怒りに震えるソーは信頼する仲間を引き連れて、ヨトゥンヘイムへ攻め込みます。しかし、「箱」を手にしたフロスト・ジャイアントは強くソーは破れてしまいます。
オーディンは、ソーの勝手な行動により、アスガルドを危機に陥れたとして、罰としてソーを地球(ミッドガルド)へムジョルニア(ソーの武器である神の力を宿すハンマー)と共に追放します。
ソーが降り立ったのは、アメリカはニューメキシコ州でした。そして、天文学者であるジェーン・フォスター等に発見されます。ムジョルニアはソーから離れた場所に落ち、国家組織S.H.I.E.L.D.により回収されます。
ムジョルニアを取り戻そうとソーは国家組織S.H.I.E.L.D.に乗り込みます。ムジョルニアを見つけ、持ち出そうとするソーでしたが、父オーディンからの罰によりムジョルニアを持ち上げることが出来ません。そして、ソーは国家組織S.H.I.E.L.D.に捕えられます。
力を失ったソーはこの先、どうなってしまうのか?気になる方はぜひ映画「マイティ・ソー 」(2011年公開)をご覧ください。
2作目:「マイティ・ソー /ダーク・ワールド」(2013年公開)
5,000年ほど前の宇宙では、「惑星直列」という9つの世界が直線に並び、空間が歪み繋がるという事態が発生しました。
ダークエルフの長であるマキレスは、この「惑星直列」を利用し、インフィニティストーン・エーテルを解き放ち、9つの世界全てを闇で覆ってしまおうと考えました。
しかし、ソーの祖父に当たるアスカルド王ボーは世界を闇で覆うわけにはいかないと立ち上がり、これを阻止します。マキレスは姿をくらまし、インフィニティストーン・エーテルはボーの手によりアスカルドの地下へと封印されます。
そして、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の6作品目「アベンジャーズ」(2012年公開)のその後を描きます。
「アベンジャーズ」(2012年公開)では、争いの元となったインフィニティストーン・テッセラクトと囚人ロキがアスカルドに連れ戻され、地下牢に幽閉されます。
ソーもアスカルドへ戻り、前作で自身の罪を償ったことにより、父オーディン王から認められ王位継承を薦められます。
しかし、ソーは天文学者ジェーン・フォスターが忘れられず躊躇(ちゅうちょ)します。また、ジェーン・フォスターもソーが忘れられない日々を過ごしていました。
そんな時、5,000年前に起こった「惑星直列」が再び起こります。ジェーンは「惑星直列」の真相を突き止めるため、時空の歪みがある廃墟を探索しますが、時空の歪みに飲み込まれアスカルドの地へ飛ばされてしまいます。
アスカルドの地でインフィニティストーン・エーテルを発見するジェーン・フォスターでしたが・・・。
この先、ジェーン・フォスターはどうなってしまうのでしょうか?
気になる方は、ぜひ映画「マイティ・ソー /ダーク・ワールド」をご覧ください。
3作目:「マイティ・ソー /バトルロイヤル 」(2017年公開)
さて、2021年に公開予定の最新作へ繋がる「マイティ・ソー /バトルロイヤル 」(2017年公開)です。
「マイティ・ソー /バトルロイヤル 」(2017年公開)はMCUで17作品目となります。
内容は、多くを語ると楽しみも半減してしまいますので、気になる方はぜひ「マイティ・ソー /バトルロイヤル 」(2017年公開)をご覧ください。
ここからは、「マイティーソー /バトルロイヤル 」を何倍も楽しく観るために劇中挿入歌で使われているレッドツェッペリンの「移民の歌」について解説したいと思います。
レッドツェッペリンの魅力
レッドツェッペリンの魅力をお伝えしたいと思います。
UK(イギリス)のハードロックバンドであるレッドツェッペリン。そんなレッドツェッペリンに皆様が持つイメージはハードロック、マッチョでゴリっとした印象という方も多いかと思います。
しかし、レッドツェッペリンの音楽は、そんな単純な言葉で表現しきれないほどの音楽の多様性を持っています。
ギターを弾いた事がある人ならば、レッドツェッペリンの影響をほぼ全ての人が受けていると言っても過言ではないほどの偉大なバンドです。
結成は1968年、解散は1980年で活動期間12年の間に発表したアルバムは8枚になります。
レッドツェッペリンのメンバー紹介
・ジミー・ペイジ
レッドツェッペリンのギターリスト兼リダー。
テクニックは世界に誇るレッドツェッペリンのギタリストですから言うまでもないですが、ジミー・ペイジの凄いところは発想力でしょう。
エレキギター・アコースティックギター・スライドギターを弾きこなし、大得意のハードロックはもちろんの事、変則チューニングやブルースまでギターを使った音楽なら何でもござれな印象を受けます。
作曲も担当しており、そしてプロデューサーであるところも面白いですね。
ジミー・ペイジはまさにレッドツェッペリンの大黒柱と言えるでしょう。
日本のバンド「BEGIN」の「ボトル二本とチョコレート」という曲の歌詞中にも「ジミー・ペイジに憧れて」と歌詞になるくらい偉大なギタリストです。
・ロバート・プラント
レッドツェッペリンのボーカリスト。
今のハードロックの歌い方は、原型がロバート・プラントにあると言っても過言ではないでしょう。『ハードロックの歌い方とはこれだ』と、決定づけたそんな人だと思います。
ただ、ロバート・プラントの魅力はそれだけに収まりません。ブルースもバラードもアコースティックのしっとりとした楽曲も歌いこなす才能は鳥肌ものです。
・ジョン・ポール・ジョーンズ
レッドツェッペリンのベーシスト。
ベースはもちろん上手いのですが、ピアノも本職顔負けな程上手いです。マルチプレイヤーで、マンドリンも弾けます。
ジョン・ポール・ジョーンズは元々レッドツェッペリンに入る前はセッションミュージシャンでした。
弦のアレンジなどを手掛けてしまうほど、アレンジャーの能力がずば抜けていて総合力が高いと言う印象ですね。
・ジョン・ボーナム
レッドツェッペリンのドラマー。
歴代のバンド史の中で、世界最高のドラマーは誰だと言うアンケートなどで、ほぼ1位を獲っている人です。
以下が1位を獲った雑誌一覧です。
- Classic Rock(イギリスの音楽雑誌)の特集『ロックにおける50人の偉大なドラマー』
- Style(オンラインマガジン)の特集『50人の偉大なドラマー』
- RhythmMagazine(イギリスの音楽雑誌)の特集『時代を超えた偉大なドラマーTOP50』
- RollingStone(アメリカの音楽雑誌)の選ぶ『歴史上最も偉大な100人のドラマー』
- レコード・コレクターズ(日本の音楽雑誌)『20世紀のベストドラマー100』
ドラムのサウンド、タイム感、迫力、発想は全て一級品です。レッドツェッペリンのリズムの核を担っている人です。
音楽をやっている人なら分かると思いますが、どうしても目立つギターやボーカルがバンドの中心と思ってしまいがちですが、そうではありません。しっかりとしたリズム隊がいてこそ、そのバンドに安定感や全体のリズムの調和、迫力や凄みが生まれるのです。
ジョン・ボーナムはヒップホップ業界でも高く評価をされています。それが証拠にヒップホップの世界ではジョン・ボーナムのビートがサンプリングされています。
ジョン・ボーナムのドラムの上にラップを乗せるトレンドが築かれるほどのドラマーです。もし、ヘッズ(HIPHOPにハマっている人)がいたら、レッドツェッペリンの楽曲を聞いてみると面白いかもしれません。
最高の4人が集まって結成された究極のバンド
この隙のない最強の4人が揃ったバンドがレッドツェッペリンです。
レッドツェッペリン入門で何から聞けばいい?と思う方もいらっしゃるかと思います。
実は、皆が口ずさむポップスの様な曲はそこまで多くないです。なので、ここはレッドツェッペリンのベストアルバム「マザーシップ」で良いかと思います。
なぜなら、レッドツェッペリンはアルバム主体の活動をしていて、シングルは2枚程度しか発表していないバンドです。
現在のミュージックシーンでのチャートで1位を獲って、ラジオでパワーチューンされて、皆が歌えるという様なマーケティングはしていませんでした。
レッドツェッペリンはクリエイティブでアーティスティックな楽曲が多く、シングル曲は出さず、アルバム制作をメインとしました。その武骨でストイックな様がカッコいいですよね。
高校生頃になれば海外バンドにハマる方も少なくないかなと思いますが、その中でも、レッドツェッペリンはやはり外せないバンドです。
「移民の歌」について
レッドツェッペリンの代表曲と言っても過言ではない「移民の歌」(Immigrant Song)は、レッドツェッペリンでは数少ないシングル曲としてリリースされます。
歌詞の内容
歌詞の内容は、氷と雪そして白夜の国というフレーズから北欧のことを指しています。マイティーソーも北欧神話が由来となっている作品なので、背景はぴったりですね。
また、北欧からやって来た航海者が西側の海岸の新天地に辿り着き、主君となり争いを治めて新天地に住む人々に平和と信じる力を取り戻すように求めたという内容になっています。
「マイティ・ソー」(2011年公開)も、父オーディンからアスガルドの住う地を追放され、アメリカの西海岸ニューメキシコ州へ舞い降ります。そして、元々は北欧神話の雷神であるソーは自分の犯した罪を受け入れ、成長していきます。
「マイティーソー/バトルロイヤル」の作品内では、「移民の歌」が2度に渡りかかります。クライマックスでかかる「移民の歌」はまさに圧巻です。
「移民の歌」は「マイティ・ソー/バトルロイヤル」の世界観を全て凝縮した歌詞内容で見事に融合しており、出だしのロバート・プラントのシャウトが戦闘開始を告げる。これは鳥肌ものです。
戦闘開始時に多く使用される「移民の歌」
過去にも闘争心溢れる楽曲に触れ、試合前などのモチベーションを上げるために数多くのプロスポーツ選手や格闘家にレッドツェッペリンの「移民の歌」は選ばれてきました。
- プロレスラーであるブルーザー・ブロディの入場曲での採用
- 真壁刀義が布袋寅泰バージョンで入場曲での採用
- 東北楽天ゴールデンイーグルスの細川享の登場曲での採用
- ミネソタ・バイキングス(NFL)の試合前のテーマ曲での採用
と世界各地で、この曲を聞けば興奮する戦いの火蓋が切られることを予感させる名曲となっています。
世界進出を果たした日本人ギタリストもカバーする楽曲
ここで、補足ですが布袋寅泰という日本を代表するギターリストがカバーしているという点に着目して欲しいです。
布袋寅泰は、日本で一大ムーブメントを巻き起こし、80年代から起こるバンドブームの火付け役となった「BOØWY」のギタリストです。
ちなみにBOØWYの「Ø」は北欧の言語として使われていますので、運命的な繋がりを感じてしまいますね。
そして、
- BOØWY解散後は、アイドルとして全盛を極めた吉川晃司と「Complex」を結成。
- Complex解散後も、映画「キル・ビル」のメインテーマを担当
- アメリカの大物ギタリストブライアン・セッツァーと共作
- 日本人ロックギタリストのパイオニア「Char」と共作
など日本の音楽史上、世界的な活動を続け成功を収めたソロギタリストだと思います。
そんな布袋寅泰がカバーした「移民の歌」がリリースされたのは1970年です。
「マイティ・ソー/バトルロイヤル」が公開されたのが2017年。47年の時を経て、見事に「移民の歌」という楽曲と映画の世界観が融合する様は、レッドツェッペリンがこの映画のために作曲したのではないかと思うほどです。
まとめ
映画をご覧になる際は、ぜひ世界が誇る偉大なハードロックバンド「レッドツェッペリン」や音楽的な背景も踏まえて鑑賞して頂けると、より深い感情と、より一層の興奮を味わうことができると思います。
「マイティ・ソー/バトルロイヤル」(2017年公開)の最初は、少しコメディタッチで描かれていると思いますが、こうした背景を知ることで最後の戦闘シーンでは鳥肌が止まらなくなりますよ!
また、MCUの伏線も散りばめられていますので、それを回収しながら観ていくと更にマーベル作品にどっぷりハマる事ができるのでオススメです!
「マイティ・ソー」(2011年公開)、「マイティ・ソー/ダークワールド」(2013年公開)、「マイティ・ソー/バトルロイヤル」(2017年公開)は、
・dTV
・U-NEXT
・TUTAYA TV
で見られます。(2020年5月現在)