竹内涼真主演の日曜劇場『テセウスの船』(TBS系)の第7話が放送され、平均視聴率が14.0%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)でした。
これは番組史上最高視聴率を記録しました。
竹内涼真が日曜劇場の顔に
原作は、週刊漫画誌「モーニング」(講談社)で連載されていた東元俊哉による同名漫画です。2020年TBSの日曜劇場は歴史は、とても長く1956年から放送されています。60年以上の長い歴史を持つことになります。
日曜劇場はこれまでに堺雅人主演の『半沢直樹』や木村拓哉主演の『ビューティフルライフ』など、数々の名作を生みだして来ました。日曜日の21時スタートということもあり、在宅率が高いので視聴率も期待されている枠です。この日曜劇場の主演を演じる竹内涼真は次のように述べています。
今回のお話をいただいて原作を手にとってみたのですが、読み始めてすぐにそのストーリーにぐっと引き込まれ、最後まで一気に読めてしまったのが印象的でした。
僕がこのドラマで演じるのは“殺人犯の息子”です。31年前の殺人事件で父親が逮捕され、顔も見たことがない父親のせいで長年苦しい思いをしてきた青年です。重い役柄ではあると思いますが、それ以上に日曜劇場の主演ということで、このような大役を演じさせていただけることを今はすごく幸せに思っています。(※一部伐採)
引用元:テセウスの船公式サイト
高校時代は東京ヴェルディユースに所属していたサッカー選手だったんですよ!
選ばれて光栄に思うのと同時にプレッシャーもあるのではないかと思います。しかし竹内涼真さんは“今はすごく幸せ”だとコメントしています。若い俳優さんらしく爽やかで素直な喜びが好印象です。
過去の視聴率
第1回11.1%
第2回11.2%
第3回11.0%
第4回11.0%
第5回11.8%
第6回13.2% (ビデオリサーチ調べ・関東地区)
第7話の高視聴率を得て犯人探しの緊張感はますます高まり、視聴者を釘付けにする話題作になることでしょう。
しかし、ネット上ではこんな声もあります。
真犯人はいったい誰なのかを毎話この人か?この人なのか?と疑いながら真剣に見ていると「もう疲れた」とこぼしている視聴者も少なくないとか。作り手側としては嬉しい悲鳴だと思います。
それほどまでにサスペンスの中へ引っ張ってしまう魅力がこの作品にはあると言えます。ドラマを見ていると出演者全員が怪しく思えてしまうような脚本になっており視聴者の心を惑わせます。
だからこそ、真剣に犯人捜しをしている視聴者は疲れてしまうのでしょう。作り手側の思惑にすっかりはまっているのです。SNSでは誰が犯人かを当てるつぶやきが拡散しているようです。
良い意味で人々の追及心をもてあそぶ、ドラマの魅力をたっぷりご紹介していきます。
豪華キャストによる家族構成
まずは映画並みに豪華なキャストが揃っていることです。一流の俳優が謎めいた行動や不可思議なセリフを言うのです。
確かにこれでは誰が犯人でもおかしくはないですね。この華麗なるラインナップは確かに魅力的です。
しかしその中でもやはり家族構成に大きな魅力があると言えます。
まず、主人公の「心」は竹内涼真。映画にドラマ、CMと引っ張りだこの若手俳優です。”心の父親文吾”役は鈴木亮平が演じています。彼がNHK大河ドラマ『西郷どん』で西郷隆盛役を演じて話題になったことは記憶に新しいと思います。
そして、”心の母親和子役”は榮倉奈々。2017年に第一子を出産し現在は芸能活動を控えめにしていた彼女が出演すると決まった時は大きな注目となりました。
2020年の現代では”心の妻、由紀役”は上野樹里が演じています。エンドロールに上野樹里の名前の横に特別出演とあるのはこの年齢の俳優には異例なことだそうです。通常は俳優として何十年も経験を積んだ重鎮が特別出演と記載されるのです。
評論家の間では6話で見せた彼女の迫真の演技は主役の竹内涼真を”くっている”とさえ報じられる程でした。
これらの豪華な顔ぶれが家族構成であるのは、幅広い視聴者をターゲットに狙った作戦なのでしょう。スマホ世代の若者からシニア層までとストライクゾーンが広いので多くの人に観てもらえます。テレビドラマを見なくなった現在だからこそターゲットを広くするのは重要なのです。
Twitterで世界トレンドの4位に
今ではすっかり定番の号泣タイム
これもやはり忘れてはいれない魅力の1つと言えます。もちろん第7話でも号泣タイムはあります。
Twitterで#「テセウスの船」が世界トレンドの4位に入ったことも話題を呼びました。
この号泣タイムが高視聴率の秘密と言っても過言ではないと思います。
#テセウスの船
わーい!また上がった!<テセウスの船>第7話視聴率14.0%で番組最高を更新 “心”竹内涼真&“文吾”鈴木亮平が再タッグ 佐野家のお楽しみ会に視聴者「号泣タイム」 (MANTANWEB) – Yahoo!ニュース https://t.co/cYoAoZ8jFr
— くるたじん@テセウスの船考察資料館 (@kurutajin) March 2, 2020
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サスペンスでありながらホームドラマのような、温かい家族愛を存分に魅せてくれるのも、また魅力の1つに数えられます。
父の冤罪を証明したい心。妻と子供たちは必ず守ると父性愛の塊のような文吾。夫を信頼し子供たちを愛する明るく優しい母の和子。
食卓を囲むシーンでは家族内ですれ違いの多い日本人が、忘れかけているごくありふれた家族の姿が見られます。そんな素朴な家族こそが人々の憧れと安堵を生み出しています。
特に、家族を思う文吾役の鈴木亮平の名演技は見逃せないポイントです。今や演技力の高さで定評のある鈴木亮平が家族に捧げるセリフは見ている私たちの心も温めてくれます。
舞台となっている音臼村の景色は常に雪景色です。厳しい寒さの中で育まれる温かい家族愛が深い感動を与え、涙があふれてとまらないのです。
こだわりのロケ地
ドラマの雰囲気にぴったりのロケ地。これもまた魅力の1つとしてご紹介しておきたいと思います。
雪のシーンは新潟県の湯沢高原スキー場で撮影されました。竹内涼真と鈴木亮平が度々、目撃されています。音臼小学校は栃木県足利市の廃校を使用しています。この学校は他のドラマでも撮影されています。いい味出してますね。
その他に平成元年にこだわった撮影用小道具に着目したいです。
暗い道を走る時に使われている懐中電灯や、ワープロ、使い捨てカメラ、家の中の家具、警察官の制服、自動車、北国の訛り等々。どこかノスタルジックな香りがします。懐かしさを感じる”セリフ無き演者達”も大きな魅力と言えます。
ドラマの魅力をあげたらきりがないほど出てくるので、このあたりで終わりにしたいと思います。あとは、視聴者である皆さんご自身がドラマの魅力に触れて見て下さい。きっとはまること間違いないです!
ここからは完全にネタバレです。
真犯人は10歳の少年?!
田村心(竹内涼真)は第6回目の放送の終盤で”車椅子の男”の加藤みきお(安藤政信)に呼び出されます。みきおは今まで歩けないふりをしていて車椅子生活をしていました。しかしラストシーンで立ち上がり自由に歩きます。
そして、心は加藤みきおにナイフで腹部を刺されてしまいます。
倒れて気を失った心は、再び事件が起こる2日前の平成元年にタイムスリップします。目を覚ました心が最初に見たのは実の父である佐野文吾(鈴木亮平)でした。
事件当時10歳だった、みきお(柴崎楓雅)が文吾に心が倒れていることを知らせたのでした。皮肉にもそのおかげで心は命拾いをします。心は、みきおこそが真犯人だと文吾に明かします。
そのころ音臼小学校ではお楽しみ会の準備が着々と進んでいました。しかし、その中にみきおの姿はありません。身寄りのいないみきおは、一度は施設に入ったが知り合いの家に行くと言ったっきりで行方が分からないとのことでした。
でも、生徒の一人がみきおを見かけたときに、みきおはお楽しみ会に、すごいお土産を持って参加する
と言ったのを文吾と心は聞いて驚きます。
心先生、僕を捕まえられるかな?
文吾と心はみきおを探すことが事件を未然に食い止める結果につながると必死に捜索します。みきおは施設に引き取られたのですが、すぐそこを出て知り合いの家にいったと聞いた心と文吾は手がかりを探すために、みきおが住んでいた家に行きます。
みきおの部屋に入ってみると「心先生」へと書かれたフロッピーディスクがありました。ワープロで確認するとみきおの異常性が分かるメッセージが残されていたのです。
「バレちゃった見たいですね。
でもこれでもってワクワクするお楽しみ会が待ちきれない。
心先生、僕を捕まえられるかな?」
「何でもお見通しか」
落胆する文吾。あと2日しかないと焦る心。
赤ちゃんの名前は「心」
しかし文吾は、ひとまず家に帰ろうと心を誘います。心は再び家族のいる佐野家に戻って来ることが出来ました。
母の和子(榮倉奈々)を始め家族みんなから温かい歓迎を受ける心。
久しぶりに家族が揃いほっとしたい心ですが、このままみきおが見つからず事件が起きてしまえば母と兄が死んでしまうのです。
明るい家族に囲まれながらも不安を隠せないでいる心に、嬉しいサプライズが待っていました。
家族会議で決めた赤ちゃんの名前は全員一致で「心」だと言うのです。
こうして僕が生まれてくるんだと幸せな気持ちになる心でしたが次の瞬間、その気持ちは消え去ります。
姉の鈴は、みきおに会ったというのです。何も知らない鈴は母のおなかの子が心に決まったと話すと、みきおは笑いながら
「心?それサイコー!!」と笑い飛ばしたのです。
文吾は何とかお楽しみ会を中止にして欲しいと音臼小学校に行き先生たちに頭を下げます。しかし文吾の話を全く聞き入れようとしない先生と喧嘩になってしまいます。
そのころ、みきおは田中のおじいちゃんのところに居ます。そして田中のおじいちゃんは、みきおがくれた薬を飲みながら死んだウサギの話をします。みきおは「僕が殺した」と言います。
そして、文吾の交番に一本の電話が入ります。
「田中のおじいちゃんの様子がおかしいんです」
「早く助けて」
電話の向こうの声はみきおでした。文吾が田中さん宅に駆け付けた時はもう亡くなっていました。
そして心はワープロで書かれた一枚の白い紙が置いてあるのを見つけます。
「さようなら、おじいちゃん。さようなら、心さん」
佐野家だけのお楽しみ会
心と文吾が田中のおじいちゃんの自宅にいる頃、みきおは母の和子に会いに来ていました。急いで心と文吾は家に戻ります。みきおの本当の狙いは自分であり、自分を身ごもっている和子の命を狙うのでは無いかと感じたからです。
しかし和子の命に別状はありませんでした。父の文吾は和子と子供たちにすぐ家を出るように言います。しかし子供たちは明日のお楽しみ会に出たいと言ってだだをこねます。
Twitterで#「テセウスの船」が世界トレンドの4位に入った名シーンはここから。
そこで心は「佐野家だけのお楽しみ会」をしようと提案します。母の和子は“タイムカプセル“を庭に埋めないかと誘います。家族みんなで大切なものをタイムカプセルにして30年後に開けようと言うのです。
本当はタイムカプセルを埋めるのは音臼小学校のイベントの1つで生徒たち全員が参加することになっていたのでした。
タイムカプセルに何を入れようか嬉しそうに考える子供達。
心は必ずまた逢えることを願い家系図を紙に書きます。
父:文吾、母:和子、姉:鈴、兄:慎吾、そしてまだ生まれていない自分の名前、心とその妻、由紀(上野樹里)2人の間に生まれた「未来」の名前を書きました。
白い封筒に家系図を記した一枚の紙と結婚指輪を同封します。心は母が用意した缶のタイムカプセルにそれを入れます。
お楽しみ会が自宅で行われタイムカプセルを埋める場面が、あの「号泣シーン」となり視聴者の心を大きく揺さぶりました。
私は30年後の奈美に宛てた手紙を書いて入れたいです。
翌日、家族を安全な場所に移した心と文吾は音臼小学校に行きます。
みきおは放送室にいました。そして全校生徒に呼びかけます。「3月12日今日は待ちに待ったお楽しみ会です。さあ、みんなで楽しみましょう」
急いで放送室に駆け付ける心と文吾。待ち受けていたように薄笑いを浮かべて2人をじっと見つめるみきお。
心は事件を止められるのでしょうか。本当に10歳のみきお一人の単独犯なのでしょうか。結論を残したまま8話へと続きます。
(2020年3月現在)