今回は「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」を紹介します。
この作品は大人気作品「ジュラシック・パーク」の続編となる作品です。
期待が大きかったからなのでしょうか、残念ながら上映されると酷評の嵐だったようです。
受賞はしませんでしたが、ゴールデンラズベリー賞にノミネートされてしまったり。
天下のスピルバーグ監督作品なのになぜなのでしょうか。
「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」のあらすじ
前作「ジュラシック・パーク」のあらすじはこちらの記事へ。
福 いや〜何度見ても迫力あるなぁ〜!! 旬 パパ何見てるの? 福 ん〜?恐竜の映画だよ。旬は恐竜好きか? 旬 うん、好きだけど大きいのは怖いよ。 […]
以下ネタバレを含みます。
ジュラシック・パークには実はサイトAとサイトBがあり、サイトAは観光島(ジュラシック・パーク)、サイトBは恐竜を飼育する島でした。
サイトAは封鎖され、サイトBもハリケーンの影響で設備が壊滅的となり、人間は恐竜を放置したまま島を完全に去ってしまいました。
生命を維持する栄養素が作れないよう遺伝子が操作されているので、恐竜は自然と絶滅すると思われてたのです。
しかし、恐竜は独自の進化をとげ生き続けていました。
そこで、ハモンド会長がマルコム博士にサイトBの調査を依頼します。
マルコム博士は最初は断りましたが、恋人で考古学者のサラがすでに島に入っていることを知り、救助目的でサイトBに行くことを決断しました。
一方ハモンド会長の甥ルドローは、恐竜を使った新たなテーマパークを作って一儲けしようと考え、恐竜狩りのクルーをサイトBに送り込みます。
人間のいない世界で独自の世界を作り出していた恐竜は、自分たちの縄張りで好き勝手なことをする人間に対し牙をむき襲い始めます。
恐竜から逃げ惑う中、本土から救助が到着し、マルコム博士達とルドロー隊はサイトBから脱出するできました。
ところが、ルドローは懲りずに会社のプレゼンテーションに恐竜を登場させようと、捕獲したティラノサウルス親子を麻酔で眠らせ船でサンディエゴの街に運び込みます。
輸送中、船の中で母親のティラノサウルスは錯乱状態となり、船員は全滅してしまいます。誰も操縦していない船は港に衝突して止まりました。
ルドローの従業員は何も知らずに母親ティラノサウルスのいる貨物室の扉を開けてしまい、母親ティラノサウルスは船から飛び出し、わが子を探してサンディエゴの街を襲い始めます。
「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」はスピルバーグ監督作品の失敗作?
「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」の評価
あらすじを読んで面白そうだとおもいますよね。最後はティラノサウルス親子を島に戻すことができ、よかったよかったという話なのですが・・・。
なぜかハッピーな気分ではありません。
むしろイライラした人のほうが多いようです。
評価をまとめてみると、
- 原作と違い過ぎる。
- 恐竜が描き方がひどい。
- 恐竜がかわいそう。
- 話に無理があり夢中になれない。
- B級映画みたい。
- 無駄に命を落とすシーンがある。
- 登場人物にイライラする。
- サラが自分勝手過ぎる
こんな意見が多くあります。
前作の「ジュラシック・パーク」のような恐竜の迫力、自然の偉大さをベースにしたアドベンチャー映画を期待していた人にとってはかなりガッカリな内容だったようです。
恐竜が凶暴な怪獣のように描かれているのですが、これは登場人物の身勝手な行動で怒らせてしまったからで、かわいそうになってしまいました。
特に鑑賞者の批判が集中したのは、商業主義者のルドローよりも研究熱心なサラの行動でした。
サラのとった行動は自己満足でしかなく、そのせいで事が大きくなったり犠牲者がでてしまったりしたのですが、反省したり悪びれるそぶりもありません。
イライラは狙っている?
恐竜はかわいそうだし、登場人物はひどい人間ばかりだし、何とも後味の悪い作品になってしまいましたが、実はこのイライラさせる、不快にさせることをスピルバーグ監督は狙っていたのではないかという意見もあります。
特に見ている人をイラつかせたサラの行動。中途半端な知識で自分の意見をとおし、一見正しいことをしているようで、実はそうではないということに苛立ちます。
また、ルドローの浅はかな行動が街を混乱に陥れ、犠牲者が出たこともイライラを増幅させます。
映画を見終わった後の不快さに、登場人物の身勝手さをリアルに感じていることがわかります。
これは人間のごう慢さや浅はかさを際立たせていて「こんな人間にはなりたくないな」という感想を持ち、監督が狙ったとおりなのかもしれません。
この映画は前作の「ジュラシック・パーク」のようにワーキャー言いながら冒険を楽しむ娯楽映画ではなく、作品のテーマをもっと掘り下げ、単なるアドベンチャー映画で終わらせないための作品と考えられます。
そう考えると実によくできた作品だと思います。
CG技術はどうだったの?
「ロストワールド/ジュラシックパーク」はアカデミー賞の視覚効果賞にノミネートされました。
前作に続き恐竜の迫力は衰えていません。恐竜の肌の質感は前作よりもリアルに感じられました。
街を襲う恐竜はゴジラ映画のようで、賛否が分かれますが、一見の価値はあります。
まとめ
前作と作風が違い過ぎてファンを驚かせてしまった「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」。
全体的にB級映画感があるのですが、このあえてのB級感がエセ正義の味方や浅はかな商業主義者を小ばかにしているように思えました。
「ジュラシック・シリーズ」はその後も続編が発表され、現在全5作となっています。第5作目の「ジュラシック・ワールド/炎の王国」はこの「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」の流れを強く受け継いでいるといわれています。
実は奥が深い作品をじっくり楽しんでみてはいかがでしょうか。