スピルバーグ監督作品「レイダース・失われたアーク」をざっくり解説

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アドベンチャー映画の金字塔として、多くのファンがいるインディ・ジョーンズシリーズ。

その人気は第一作「レイダース・失われたアーク」が1981年に公開されてから衰えません。

スティーヴン・スピルバーグが監督を務める映画シリーズだけでなく、テレビシリーズや小説、テーマパークでのアトラクションがあり、なんとゲームの世界にまで進出していました。

今回は映画第一作「レイダース・失われたアーク」をピックアップして解説します。

あらすじや登場人物だけでなく、映画の舞台となった時代やキーアイテム「アーク」についても簡単に解説

そのまま観ても楽しい映画ですが、ちょっと知識があるとさらに楽しめること間違いなし!

インディみたいに、ちょっとだけ歴史に詳しくなってみませんか?

 

「レイダース・失われたアーク」のあらすじ

大学で考古学を指導するインディアナ・ジョーンズ(インディ)は、秘境や遺跡を探検する冒険家、そして世界中の宝物を発見する凄腕のトレージャーハンターとしての顔も持っていました。

そんなインディはアメリカ陸軍諜報部から、ナチス・ドイツが聖櫃(アーク)の発掘を開始したという情報を得ます。

ナチス・ドイツよりも先に聖櫃(アーク)を手に入れてほしいと、陸軍から依頼され、インディは聖櫃(アーク)の熾烈な争奪戦に挑むことになるなります。

恩師の娘であり、かつての恋人・マリオンや友人で発掘王とも呼ばれるサラーと協力して、ナチス・ドイツとインディのライバルである考古学者ルネとのデットヒートを繰り広げるのことになるのでした。

 

「レイダース・失われたアーク」の登場人物と舞台となった時代を簡単に解説

「レイダース・失われたアーク」の舞台である1936年は、実は世界情勢が非常に緊迫した時代でもありました。

そんな時代に活躍した登場人物たちと時代背景、そしてインディたちが追うアークについて解説します。

「レイダース・失われたアーク」の主な登場人物

インディと今作の相棒ともいうべきマリオン、そしてルネを始めとして最後までインディを苦しめた敵役も紹介します。

インディアナ・ジョーンズ(インディ)

インディ・ジョーンズシリーズの主人公であり、トレードマークは牛追い鞭とフェドーラ帽。ちなみにインディはインディアナの愛称です。

インディアナ・ジョーンズは考古学教授として普段は大学で教鞭を取り、研究室にこもるよりもフィールドワークを愛する行動的な人物です。

彼のもう一つの顔は世界を股にかける冒険家であり、お宝を求めるトレジャーハンター。学者というとアカデミックでおとなしいイメージですが、彼は危険を顧みることもなく未開のジャングルから、灼熱の砂漠までアクティブに活動しています。

考古学ミステリーやお宝を追うロマンチストで、ちょっと皮肉屋なインディは意外なことに蛇が大の苦手

豊富な考古学の知識を持ち、冒険を求めるクールなタフガイな一面だけではないギャップが人間らしくて、たくさんの人に愛される秘密かもしれませんね。

マリオン・レイヴンウッド

マリオン・レイヴンウッドはインディの元恋人。ネパールで酒場を営んでいます。

アークを見つける鍵となるラーの杖飾りを所持しているインディの恩師アブナー・レイヴンウッド教授の娘です。

再会した当初はインディを追い返すなど、非協力的でしたが、アークを巡る争奪戦に巻き込まれ、相棒のような立場で協力することに。

酒場を経営しているだけに、かなりお酒に強いという一面を持っています。

ルネ・ベロック

インディのライバルであるフランス人考古学者です。

映画冒頭でせっかくインディが手に入れたお宝を横取りするなど、考古学者としての探求心は持つものの卑怯な手段もいとわない狡猾な人物です。また、ライバルであるインディとは対照的に、ロマンよりも実利を取る現実主義者。

彼はナチス・ドイツと手を組み、アークを狙いますが、仲間のはずのディートリッヒやトートを考古学に対して無知だと見下しています。

ヘルマン・ディートリッヒ

ナチス・ドイツの軍人で、アークを捜索する部隊の司令官を務めます。

考古学に対して一切敬意を持たず、むしろユダヤ教の信仰によるものであるアークを嫌悪している様子でした。

任務の遂行を第一とし、ヒトラーに対して忠誠を誓っています。

アーノルド・エルンスト・トート

ゲシュタポのエージェントで拷問を得意としています。

映画序盤でマリオンの酒場を襲撃し、ラーの杖飾りを奪おうとします。その時に発生した火事で負った火傷がナチス・ドイツのアーク探索に一役買うことになります。

「レイダース・失われたアーク」の舞台となった時代

「レイダース・失われたアーク」の舞台となった1936年。この数字にピンとくる人は少ないかもしれませんが、1939年となればどうでしょう?

第二次世界大戦が勃発したのが1939年で、その3年前が映画の舞台なのです。

1936年にアドルフ・ヒトラーはラインラント地方へ軍隊を進め、この出来事が結果的に第二次世界大戦への大きな転機となります。

また、それ以前にも世界中に世界恐慌をきっかけとした戦争の火種があり、世界各国がお互いの一挙手一投足を牽制し合っていた時代でもあるのです。

インディの住むアメリカもナチス・ドイツの動向には目を光らせており、そういった事情で彼にアークの獲得を依頼したのではないでしょうか?

実はこの時代はたくさんのスパイが活躍した時代でもあります。そういった背景もあって、この時代を舞台とした多くの物語が創作されました。

「レイダース・失われたアーク」のアークってなに?

アークってなに? というのが、初めて「レイダース・失われたアーク」を見たときの感想でした。

もちろん黄金の箱はお宝として凄いのかもしれませんが、いまいち凄さが実感できず……。

それもそのはず、私たちにはなかなか実感できませんが、アークは聖櫃(せいひつ)あるいは契約の箱と呼ばれるキリスト教ユダヤ教を信仰する人たちにとって非常に重要なものだったからです。

旧約聖書に記された聖櫃には十戒(じっかい)の石板マナを収めた金の壺アロンの杖が収められていたとされます。

十戒の石板は預言者であり指導者でもあったモーセが神から与えられたとれる10の戒律が記されたものです。

マナは神が作った不思議な食べ物のことで、モーセの祈りによって神が天から降らせたそうです。

アロンの杖はモーセの兄・アロンが使っていたことから、そう呼ばれています。エジプトで十の災いを起こしたとされる不思議な杖です。

ちなみにモーセから時代の下ったソロモン王の時代には十戒の石板しか入っていなかったと伝えられています。

こんなにも大切なアークですが、突然聖書から記述が消え、いつ間にかなくなっていました。その上なくなった詳細は記されておらず、失われた聖櫃(The Lost Ark)と呼ばれることもあるんだとか。

 

忘れてはいけない名監督スティーヴン・スピルバーグ

紹介が最後になってしまいましたが、スティーヴン・スピルバーグ監督といえば押しも押されもせぬ名監督。

作風も幅広く、今回解説しているインディ・ジョーンズシリーズなどの冒険活劇だけでなく、巨大人食い鮫と人間の戦いを描いた「ジョーズ」のようなホラー色の強いものや宇宙人とのコンタクトを描いたSF作品「未知との遭遇」、戦争を題材にしたものでは「シンドラーのリスト」「プライベート・ライアン」などが高く評価されています。

また、スター・ウォーズで有名なジョージ・ルーカス監督とは友人で、なんとインディ・ジョーンズシリーズを一緒に制作しています。

スピルバーグ監督はリハーサルをほとんど行わないなど、「早撮り」としても映画界では知られているそうです。また、そのため多作で、制作費を安く抑えることでも知られているのだとか。

 

スピルバーグ監督作品「レイダース・失われたアーク」は20年以上経ってもやっぱり面白い!

昔見た作品を大人になってから観直すと、ちょっと感想が変わりませんか?

例えば作品の舞台になった時代背景を知っていると、学校で習ったところだ、とか。

アークって、そんなに大事なものだったのか、なんて色々と発見があるように思えます。

それに古い作品だからといって最新の映画に劣っているなんてこともなく、インディの冒険にはやっぱりわくわくしますね!

今は映画館で上映されることはありませんが、その代わり動画配信サービスを利用して家族で簡単に楽しめちゃいます。

さあ、今度はあなたが家族を連れてロマン溢れるインディ・ジョーンズの世界へ出発しましょう!

残念ながら定額見放題で視聴可能なサービスはなく、レンタルのみで配信中です。レンタルを行っているのはdTV TSUTAYA TV、amazonプライム・ビデオです。(2020年8月現在)