2013年に公開され、その年の世界興行収入1位となる大ヒットを記録した「アイアンマン3」。
日本で公開されたときには「さらば、アイアンマン」という意味深なキャッチコピーで話題になりました。
今回はキャストやあらすじについて紹介していきます。
※ここからの内容はネタバレを大量に含んでいます!ご注意ください!※
「さらばアイアンマン」とは?まずは「アイアンマン3」予告編をチェック!
福
主なキャスト
トニー･スターク
天才発明家兼慈善家として全米から注目を集めているトニーは、自ら発明したアーマー（鎧）を身に纏い、アイアンマンとなります。
2012年公開の「アベンジャーズ」ではそうそうたるヒーローたちの中心的存在として描かれましたが、今作では過去の闘いをきっかけに、深刻なPTSDと不眠症を抱えてしまい、アーマー依存症に陥りながらも愛する人を守るために戦うことになります。
演じているのはロバート･ダウニー･Jr。これまでのアベンジャーズシリーズにも出演しているので、アメコミファンにはすっかりおなじみですね。
福ヴァージニア･ペッパー･ポッツ
軍需産業を扱う「スターク･インダストリーズ」のCEOでトニーの恋人でもあるペッパーは、アーマー依存症となった彼を心配すると同時に、お互いの距離を不安に感じてしまいます。また、元同僚のキリアンに仕事を持ち掛けられたことから、これまでにない危機に直面してしまうことになります。
演じているのはグウィネス･パルトロウ。今作が公開された2013年には「ピープル」誌が選ぶ「最も美しい人」のトップに輝いています。さすがの美しさ!
福ジェームズ･ローディ･ローズ
トニーの親友でアメリカ空軍の軍人です。トニーが創ったアーマー「アイアン･パトリオット」を装着して大統領の護衛を担当するのですが、敵の策にはまってアーマーを奪われてしまいます。ですが、軍人としての実力で超人的な能力を身に着けた敵を撃退。アーマーを取り返して大統領を護るという活躍を見せてくれます。
この役を演じているドン･チードルは「アイアンマン２」からの出演で、この作品をきっかけに大きく知名度を上げました。後半のアクションシーンは見ものですよ!
福ハロルド･ハッピー･ホーガン
スターク･インダストリーズの警備部長でトニーやペッパーの親友でもあるハッピー。スターク社にやってきたキリアンとサヴィンを不審に思い尾行していたところで事故に巻き込まれ、瀕死の重傷を負ってしまいます。
演じているジョン･ファヴローはなんと、前作「アイアンマン2」までは監督としても参加していました。過去には脚本を手掛けた作品もあり、多才さが垣間見えます。
福アルドリッチ･キリアン
A.I.Mという組織を束ねる天才科学者のキリアンは、過去にトニーから約束を反故にされてしまったことで彼への復讐心が芽生え、マヤが発明した「エクストリミス」という技術を利用してテロリストとして暗躍していきます。
演じているガイ･ピアースはテレビドラマで4年もの間主演を務めたことで人気者となりました。アカデミー賞のノミネートも多い、実力派俳優です。
福マヤ･ハンセン
植物学者で生物のDNAコードを解析する仕事をしているマヤは、再生医療のために発明した「エクストリミス」をA.I.Mに提供したことで兵器として利用されることを危惧し、トニーに逃げるよう警告しますが、結果的にトニーやペッパーを窮地へ追い込んでしまいます。
演じているレベッカ･ホールはゴールデングローブ賞にノミネートされたこともある演技派女優です。今年はなんと、初監督を務める作品が公開予定だとか。
福エリック･サヴィン
キリアンのボディーガードも務める彼は「エクストリミス」の作用を使ってハッピーに瀕死の重傷を負わせたり、大統領専用機の乗っ取りを企てます。
演じているジェームズ･バッジ･デールは、「24」シリーズで主人公の相棒を演じたことでも有名です。プライベートでは熱心なマラソンランナーとしても知られています。
福マンダリン
本名はトレヴァー･スラッテリー。電波をジャックして犯行声明を出すテロリストとして恐れられますが、実は偽物。A.I.Mに買われてテロリストを「演じていた」売れない俳優なのです。
演じているベン･キングズレーはインド人とイギリス人のハーフ。初主演作で演じたのはなんと「ガンジー」でした。教祖的な役がマッチしていると認められたのでしょう。
福ハーレー･キーナー
アイアンマンに憧れる小学生の男の子。A.I.Mの攻撃から逃れたトニーがアーマーとともに不時着したローズヒルに住んでいます。趣味の機械いじりを活かして、多くの場面でトニーをサポートしていきます。
演じているタイ･シンプキンスはスピルバーグ作品で子役デビューしています。実姉のライアン・シンプキンスとともに俳優として幅広く活躍しています。
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「アイアンマン3」あらすじ
①1999年の明暗
トニーはスイスで開かれたパーティーに参加し、そこで出会った植物学者のマヤに興味を持ちます。パーティーを抜け出してマヤの部屋へ向かう途中でキリアンと出会い、屋上で商談をする約束をしますが、トニーはそれを反故にしてマヤと会い、彼女の研究について話しながら一夜をともにします。
一方、キリアンは寒空の中、屋上で一晩中トニーを待ち続けて屈辱感を味わうことになります。
②2012年12月、依存症とテロリスト
アベンジャーズのニューヨーク決戦から7ヶ月が経って、トニーはスターク社を恋人のペッパーに任せて新しいアーマーを次々と開発します。
決戦をきっかけに不眠症とPTSDを患ってしまったトニーは「アーマー依存症」に陥り、遠隔操作もできるアーマー「マーク42」を開発。どこへ行くにもアーマーを持ち歩くようになっていました。
その頃のアメリカ国内では、マンダリン率いるテロリスト集団「テン・リングス」の活動が問題となっていました。
彼らの主な行動は爆破テロと電波ジャックによる犯行声明。ローディはトニーが開発したアイアン･パトリオットを着て捜査をしていましたが、テロ現場に爆発物の痕跡がないことから捜査は難航していました。
そんな中、キリアンがペッパーを訪ねてスターク社にやってきます。キリアンは人体の能力を向上させる細胞「エクストリミス」の研究をしていることを話し、スターク社と共同で開発を進めたいと提案しますが、軍事利用されることを恐れたペッパーはこれを断ります。
一方、スターク社の警備主任であるハッピーはキリアンと同行していたサヴィンを不審に思い彼らを尾行しますが、その先で謎の爆発に巻き込まれて重傷を負い、昏睡状態となってしまいます。
この事件を知り、テン･リングスの仕業だと考えたトニーはマスコミを通じて自宅の住所を公開し「いつでも受けて立つ」とマンダリンへ向けて宣戦布告をします。
③小さな協力者現る
自宅を公表した直後、マヤが「エクストリミス」について相談があるとトニーを訪ねてきます。しかしその直後、マスコミを装ったテロリストたちがヘリでトニーの自宅を襲撃してきます。
まだ機能が万全でないマーク42を駆使してなんとかペッパーとマヤを逃がし、トニー自身も空を飛んでテロリストから逃れますが、不時着したのは自宅から遠く離れたテネシー州のローズヒル。しかもマーク42は故障してしまいます。
壊れたマーク42を引きずりながら極寒のローズヒルを移動するうちに、機械が好きでアイアンマンに憧れている少年・ハーレーと出会います。
生意気ながらも高い素質を持つハーレーの協力を得ながら過去に起きた爆発事件を調べていくと、その背景にはキリアンが立ち上げたA.I.Mが関わっていることがわかっていきます。
④偽物のテロリスト
ローディの協力でマンダリンのアジトを突き止めたトニーですが、犯行声明の映像に映っていたマンダリンは架空の人物で、正体は売れない俳優のトレヴァーであること、真の黒幕はキリアンであることを知ります。
キリアンは架空のテロリストにテロを起こさせ、反テロを掲げた国に武器を売ることで世界を裏から操ろうとしていたのです。
キリアンは兵器として利用するために「エクストリミス」を開発し、発明者であるマヤを自分の手先にしました。そしてテロと戦う表明をした大統領と、キリアンと手を組むことを拒んだペッパーを拉致し、さらにペッパーはエクストリミスを投与され、拷問にかけられていたのです。
トニーとローディもキリアンに囚われて命の危機に瀕しますが、ハーレーが修理したマーク42が飛んできて危機を脱し、トニーはローディとともに反撃に出ます。
⑤クリスマスの決戦
大統領とペッパーが囚われている巨大タンカーへローディとともに潜入したトニーは、これまでに開発したアーマーを全機駆使して総攻撃をかけ、まずは大統領を救出します。
続けてペッパーも発見しますが、エクストリミスを投与し超人的な力を手に入れていたキリアンの妨害にあい、あと少しのところでペッパーが燃え盛る炎の中へ転落してしまいます。
怒りを力に変えたトニーは、キリアンにマーク42を着せて自爆させるという奇策で重傷を負わせますが、キリアンはそれでも立ち上がりトニーを殺そうとします。彼を救ったのはなんと、エクストリミスの効果で炎の中でも生き延びていたペッパーでした。ペッパーの反撃でキリアンは死亡し一連の事件は決着したのです。
ペッパーとお互いの想いを確かめ合ったトニーは「アーマーの数を減らそう」と言って戦いに使ったアーマーを自爆させます。タンカーの上で散っていくアーマーたちは、クリスマスを彩る花火のようにも見えました。
⑥さらば、アイアンマン
事件解決後、トニーはエクストリミス用の解毒剤を開発してペッパーを治し、自身もアイアンマンを操作するために自分の胸に取り付けていたアーク・リアクターを外して「普通の人間」に戻りました。
「アーマーは私にとっての繭だった。それを破って私は生まれ変わった」
という独白から、新たな人生が始まることを想起させて物語は幕を閉じるのです。
まとめ
大人気のアメコミシリーズ、魅力的なキャスト、アメリカ映画ならではのダイナミックな演出。
どこから見ても見ごたえのある作品ですが、この作品に込められたメッセージはもう一つあります。
「それでも、私はアイアンマンだ」というトニーのセリフでこの映画は締めくくられます。
「アーマーがなくても、大切な人を守ることはできる。強くなれる。ヒーローとは志なんだ。」
トニーは私たちに、そう言ってくれているのです。
ヒーローに憧れて強くなりたいと願う人たちへ、そっと寄り添うようなメッセージを投げかけているのではないでしょうか。
最後に、吹替版のトニー役を演じられ、今年4月に亡くなった藤原啓治さんのご冥福をお祈りします。
さらば、アイアンマン。
彼の活躍は、ずっと私たちの心に残っています。
アイキャッチ画像出典：amazon