TVドラマ界のアカデミー賞ともいわれるエミー賞をシリーズ完結までに数多く受賞し、社会現象まで巻き起こした「ブレイキング・バッド」。
そのスピンオフ作品であるベター・コール・ソウルも当然のように多数のアワードにノミネートされ、本家に劣らない高評価ぶりです。
そんな「ベター・コール・ソウル」。
ジミー・マッギル=ソウル・グッドマンというあまりの落差に視聴者は恐々と、だけど興味津々に彼とその周囲のドラマに引き込まれていきます。
今回はシーズン3のあらすじと、本家「ブレイキング・バッド」から新たに登場するキャラクターをネタバレにならないように紹介します。
これから視聴しようと思っていたからネタバレは厳禁! という方も安心して最後まで見てくださいね。
「ベター・コール・ソウル」とは
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「ベター・コール・ソウル」は、口が達者でお人好しな三流弁護士ジミー・マッギルが、いかにしてソウル・グッドマンへと変身していったのか。
その過程を描いたドラマです。
ソウル・グッドマンが初登場したのは人気ドラマ「ブレイキング・バッド」でのこと。
インチキ臭い喋りと確かな法律知識という、まるっきり正反対な特徴の犯罪弁護士として、危ない橋を渡り歩く彼はどのようにして生まれたのでしょうか。
「ベター・コール・ソウル」シーズン1・2のあらすじ
時は2002年までさかのぼり、ジミー・マッギルという本名で公選弁護人の仕事をしているところから始まります。
どれだけ苦労して小悪党の弁護をしても、少しの報酬を得られるだけ。
そんな毎日にうんざりしながらもチャンスを掴むため奔走するジミーでしたが、ある会計係の横領事件に関わったことで一癖も二癖もある人物と知り合うことに。
ギャングのナチョや元警官のマイクといった訳ありな男たちと関わったことで、ジミーの運命は大きく変わり始めるのです。
しかもジミーの弁護の手口は違法すれすれの危ういものばかり。
その上、ギャングから怪しい計画を持ちかけられてしまう有り様。当然ですが、正しい道を歩むことこそ成功の秘訣という信念の兄チャックからはいい顔をされません。
しかもシーズン2では苦労して手がけた仕事をよりにもよってチャックに横やりを入れられる場面も出てきます。
そうしてジミーは弁護士としてのアイデンティティを問われる経験をしていき、ジミーやチャックに理解のあるキャリアウーマンの弁護士・キムとの関係も徐々に変わり始めて…。
忘れてはいけない準主役マイクの存在
「ブレイキング・バッド」では暗躍するフィクサーとして描かれたマイク・エルマントラウトが「ベター・コール・ソウル」では準主役として登場し、ジミーとの出会いやその過去など詳しく語られます。
二人が出会ったのは裁判所の駐車場。ジミーの駐車料金が足りずにマイクが取り立てるのですが、それをジミーは金欠のために拒否!
どうやって「ブレイキング・バッド」で描かれたような関係になるのか見どころです。
マイクの壮絶な過去も「ベター・コール・ソウル」では語られることになるので、そこも注目ポイントです。
シーズン3のあらすじと見どころ
シーズン3では本家「ブレイキング・バッド」のキャラクターたちがさらに登場し、ジミーがいかにして、うさん臭さが服を着て歩いているようなソウル・グッドマンに変身したのか、物語は核心へと突き進みます。
ジミーは独立し、キムとオフィスを共同で借りて個人弁護士事務所をスタートさせます。ジミーとキムの関係は良好で、なんの憂いもないようですが、一方で兄弟の確執は決定的になっていました。
それでも兄への情をすてられないジミーは追い詰められ、弁護士資格を剥奪されそうになるなど、ピンチに陥ります。
マイクは麻薬組織の抗争に巻き込まれ、ギャングたちからマークされるようになります。警察官としての矜持(きょうじ)を持ち続けるマイクが、いかにして凶悪なギャングに対抗するのかというのも、シーズン2から引き続く見どころの一つです。
シーズン2までの主な登場人物とキャストをおさらい
ジミー・マッギル
「ブレイキング・バッド」ではソウル・グッドマンとして活動している弁護士。「ベター・コール・ソウル」で描かれるのは彼がまだ本名のジミー・マッギルを使って弁護士をしていた時代です。
シーズン3でついにキムと共同法律事務所を立ち上げ、弁護士として光明が見えてきました。
世慣れていて勘がよく、かつて”滑りのジミー”として詐欺で小銭を稼いでいました。軽薄にみえますが、意外と情にもろく誠実な一面も持っています。
ボブ・オデンカーク
ジミーからソウルへと変化する複雑かつ多面性を持つ主人公を演じるのは、ボブ・オデンカークさんです。
コメディ番組の脚本執筆からキャリアをスタートさせ、自らもキャストとして多くのコメディ番組にゲスト出演。
「ブレイキング・バッド」にてソウル・グッドマン役でブレイクし、「ベター・コール・ソウル」でついに主演しました。
マイク・エルマントラウト
「ブレイキング・バッド」では大物マフィアの片腕とし働き、ソウルのフィクサーしても暗躍していたマイクですが、「ベター・コール・ソウル」では裁判所の駐車場係として働いています。
元フィラデルフィア市警察の刑事で、市警察の汚職に絡んで息子を謀殺されるという凄まじい過去を抱えていました。
シーズン3ではドラック・ディーラーと深くかかわったことで、「ブレイキング・バッド」でなじみ深い人物とついに対峙することに。
ジョナサン・バンクス
いぶし銀の演技が光るジョナサン・バンクスさんは、移動公演のマネージャーになるために大学を中退したという経歴の持ち主。
舞台出演を経てTVドラマには1976年に進出し、多くの作品にゲスト出演しキャリアを積みました。
そして、「ブレイキング・バッド」でマイク・エルマントラウト役でエミー賞助演男優賞にノミネートされ、2018年には声優にも活動の幅を広げました。
チャック・マッギル
ジミーの兄で、法曹界(ほうそうかい)でも名の知られた敏腕弁護士でしたが、持病のため家に引きこもっています。
ジミーの庇護者のように振舞っていましたが、本当は不良だった弟の弁護士としての成功を苦々しく思っていました。
マイケル・マッキーン
コメディアンとしてキャリアをスタートさせたマイケル・マッキーンさんは、その後TV出演を果たし、俳優としての実績を築いてきました。
また、ミュージシャンとしても成功をおさめ、多方面で活躍しています。
キム・ウェクスラー
ジミーとは友人以上恋人未満という微妙な関係だったキムは、ひたむきな努力家で有能な弁護士です。
兄のチャックのことも気にかけてくれ、色々とジミーを出助けしてくれました。
関係が大きく進展を見せる今シーズンには、キムにも注目です。
レイ・シーホーン
1990年代終わりごろから短編映画や低予算映画への出演を始め、TVドラマへゲスト出演もあります。
「ベター・コール・ソウル」のキム役で注目を集めたレイ・シーホーンさんですが、なんと日本で暮らしていた時期があるそうです。
ハワード・ハムリン
高級スーツを隙なく着こなすエリート感満載の弁護士ハワード。ジミーにつらく当たり、彼からは敵視されていました。
しかし、その行動も実はチャックに指示されたものであることが判明します。
パトリック・ファビアン
「ラスト・エクソシズム」で主演を務め、数々の人気ドラマに出演した実績を持つパトリック・ファビアンさんがハワード役で脇を固めます。
ナチョ・バルガ
トゥコ・サラマンカの手下の一人ですが、ボスよりも冷静で実務的なナチョ。
マイクと知り合い、プロに徹する彼の姿に一目置いています。
マイケル・マンド
マイケル・マンドさんはカナダのテレビドラマを中心に活躍し、BCCアメリカの撮影したドラマに出演したことでさらに注目を集めました。
他にはゲームにも出演するなど、これからの活躍がさらに期待されます。
「ブレイキング・バッド」を知っているともっと楽しめる「ベター・コール・ソウル」
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シーズン1や2にも「ブレイキング・バッド」から数多くの登場人物が出演していました。
凶悪なドラッグ・ディーラーであるトゥコ・サラマンカとその伯父であるヘクター・”ティオ”・サラマンカ。他にはレオネル&マルコ兄弟やクレイジー・エイト、武器商人ローソンなどです。
実は登場人物以外にも、「ブレイキング・パッド」へと続く小さな事柄が「ベター・コール・ソウル」にはちりばめられています。
ジミーが依頼人と話をするカフェや事務所があるネイルサロンなどなど、探すとあちらこちらに…。
小ネタを拾い集めていくと、とても数が多くなってしまうので、登場人物に焦点を絞って紹介していきましょう。
フランチェスカ
「ブレイキング・バッド」ではソウルの秘書だったフランチェスカがシーズン3ではついに登場します。
ドン・エラディオ
麻薬カルテルのボスであるドン・エラディオはサラマンカ一家だけでなく、グスタフ・”ガス”・フリングをも配下としていた「ブレキング・バッド」でも超がつく大物です。
ヒューエル・バビノー
ソウルの護衛していた巨漢です。スリでの逮捕歴があることが今作で分かりました。
リディア・ロダルテ=クエール
大企業に勤めるキャリアウーマンでしたが、メス(「ブレイキング・バッド」で登場した麻薬)の原料をマフィアに供給していました。
あの大物が登場!
最後にもう一人ご紹介したいところですが、ぜひとも実際に視聴して驚いてもらいたいので、ネタバレを控える意味もありますし、名前は伏せます。
「ブレイキング・バッド」では非常に重要なポジションにいた人物で、ウォルターたちとも深く関わりました。
ぜひ、シーズン3を視聴して驚きを共有しましょう!
「ブレイキング・バッド」と「ベター・コール・ソウル」両方見たほうがもっと楽しい!
「ベター・コール・ソウル」は、本家「ブレイキング・バッド」を知らなければ楽しめないドラマではありません。
ですが、知っていればもっと楽しめること請け合いの作品でもあります。
登場人物や小物にちりばめられた「ブレイキング・バッド」へと続く時間が作中で確かに感じられるからです。
他にも往年の名作映画へのオマージュなど、制作者のこだわりを感じられる映像や音楽も盛りだくさんで、観ていて決してあきることのない良質なエンターテイメントです。
ぜひ実際にご覧になってみてください。
エンタメの神様でも本家「ブレイキング・バッド」だけでなく、「ベター・コール・ソウル」を扱った記事もありますので、興味がある方はちょっと覗いてみてくださいね。
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