「アンサング・シンデレラ」2話父娘の複雑な事情:切ない真実とは?

新型コロナウイルスの影響で放送開始が延期になっていた『アンサング・シンデレラ』が、7月16日から放送を開始しました!



1話の放送は平均視聴率10.2%を記録。視聴率2桁発進で好スタートと言われています。

今回はその『アンサング・シンデレラ』の2話を紹介していきたいと思います。

1話のあらすじを知りたい方はこちらをご覧ください。

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2話も主人公・みどりの薬剤部では大変なことが次々と起こります。

特に注目してほしいのは、2組の親子とのやり取りで浮かび上がるみどりと薬剤部主任である刈谷の仕事観です。彼女たちの熱い思いに胸を打たれます。

 

『アンサング・シンデレラ』2話:登場人物

病院薬剤師

葵 みどり/石原 さとみ

ドラマの主人公。患者に親身になって寄り添うキャリア8年目の病院薬剤師。

相原 くるみ/西野 七瀬

みどりの病院にやってきた新人薬剤師。みどりが教育担当。

瀬野 章吾/田中 圭

みどりの上司。あまり笑わないので冷たく見えるが、部下思いの優しい薬剤部副部長。

刈谷 奈緒子/桜井 ユキ

作業スピードを優先する薬剤部の主任。クールで淡々と仕事をするが、患者を救いたい気持ちは強く持っている。

今回紹介する2話のキーパーソン。

2話のゲスト出演

2話では2組の親子がみどりたちの薬剤部と交わっていきます。

主人公・みどりが最初に出会う親子はこちらの2人です。娘役の大後さんは、主演の石原さんと縁があるようです。

篠原 麻利絵/大後 寿々花

父親である大宮の見舞いにやってきた女性。病室で大宮と口論しているところをみどりに止められる。

女優:大後 寿々花(おおご すずか)

生年月日 1993年8月5日

出演作品:ドラマ「Dr.コトー診療所」「わろてんか」/映画「北の零年」「SAYURI」「桐島、部活やめるってよ」

「北の零年」では石原さとみ演じる多恵の幼少期を演じている。その時は一緒に撮影するシーンはなく、共演とはならなかったので今回が初共演。

優子
15年の時を経て、自分の幼少期を演じてくれた子と初共演なんてすごく運命的に感じちゃうわ!

大宮 清/小林 隆

腕を骨折してみどりの病院で入院している患者。娘の麻利絵にも病院にも何か隠しているようで…?

俳優:小林 隆(こばやし たかし)

生年月日 1959年8月20日

出演作品 大河ドラマ「新選組!」「江〜姫たちの戦国〜」「真田丸」/映画「ステキな金縛り」「海賊と呼ばれた男」「記憶にございません!」

誰もが見たことがある名バイプレイヤー。優しくて穏やかな役柄が多い。

優子
出演作品はたくさんありすぎて絞れなかったので、ドラマは大河作品のみにしました。でも個人的には「古畑任三郎」のイメージも強いわ!
そして刈谷が出会うのは山口親子。みどりと違った仕事観を持つ刈谷は、どのように母親である真央と関わっていくのでしょうか。

山口 真央/佐藤 めぐみ

悩み多きシングルマザー。まだ幼い息子・礼央の薬をもらうために来院。精神は限界に近付いているようで…?

『アンサング・シンデレラ』2話:あらすじ

優子
ちなみに『アンサング・シンデレラ』の「アンサング」は「褒められない」という意味。病院の中で感謝されない存在=「縁の下の力持ち」と表現されているわ。

みどりの病院で謎の不整脈により倒れた患者・大宮。不整脈の原因が分からず、死の危機に直面している。腕の骨折で入院していた彼は、病院側にも見舞いにきている娘・麻利絵にも何かを隠している様子。

その非常事態の裏で薬剤部にもピンチが訪れていた。

厚生労働省・麻薬取締官が医療麻薬が正しく管理されているか調査に来るので、念のために薬の数を調べると帳簿と数が合わない!このままだと警察に通報され、捜査になってしまう…。上司に頼まれ、新人薬剤師のくるみが走り出す!

また、山口親子の調剤を担当した薬剤部主任の刈谷。息子の為を思い、薬の成分をインターネットで調べる母親に冷たい対応をする。しかし再び来院した時に疲れ果てた母親を見て、刈谷はある行動を取る。

2話の予告動画はこちらです。

ここからネタバレがあります。ご注意ください。

 

『アンサング・シンデレラ』2話:ストーリー

みどりが出会った訳ありな父娘

薬を味見する変態(と呼ばれている)薬剤師のみどり。今日も始業前に、目隠しをして味だけで薬を当てるゲーム(?)をしています。

そこに厚生労働省の麻薬取締官がやってくるとの情報が入ってきて薬剤部は大慌て!今日はいつもより忙しくなりそうです。

そんな中、服薬指導(患者に薬の効き目や副作用を説明すること)に出発するみどりと新人薬剤師のくるみ。

順調に巡回していたみどりとくるみでしたが、病室で口論している親子に遭遇します。腕の骨折で入院している大宮 清と、娘の篠原 麻利絵。大宮はポーチと水を持って病室を出て行きます。

優子
苗字も違うし複雑な事情があるのよね…。

麻利絵と一緒に病室で大宮を待っていたみどりとくるみですが、大宮が不整脈で倒れてしまいます。腕の骨折でなぜ?みどりは大宮が病室を出て行く時にポーチを持っていたことを思い出します。

「薬のようなものが入ってた…。」

大宮はとても危険な状態です。みどりは「なんでもいいから大宮さんの情報がほしい。」と麻利絵に聞いてみますが、「20年ぶりに会っただけで何も分からない。結婚式に出席してほしいと頼みに行ったら断られて…。」と言うだけでした。

家に行けば何かあると思い、みどりは麻利絵に案内してもらって大宮の家に行きます。

しかしそこにあったのは半分に割れた薬。これではなんの薬か分かりません。みどりはおもむろに薬を舐めます。「この味…この味なんだっけ。」

優子
ここでみどりの「変態」な部分が役に立つのよね!

同僚の羽倉の協力もあり、薬を特定したみどり。瀬野に電話で報告しますが、みどりの味覚だけでは医者に伝えられないと言われてしまいます。

みどりは大宮の家にあった診察券から通っていた病院を突き止め、そこへ向かいます。

その間に大宮は更に危険な状態に…。焦る瀬野。手にはみどりの味覚で分かった、大宮を救えるかもしれない薬剤を持っています。

優子
いつもクールな瀬野が動揺してる姿に、見ているこちらもすごく緊張しました。

このままでは大宮が死んでしまう…。みどりの味覚を信じて薬剤を医者に渡すのか?そんな緊迫した空気の中でみどりから再度電話がきます。

大宮が通院していた病院で確認が取れました。薬はやはりみどりが味覚で感じ取ったものでした。瀬野は医者に事情を話し薬剤を渡します。

それによって大宮は危険な状態から脱することができました。

優子
麻利絵から「ありがとうございました。」と言われるのは医者だけなのよね。感謝されている医者の隣を、薬剤師の瀬野がただ通り過ぎていく姿に薬剤師の現実を見ました。病気を治したのは、あくまでも医者なのよね。

薬剤部のピンチ!

麻薬取締官が管理調査に来るのに薬の数が合わない…。このままだと通報され捜査になります。薬剤部は大混乱です!

しかし調べていくうちに薬のありかが判明します。薬剤部部長の販田(真矢 みき)は新人薬剤師のくるみに薬を取ってくるよう頼みます。

いつも消極的なくるみですが、今回は頑張ります。階段を走り、薬を持っているであろう医者が会議に出ていると分かれば、会議に潜入して薬の場所を聞き出します。

優子
この時に「ほんまですか?」と関西弁になったくるみがかわいかったのよね~!

麻薬取締官の時間を同僚の手品でかせぎつつ、なんとかピンチを乗り切った薬剤部。1話ではみどりの後ろについているだけだったくるみが、2話では大活躍でした。

今回は薬剤師というよりかはスパイ(?)のような感じだったので、今後は薬剤師としての活躍に期待したいです。

葛藤する薬剤部主任の刈谷

刈谷が調剤担当したのは山口親子。息子の礼央がマイコプラズマ肺炎をわずらっています。

薬の説明をすると母親の真央が「インターネットで調べたら副作用のある薬と書いてある。」と心配そうに聞いてきました。

「インターネットの情報に惑わされるのは危険です。安全性のある薬ですから。」と冷たく突き放す刈谷。

刈谷は超がつくほどの効率主義者。「まるで薬をさばくだけのマシーンですね。」と、くるみから言われるほどです。

大宮の容態が落ち着き、麻薬取締官のピンチも切り抜けた日の夜にみどり・くるみ・刈谷・販田でご飯を食べに行きます。そこでみどりに厳しい口調で言う刈谷。

刈谷の言ったこと

・みどりの行動は自己満足の域。

・病院は利益も上げなければいけない。しかしみどりは1人の患者に固執しすぎて、利益を上げられていない。

・みどりのようなやり方をしていると、利益を上げない薬剤部はどんどん縮小し、病院に薬局がなくなる。困るのはたくさんの患者。

仕事観が正反対の2人。話は平行線のまま、刈谷は帰ってしまいます。

そこに割って入ってきたのは謎の青年・小野塚(成田 凌)。「少し話聞いてたんですけど、さっきの人(刈谷)が1番患者のことを考えているなあと思って感動しました。」と話す小野塚に、みどりは納得のいかない微妙な表情を浮かべるのでした。

店を出た刈谷は偶然、礼央を抱えている真央を発見します。刈谷に声をかけられた真央ですが、明らかに疲れている様子でした。

家に戻った真央。家の中は荒れ、オレンジジュースに混ぜた薬を礼央は飲んでくれない、礼央の預かり先が決まらず仕事に迷惑をかけている…。1つ1つのことがシングルマザーの彼女の心を壊していきます。

再度来院した山口親子。医者に「子供が飲んでくれないから薬は変えられないか。」と話しますが、医者からは「もう少し頑張ってみてください。」と言われてしまいます。

真央に薬を渡す刈谷。真央は刈谷にも子供が薬を飲まないことを伝えます。そして刈谷も「もう少し…」と言おうとすると、すかさず真央が「『頑張れ。』ですよね…。」

優子
頑張ってへとへとになっている人に「頑張れ」の言葉は禁物よね…。「頑張れ」は相手に勇気を与える時もあれば、傷つけて追い込む時もあることを忘れてはいけないわ。

泣きそうな笑顔で言う真央に刈谷はたまらず声をかけます。「少しお時間いただけますか?」

刈谷が向かった先は調剤室にいたみどりのところです。刈谷はみどりに服薬指導を依頼します。「こういうのはあんたの仕事でしょ。」と、オレンジジュースとチョコレートアイスをみどりに渡す刈谷。

みどりの服薬指導

・マイコプラズマ肺炎の薬は、オレンジジュースのような酸性のものと合わせるととても苦味を感じる。→だから礼央は飲まなかった。

・オススメはチョコレートアイスに混ぜる方法。→全く薬の苦みを感じない。

・真央は頑張っている。だから1人で溜め込まないでほしい。→薬剤師はその為にいる。

そしてみどりは言いました。

「チョコレートアイスに混ぜる方法は子どもを持つシングルマザーの先輩が教えてくれたものです。彼女の子どももマイコプラズマ肺炎になって、薬を飲んでくれなくて苦労して見つけたのがこの方法だったんです。」

優子
刈谷主任もシングルマザーだったのね。そして自分が見つけた知識なのにも関わらず、みどりの方が患者に上手に伝えられると思って身を引く…。みどりと言い合うこともあるけど、心の底では信頼していると分かる行動にとても感動したわ。

「病院の外での生活も支えたい。患者の気持ちに寄り添いたい。」というみどりと「できるだけ多くの患者に薬をスムーズに渡したい。」という刈谷。一見、正反対な2人ですが「患者を救いたい。」という根本は同じです。

みどりが1人の患者に時間をかけられるのは、刈谷を筆頭に効率を考えて仕事をする仲間がいるからなんですよね。みどりに目が行きがちですが刈谷たちも、もちろんアンサング・シンデレラ(縁の下の力持ち)です!

 

『アンサング・シンデレラ』2話:父娘の複雑な事情の真実とは…

大宮の容態が落ち着き、みどりは彼の病室へ行きます。みどりは大宮の通っている病院に行った際に、彼が片足を切断しなければいけない程の大病を抱えていることを知りました。

大宮は麻利絵に迷惑はかけまいと大量の薬を飲み、痛みをまぎらわせていたのです。

麻利絵に隠そうとしていた大宮ですが、みどりは麻利絵に全て話していて病室にも呼んでいました。そのことに「単なる薬剤師が余計なことするな!」と激怒する大宮でしたが、みどりは引きません。

薬の用法を間違い、死の危機に直面した大宮。薬剤師としてみどりはこのことを絶対に見過ごせません。

そして大宮にはこの先、抗がん剤の治療や苦しいリハビリ、日常生活に大きな影響を与える困難が待っています。みどりは大宮と麻利絵に切実に言いました。

「1人だけでは大変です。だからどうか2人できちんと向き合ってください。お願いします。」

【父娘の複雑な事情の真実】

父から娘への思い…カッコ悪い自分を見せたくないからずっと娘から逃げてきた。もうこれ以上迷惑はかけたくない。病気のことを知られるぐらいなら、突き放そう。

娘から父への思い…どんな大宮でも構わない。もう逃げないでほしい。自分の父親は大宮だけ。

エンディング

『アンサング・シンデレラ』のエンディングはとても感動します。その話でみどりが関わった患者が、退院した後に病院の外でどんな生活をするのかを描いているのです。

1話にも出てきた「病院の外に日常がある」という言葉みどりが1番大切にしている言葉なのかなと思います。

大宮と麻利絵のエンディング

・片足を切断した大宮は麻利絵の結婚式に参列し、杖をつきながらバージンロードを麻利絵と一緒に歩く。

・そして大宮は新郎に麻利絵を託し、安心したような寂しそうな顔を見せる。

・大宮は麻利絵に付き添ってもらい、苦しいリハビリを笑顔を見せながら行っている。

・リハビリをしている部屋には、みどりが処方した薬が置かれている。

エンディングの映像ではありませんが、エンディング曲・DREAMS COME TRUEさんの「YES AND NO」をぜひ聴いてください。とても心に響く歌詞にも注目です。

作成した動画を友だち、家族、世界中の人たちと共有…

 

まとめ

今回は大きく分けて3つの出来事があり、どの出来事もキャラクターの良いところが存分に描かれていて見入ってしまう話でした。

葵 みどり/大宮、麻利絵との出会い…大宮の家や通院している病院に行き、大宮のピンチを救う。これから麻利絵と手を取り合って生活していくことをお願いする。

相原 くるみ/薬剤部のピンチ…薬剤部のピンチの為に走り、知恵を絞って奮闘。「合わなければいつでも(薬剤師を)辞めます。」が口癖だが、これから頑張ってくれそう…?

刈谷 奈緒子/山口親子との出会い…みどりに山口親子の服薬指導をお願いしたことから、優しくて仲間を信頼している人だと分かる。みどりのように分かりやすい「患者思いの薬剤師」ではないが、これからも超効率主義者らしく、たくさんの患者を救うのだろう。

2話のラストでは、大宮がこのままみどりの病院に転院することを希望していて、薬剤師をみどりで指名してきたと瀬野が告げます。

たくさんの同僚に支えられながら、これからもみどりは患者1人1人に寄り添っていくのでしょう。

また、今回はあまり紹介できませんでしたが成田 凌さん演じる謎の青年・小野塚が、次回の3話ではみどりたちと大きく関わるようです。1話、2話とほんの少しの登場だったのでとても楽しみですね!

ネタバレがありますが、成田さんの役はこちらで詳しく紹介しています。

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優子
今回の話で薬剤師は直接命を助けることはないかもしれないけど、病院外での私たちの生活を支えてくれる存在だと改めて実感したわ。

今後、薬をもらう時は「ありがとうございます。」と、きちんと言葉にしようと思います。

『アンサング・シンデレラ』はFODプレミアムで見られます。(2020年7月現在)