スピルバーグ監督作品「ターミナル」って実話?空港で暮す男の目的は

『旅』をするときに欠かせない場所の1つに『空港』があります。いつもたくさんの人で溢れているイメージですよね。空港は、国内外の人々がそれぞれの目的のために利用する、活気のある場所だと思います。

もし、あなたが海外旅行へ出かけたとき、目的地で「入国できません。」と言われてしまったら・・・。

僕ならパニックになっちゃうよ
今日ご紹介していくのは、世界最高のヒットメーカーの1人として大活躍しているスティーヴン・スピルバーグ監督の作品の「ターミナル」です。作品中の主人公であるビクターが、訳あって空港で暮すことになってしまうのですが、その暮らしの中での様々な人間模様や恋を描いていく、どの世代が観ても楽しめる僕がオススメする映画ですよ。
寛太
パパ、空港で生活ってできるの?
おっ、寛太。じゃあ、パパと一緒にこの映画を振り返ってみようか!
寛太
うん!僕もこの映画、興味ある~

スピルバーグ監督作品『ターミナル』主演のトム・ハンクス

 

ターミナル [DVD]

画像出典:amazon

この作品は、2004年に映画公開されました。主人公を演じたトム・ハンクスは、スピルバーグ監督の作品では3作目となる出演です。過去には『プライベート・ライアン』(1998年)、『キャッチミー・イフ・ユー・キャン』(2002年)と大ヒットした作品での出演でした。

名監督と人気俳優である2人の関係は、互いの意見を尊重し合い信頼関係を築いているそうです。2016年に公開された『ブリッジ・オブ・スパイ』では、監督自らがトム・ハンクスに主演してほしいとオファーをし、それに対しトムは

「役者冥利につきる」「宝くじに当たった気分だよ」

と、インタビューに熱く答えていました。

あの有名な監督に指名されるだなんて、光栄だね
「演技をしていないところが彼の素晴らしさ」とスピルバーグが高い評価をしているトム・ハンクスの演じる『ビクター』に注目ですね。
トム・ハンクス・・・1956年7月9日生まれ。アメリカ合衆国カリフォルニア州出身。俳優のほかに、映画監督や
プロデューサーとしても活躍。1979年に映画デビューをし、1993年にドラマ『フィラデルフィア』、翌年の1994年に映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』で2年連続アカデミー賞主演男優賞を受賞。
数々の映画作品に主演している。2001年に公開された映画『バンド・オブ・ブラザーズ』は、スティーヴン・スピルバーグ監督とともに製作指揮を行った。同作品には、息子のコリン・ハンクスも出演したと話題になった。
ここから先は、ネタバレを含んでおります。

『ターミナル』ってどんな話?

ビクター、空港に閉じ込められる

主人公のビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)は、父のある願いを叶えにクラコウジアからアメリカへやってきました。ところが、入国審査で許可をされずに、警備局へ連れて行かれるのです。

警備局の責任者であるフランク・ディクソン(スタンリー・トゥッチ)から事情を説明されますが、英語が理解できないビクターには状況がわかりません。実は、

『ビクターが入国審査をしている最中、彼の母国であるクラコウジア国がクーデター(国家に対する打撃)によって、パスポートが無効になり、入国はおろか、出国もできない状態となってしまった。』

という内容だったのです。ビクターは訳も分からない状態で、ディクソンから食券やテレフォンカード、呼び出し用のポケベルを受け取ります。空港のロビーのテレビから、クラコウジアのことがニュースで流れているのに気づきました。しかし、英語が理解できないし、周りの人に聞いても答えてくれません。

せっかくもらった食券は無くしてしまうし、家族が心配で電話をかけようとしても、テレフォンカードの使い方すらわからないのです。がっかりして肩を落とすビクターは、使用されていない67番ゲートの椅子をベッドに見立てて眠るのでした。

空港生活で出会った人たち

9か月もの間、ビクターは空港で暮していました。食べ物を買うにはお金が必要ですが、彼の手元にあるクラコウジアの通貨は使用できません。そこで、彼は考えました。空港で使用するカートを所定の位置に戻すとお金が返ってくると知り、早速当たりで放置されているカートを片付け始めます。

しかし、その光景がディクソンの目に留まると、途端に作業員を配置させられてしまい、ビクターは小銭稼ぎができなくなってしまうのでした。

ビザの申請に訪れるビクターは、毎日受付にいるドロレス・トーレス(ゾーイ・サルダナ)と顔を合わせていました。それを見ていた機内食サービスのエンリケ・クルズ(ディエゴ・ルナ)はビクターにお願いをします。ドロレスに好意を寄せているエンリケは、彼女についての情報を教えてくれたら機内食をご馳走してあげるというのです。

ビクターは必死で覚えた英語を使いながら、ドロレスに色々と質問をし、それをエンリケに伝えてあげるうちに2人は仲良くなりました。

長い空港生活を送っていくうちに、清掃員のグプタ・ラハン(クマール・パラーナ)やジョー・マルロイ(シャイ・マクプライド)とも心を通わせていくのです。

ビクターの恋

キャビンアテンダントのアメリア・ウォーレン(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)に一目惚れをしました。美しいアメリアには恋人がいるのですが、その彼は既婚者であり、それをわかっていながらも彼女は彼と会うことをいつも楽しみにしています。

彼にドタキャンされたとき、アメリアは勢いでビクターを食事に誘いますが、ビクターは「空港から外へは出ることができない」と断るのでした。

ビクターの恋心を知ったエンリケ、グプタ、ジョーは、2人が食事をできるよう協力したのです。ロビーはまるでレストランのようでした。食事の間、不倫相手からの連絡でアメリアのポケベルが鳴り続けます。

ビクターはアメリアに、次のフライトから帰ってきたらプレゼントを贈ると約束しました。それは、ナポレオンの贈り物だと言って1000個の噴水を手作りしたものでした。

実際1000個には至りませんでしたが、ビクターの優しさや作品の美しさにアメリアは深く感動するのです。この日、アメリアはビクターと会う前に、実はフランクからビクターの話を聞かされていたのです。最初は真実を伝えてくれなかったとビクターを責めるのですが、「どうしてアメリカに来たのか」とその理由を聞いているうちに心惹かれ、思わずキスをしたのでした。

残念ながらこの恋は実りませんでしたが、物語の終盤で、アメリアはビクターに『最高の贈り物』をするのです。

一体、どんなプレゼントでしょうか

『ターミナル』って実話なの?

この映画の主人公、ビクターと同様に空港に閉じ込められた人が実際に居たようです。彼の名はメーラン・カリミ・ナセリと言い、パリのシャルル・ド・ゴール空港で18年間も生活していました。

彼は早朝トイレで身支度(髪を洗ったり、身だしなみを整えていた)をし、日中はラジオを聴いたり日記を書いて過ごしていたそうです。

彼の日記は、のちに『ターミナルマン/空港に16年間住みついた男』と言う題名で自伝を出版していますね。

 

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あれ?18年住んでいたのに、著書では16年になってるね
この自伝書を読むと、真実がわかりそうですね。いずれにしても、そんなにも長い間空港に閉じ込められ生活を強いられてしまうだなんで、ナセリさんにとって驚愕の人生だったのだと思います。

まとめ

今回は映画『ターミナル』についてさらっとお話しさせていただきました。ビクターがアメリカへ来た目的や、アメリアからの最高の贈り物、そして、ビクターの意外!?な才能にはあえて触れませんでした。それはなぜかというと、

実際映画を観てほしいからです

DVDのパッケージには、シュールな表情のトム・ハンクスがいますが、実際は楽しく笑えるシーンや感動するシーンがたくさんあります。

ビクターの才能発揮の場面は、必見です!

ぜひ、この夏、家族や大切な人と一緒に観てくださいね。

映画『ターミナル』はU-NEXTamazonプライム・ビデオ、Netflixで観ることができます。(2020年8月現在)