スピルバーグ監督作品インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説は名作?迷作⁈

こんにちは。映画大好き福です。

今やもう映画にとってCGって欠かせない技術ですよね。CGが織り成す美しい映像に、僕も何度も引き込まれた事があります。

ただ今回僕がご紹介する映画は、まだそんなCG技術が未発達な時代の作品です。

今では考えられない表現方法で制作された映画、スティーブン・スピルバーグ監督の「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」について僕に語らせてくださーい。

 

監督スピルバーグの青き野望

自分が少年の頃に観た様な息もつかせぬ冒険大活劇をどうしても作りたい

そんな欲求をスピルバーグは持っていました。

それを盟友ジョージ・ルーカスに相談した所、「おあつらえ向きのがあるよ」と提案されたのが「インディ・ジョーンズ」でした。

スピルバーグはそのストーリーを大変気に入り、「それに決めた」と映画化に乗り出したのです。

この二人がタッグを組んだら、面白い作品が出来ると約束された様なものですよね。

僕なんか単純だから、二人の盛り上がったであろうやりとりを想像するだけでワクワクしてしまいます。

「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」はこんな作品です

画像出典:amazon

出 演 ハリソン・フォード(インディ・ジョーンズ/考古学者にして冒険家)
ケイト・キャプショウ(ウィリー・スコット/上海のクラブ歌手)
※夫はスピルバーグ監督(1991年〜)
キー・ホイ・クァン(ショート・ラウンド/インディの相棒の少年)
公開年 1984年
監 督 スティーヴン・スピルバーグ
原案・製作総指揮 ジョージ・ルーカス
音 楽 ジョン・ウィリアムズ

時系列でいうとこの作品の設定は、前作「レイダース・失われたアーク<聖櫃>」(1981年)の1年前なんです。なんで順番逆なんでしょうね、ちょっと面白いです。

前作と今作のインターバルは3年なので、ハリソン・フォードは「画面上4歳若返らないといけないんだ」とボヤいていました。

さっぱりすっきりなあらすじ

話の筋を知ってから観ても全然問題無いと思うので、思いっきりネタバレしちゃいますね。
時は1935年。インディは上海のギャングとの取引でトラブルに陥り、ギャングの愛人だったウィリーと相棒のショーティと共に飛行機で逃げ出す。
しかし、その飛行機はギャングの会社の物だった。細工され墜落寸前の飛行機から3人は何とか脱出する。
墜落した場所はインドで、インディ達は偶然出会った老人に村へと案内される。
その村では守り神である石が邪教集団に盗まれてしまい、その後井戸が干上がる、子供達がいなくなる等の災難に見舞われていた。
老人はインディ達を「空から降って来た神の使い」と信じ、邪教集団の本拠地パンコット宮殿から子供達と石を取り戻してくれる様依頼する。
宮殿に入り込んだインディ達は、その地下で強制労働させられている子供達と、儀式に使われている石を見つける。
インディが洗脳されたり、ウィリーが生贄にされそうになったりと、幾つかのトラブルをかいくぐり、見事に敵を倒したインディ達は子供達と石を村へと返すのであった。

おすすめポイント

目まぐるしい展開

もう考える間も無い位、次から次へと話が展開して行きます。笑えるシーンも随所に盛り込まれています。映画は2時間弱の長さなんですが、恐らくずーーっと画面に釘付けになると思いますよ。最後のトロッコでの逃走劇は、手に汗握っちゃう事必至です。

華麗なアクションシーン

特にテーマソングが流れている時のインディは爽快です。矢にも弾丸にも絶対当たりません、無敵です。インディは勿論、ショーティ役のキー・ホイ・クアン君も幼いながら、なかなかのアクションを見せています。インディとのコンビネーションも最高です。

こだわりがスゴい

全編通して、とにかく手を抜いていません。あ、それって当たり前なんですが、それにしたってこだわってます。僕個人としては、冒頭の上海クラブでのシーンが印象的ですね。ここ本筋にまるで関係無いのに、ミュージカルのワンシーンを思わせる力の入れ様です。

実は欠点も多いんです

この作品、結構批判も浴びてるんですよね。

欠点その1:人が死に過ぎる

この2時間の上映時間で、相当な数の死者が出ています。勢いが早過ぎて流してしまいがちですが、いくら映画とはいえ、これはよろしくないですね。

欠点その2:表現が残酷

生贄いけにえの少年が火炙ひあぶ
りになったり、ローラーで人間が潰されてしまったり、ちょっと目を背けたくなる場面が所々にあります。アメリカではこの作品がきっかけで、映画のPG-13(13歳未満の鑑賞には、保護者の強い同意が必要)が制定されました。

欠点その3:偏見・人種差別を連想させる

作中における悪食や邪教信仰が、インド並びにヒンドゥー教への偏見・差別だと批判を受けました。実際、インド政府には協力を拒否され、インドでの撮影は断念。撮影はスリランカで行われました。

これらの欠点への批判、僕は全部もっともだと思います。今、同じテーマで映画を作ったら、全然違う物になっていたでしょう。

ですがそれでも敢えて、僕はこの映画を観る事をおすすめしたいんです。

宮殿地下の広大なセットは、全て実際に組まれた物です。高さ14m、長さは90mにもなりました。雰囲気を出す為に、至る所で蒸気が焚かれるアイデアが出されました。

シリーズ恒例の「大量の生き物」、今回は虫です。1匹いるだけでも絶叫モノの巨大ゴキブリやムカデが壁や床を埋め尽くします。2000匹の虫達は全部本物です。その中でウィリー役のケイト・キャプショーは虫まみれになりながら、一言も文句を言わず演技をしました。

トロッコでのシーンでは、円になった短いレールを幾つか造り、照明を駆使して同じ場所を走っていると分からない様に撮影しました。そこで表現出来ない箇所は、精巧なミニチュアを作成し、アニメーションの様に少しずつ人形を動かし撮影するという、とんでもなく時間がかかる技法が取られました。

現在だったら、恐らくCGで処理する所でしょう。しかしそんな技術を持たない当時のスタッフ・キャストは、監督が表現したい物に対して、諦める事なく知恵と技術を使って応えていったのです。

その結果、今の映画ではなかなか味わえない、人の手がたくさん関わった、ホコリ舞う人間くさい映画が出来上がりました。

この映画に不謹慎な箇所があるのは事実です。でも僕はここに携わった映画人たちの情熱を、どうしても否定する事は出来ません。

やっぱり「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」は名作だ、と言わずにはいられないのです。

 

36年前の情熱

「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」はNetflixで視聴する事が出来ます。思いっきり笑ってハラハラして楽しんで下さいね。(2020年7月現在)

スピルバーグ監督はこの後、たくさんの社会性メッセージのある作品を発表していますよね。本当にいずれも名作ばかりです。

こちらの記事も是非ご覧下さい。

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そして併せて30数年前同じ監督が、暴走とも言える情熱で作り上げた冒険活劇映画もどうぞ観て下さいね。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。