スピルバーグ監督とアカデミー賞受賞作品
『プライベート・ライアン』の監督はスティーヴン・スピルバーグです。『E.T.』や『ジュラシック・パーク』などの有名な作品を生み出してる超有名人です。
名前 | スティーヴン・スピルバーグ |
職業 | アメリカ合衆国の映画監督兼プロデューサー |
民族 | ユダヤ系アメリカ人 |
持っている名誉 | アメリカで最も裕福なセレブリティ2位の人物。
大英帝国勲章(英国が個人に対し、功績や業績を表彰するため与えるもの) 大統領自由勲章(アメリカ合衆国に対し、特別な功績をした個人に贈られるもの。軍人以外の人に送られる最高位の勲章) |
影響をうけたもの | スタンリー・キューブリック、デヴィッド・リーン、黒澤明、アルフレッド・ヒッチコック等の作品。特にウォルト・ディズニーのディズニー映画の影響を受けている。 |
・アカデミー監督賞2回『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』
・アカデミー作品賞1回『シンドラーのリスト』
プライベート・ライアン
1998年にアメリカで公開された戦争映画で、第2次世界大戦時のノルマンディー上陸作戦を舞台にしてます。
『プライベート・ライアン』の名称は原題で『Saving private Ryan』といい、兵卒ライアンの救出を意味しています。アカデミー賞は11部門ノミネートされ、監督賞を受賞してます。
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あらすじ
ある老人が家族と一緒にノルマンディー米軍英霊墓地を訪れ、ある墓の前に座り込んだ。
老人の表情は、何とも言いがたい表情であり震えていた。心配した家族が集まる中、老人は戦時中のある出来事を回想する。
戦時中、アメリカ軍はノルマンディー上陸作戦を成功させたが、戦死者も多く出してしまった。
そんな中、アメリカ陸軍参謀総長のもとに、ある兵士の戦死報告が届く。それはライアン家の4兄弟の内3人が死亡したとの事だった。
残る末っ子のジェームズ・フランシス・ライアンも敵地で行方不明になったという報告が入る。参謀総長はライアンを保護して、本国に帰還させる指令を出す。
キャスト
役名 | 役者 | 人物 |
ジョン・H・ミラー | トム・ハンクス | 地形を生かした戦術を得意とする陸軍大尉である。部下6名と通訳を引き連れてライアン救出に向かう。 |
役名 | 役者 | 人物 |
ジェームズ・フランシス・ライアン(青年時) | マット・デイモン | アイオワ州ペイトンの農家出身で、4人兄弟の末っ子。階級は二等兵で、戦闘のさなか行方不明となる。 |
ジェームズ・フランシス・ライアン(壮年時) | ハリソン・ヤング | 家族と一緒に、ノルマンディー米軍英霊墓地を訪れ、ある墓の前に座りこむ。 |
なぜ、ライアン二等兵を救出する事になったのか?
映画を見て、ある疑問が浮かんだ人がいると思います。なぜ、ライアン二等兵を救出する事になったのか?
行方不明になった兵士1人を探すために、7人の実戦経験豊富の兵士と通訳1人を動員しています。
普通ではありえない事ですが、理由があります。当時、「ソウル・サバイバー・ポリシー」という制度がアメリカ合衆国陸軍省に導入されてました。
内容は兵役による戦闘に参加している家族(複数人兄弟)が戦死した場合に、生存する最後の息子を保護する事です。
この制度ができたきっかけは、第二次世界大戦中にアメリカ海軍の巡洋艦(遠洋できて、敵を攻撃する軍艦)が沈没して、サリヴァン兄弟の5人全員が戦死した事に、世間の注目を集めたからです。
『プライベート・ライアン』のライアン兄弟はナイランド4兄弟というモデルに基づいてますね。
戦場描写の凄さ
『プライベート・ライアン』が評価されたシーンは、冒頭でのノルマンディー上陸作戦の戦場描写です。
初めの20分間はノルマンディー上陸作戦のオマハビーチの戦いを描いてます。
BGMは一切なく、銃撃や爆撃の音や人間の掛け声だけが響いてます。映像はズームやスローモーションを使わず、手持ちカメラを使いました。
それにより、一人称視点(私たちが実際に目で見える範囲の視点)で戦闘を体験してる気分になりますね。
地雷による身体の欠損描写や、機関銃の弾が跳ね返って兵士に当たる描写はとにかくエグイです。もっと悲惨な描写もあるんですがやめます。
目をそむけたくなる様な戦場を忠実に描いた事で、映画史に残る20分間として高く評価されました。
この映画を見た退役軍人がPTSDに発症したとの報告を受け、専用のホットラインを設置すると二週間で170以上の相談が寄せられたそうです。
「足りないのは臭いだけで、他は完璧だ」と退役軍人に言わせたほどにリアリティーを追及してます。
作品の狙いは、観客に戦争の精神的苦痛や疲労を疑似体験させる事でした。過去のハリウッド作品は兵士を英雄化しており、現実とかけ離れていた描写をしてます。
スピルバーグ監督は、観客が映画で知った戦争と現実で見て来た戦争とのギャップを埋める事を考えました。
映画製作のために戦場の映像資料を探すが、ノルマンディー上陸作戦のものは非常に少なく、オマハ・ビーチ上陸中の映像はほぼ無かったです。
そこで、ドキュメンタリー映画『壮絶!独伊サン・ピエトロ攻防戦』と『ミッドウェイ海戦』のハンディカメラによる戦場のリアルな映像を参考にしました。
これを元にして、戦場にカメラが近づくという撮影方法を取り入れてます。
映画の始めのシーンは、24分間200カットで1カット辺り平均7.2秒と長い映像となっていますね。
もちろん、観客に長いと感じさせない工夫をしました。
それはカット割り(画面を切りかえて別の画面を移す事)をせず、カメラを上下左右に向けたり移動させて、観客に適切な情報を与えてます。
・戦場カメラマン視点
・トム・ハンクス演じるミラー大尉の視点
・一般兵士の視点
この三つの視点で進みます。
100枚以上撮影成功したものの、興奮した助手のミスにより、発表できた写真は11枚と言われてます。それでもちょっとピンぼけしてます。
最後に
いかがでしたでしょうか?
いままで平和に過ごしてきたので、戦争の事がよく分からないという人に『プライベート・ライアン』はおすすめします。
これからもずっと平和に過ごせる様にしていきたいですね。
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