みなさん、こんにちは、こんばんは。福です。
みなさんはUFOや宇宙人と聞くとどんな事を思い浮かべるでしょうか?
僕は単純に子供の頃を思い出します。
子供の頃に興味を持ったUFOの目撃談やバミューダトライアングルの話は不思議で、一時期そんな話を読んだりテレビで特集があると見たりしていました。
大人になるとすっかり忘れていますが、思い出すと当時のなにか解らないものへの好奇心や謎のワクワク感を思い出せます。
そんな不思議なUFOや宇宙人との遭遇を描いたスピルバーグ監督の作品、『未知との遭遇』は現代SFの原点ともいえるほど後のSF作品に影響を与えています。
今回は巨匠スピルバーグが若き頃に作った『未知との遭遇』を紹介します。
スピルバーグ監督作品『未知との遭遇』の原題と意味
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内容に入る前に是非知って欲しいことは邦題の『未知との遭遇』ではなく、原題の「close encounters of the third kind」です。
僕は邦題が素晴らしく秀逸だと思うんですが、文化の違いかなと感じました。
これは直訳すると「第3種接近遭遇」となります。いったいどういう事!?って思いますよね。
僕も最初はそう思いました。
では第1種や第2種は何なの?って思いますよね。大丈夫です。映画ではその部分も描かれているんですね。
それは…
- close encounters of the first kind:sighting 第1種接近遭遇とは、UFOの目撃
- close encounters of the second kind:evidence 第2種接近遭遇とは、UFOの物理的痕跡
- close encounters of the third kind:contact 第3種接近遭遇とは、UFO搭乗員との接触
なんです。それぞれの段階で人々はどんな反応を示したか?もちろん人によってまちまちです。
すると人によって(見ている人によって)感情移入する人物や目線が違ってくるんですよ。
だからこそ、この映画は面白いと言えるんです。
タイトルについても欧米の方ははっきり表現する文化ですが、日本は物語の全容をふんわり表現する事が多く、うまく端的に表現するな~って感じる事が多いですね。今回も邦題の表現が素晴らしく秀逸と感じました。これは僕自身が日本で生まれ育ったからかと思います。
その理由は映画を知ればわかる!ということであらすじを今から話しますね。
それで邦題の『未知との遭遇』が見事と言えるほど秀逸なことも解るかと思います。
あらすじ
①the first kind:sighting「UFOの目撃」
時代背景は1970年代。世界各地で不思議な現象が目撃され報道されていました。
メキシコの砂漠では1940年代に消えたはずの戦闘機が、パイロットだけまるで消えたままのようなぴかぴかの当時の状態で発見されます。
また、モンゴルの砂漠であるはずのない貨物船が見つかります。それも消息を絶った場所はアメリカの東側、大西洋のバミューダ・トライアングル。
こちらもまるで消息を絶った当時のままの状態で、海に出せば使える新しい状態でした。
さらにインディアナポリス航空管制センターでは夜中に未確認飛行物体の情報がもたらされ、原因不明の大規模な停電まで発生しました。
政府調査チームのリーダー、ラコーム博士やローニンは調査を開始しました。
大規模停電のためインディアナの発電所電気技師、ロイは一帯の停電を調べる為に街へ向かいます。向かう途中、ロイも不思議な飛行物体を目撃したかと思うとひと時、眩しい光に包まれました。光の元と思われる夜空の円盤が立ち去るため、ロイは追跡を開始。
同じころ、同州に住むバリー(3歳)がふと眼をさますと部屋のおもちゃが一斉に動き始めるのを目撃します。
少年は面白いと言って何かに気が付いたように外に出かけてしまいました。バリーの母ジリアンは外にでた息子に気が付き急いで後を追います。
道路を歩くバリーとジリアンはロイに出会いますが、バリーは突如「こっちへきて!」と呼びかけました。
すると次々と輝く飛行物体がバリーの元に集まってきました。
周りを見回すとバリーやロイと同様に輝く飛行物体を見つめる人々が…。
光を見つめた人々は、その後あるイメージが頻繁に浮かぶようになります。
それは見た事もない特徴的な岩山の姿でした。
②the second kind:evidence「UFOの物理的痕跡」
調査を続けるラコーム博士たちはインド北部へ来ていました。
人々が口にしていた5音の歌が、空からやってきたと言うからです。それは光る飛行体が発する音階と同じでした。
歌を解析した結果、音階言語という予測が付きました。
人々から聞いた宇宙からの返事は数字の羅列のみ。その数字は地球で言う経度・緯度ではないかと気が付きます。
その場所はワイオミング州。
そのことから博士は彼らがコンタクトを取りたがっていると気が付きます。
同じころ光を目撃した人々は謎の幻影にとらわれるようになり、日常にも支障をきたし始めました。
ロイは不思議な体験をした事や同じイメージが浮かぶことに夢中になり絵に描いたり、夕飯のマッシュポテトで山を作ったり、粘土をこねくり回してついには家の中に巨大な山を再現するなど奇行を見せ始めます。
熱中するあまり会社は解雇され、耐えかねた家族はロイの元を去ってしまいました。
いっぽうバリー、ジリアン親子も互いのイメージを確かめるように絵を書き始めました。同じ山の絵です。
ある日、2人の元にUFOが出現するとバリーはUFOと共に消えてしまいました。ジリアンは政府に事の経緯を訴えますが、誘拐か事故だろうと信じてくれません。
しかし、政府はワイオミング州でUFOと交信するための準備を行っていたのでした。
③the third kind:contact「UFO搭乗員との接触」
ワイオミング州ムーアクロフトでは有毒ガスが発生し住民の避難が開始されました。その様子はテレビ中継され立ち入り禁止区域になる事が知らされます。
テレビに映った背景にはみんなが見たイメージのあの山、デビルズ・タワーでした。
ロイ・ジリアンはそれぞれワイオミング州ムーアクロフトに向かうと現地はパニック状態になっています。2人は再会をすると、自分に起きた事を話しパニックのさなか、デビルズ・タワーへ向かいます。しかしここは立ち入り禁止区域。捕まってしまいました。
尋問にやってきたのは、一連の騒動を調査してきたラコーム博士とローニンです。
2人はロイ、ジリアンそれぞれに色んな質問をするとUFOと遭遇した経験があるかも聞いてきました。
尋問の後、ロイとジリアンは避難用ヘリコプターに強引に乗せられると、そこで輝く飛行物体を一緒に見ていた住人たちと再会しました。
彼らもデビルズ・タワーへ導かれたかのようにワイオミング州にやってきたのです。
毒ガスで立ち入り禁止にしたのは政府の嘘だ!そう気づいたジリアンとロイはヘリから逃げ出すと山へ向かいました。山道を進み政府が用意した実験施設を見つけると、岩陰に身をひそめ様子を見守ることにします。
ほどなくしてUFOがやって来ると、政府はじめラコーム博士の一団は、例の音階言語を使って交信を始めました。交信が通じたらしき事がわかるとラコーム博士たちは歓喜の声をあげ喜びます。
するとそこへ山の後ろから巨大な宇宙船が出てきて彼らの前に降り立ちました。
再び交信をするラコームたちに答えるように、母船からもまるで音楽のように大きな音が発信されました。
しばらくすると、母船から今まで行方不明になっていた人々が降りてくるのだが…。
敵か味方か?そして傑作SFと思う理由
この作品、本当に不思議なんです。この作品自体がまるで『未知との遭遇』そのものです。
人によって持つ印象や感想は本当にさまざまで、消失したように消えた人々の事を拉致されたと表現する人、選ばれし者が乗せてもらえるんだと思ったり、バリーのように自分で呼んだという印象をもったり、自ら旅立ったと感じたりします。また宇宙人を敵と感じたり、危害は加えられていない様子から味方と感じたり。
僕自身も、見るタイミングや出来事で見た後の余韻がワクワクすることもあれば、不安に感じる時があったり、単純に映画の世界を体験した感覚だけで不思議な気分になるだけだったり、本当に不思議です。
この映画のキャッチコピーはWe are not alone.(宇宙にいるのは我々だけではない)なんですが、それは敵・味方の印象を感じさせないものになっていました。
この作品は1977年に放映されたんですが、それまでの50年代60年代のSF映画と言ったら、UFO・宇宙人と言えば侵略者一辺倒のストーリーばかりだったそうです。そこへこの作品ですよ!
当然その後のSF映画に多大な影響を与える事になります。
SF作品の真骨頂、傑作と言えないでしょうか?
そしてこのことからも、冒頭で僕が話した邦題が非常に秀逸だと感じた理由、おわかりいただけたでしょうか?
是非ともみなさんに『未知との遭遇』を見ていただいて、見た後どんな気持ちになるか試してほしいと思います!
それではまた!