『ジョーズ』や『E.T.』など、数々の名作映画を生み出してきたスティーヴン・スピルバーグ監督。その名を聞いたことないという人は少ないのではないでしょうか。
彼には、17歳の時に参加したユニバーサル・スタジオの見学ツアーで、トイレに隠れてバスが去るのを待ち、一人でじっくりスタジオ見学をしたという逸話があります。怒られて追い出されるかと思いきや、スタジオ内で人脈を広め、顔パスで入れるまでに。
そんな彼自身の経験を彷彿とさせるような、潜入を得意とする天才詐欺師の物語が『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』です。
スピルバーグ監督作品『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(catch me if you can)」とは、日本語訳で「捕まえられるもんなら捕まえてみな」「鬼さんこちら」といった意味です。
その名の通り、天才詐欺師の逃亡劇になっています。
2002年にアメリカで公開され、日本では翌年2003年に公開されました。
監督はスティーヴン・スピルバーグで、主演の天才詐欺師をレオナルド・ディカプリオ、彼を追うFBI捜査官をトム・ハンクスが演じています。
実力派揃いですね!このメンバーを見ただけでわくわくしてしまいます。
あらすじ
16歳のフランク・W・アバグネイルは、仲の良い両親のもと幸せに暮らしていた。しかし、父の事業は失敗し、これまでとは一転、困窮した生活になってしまう。耐えかねた母親は男を作って出ていき、そのまま両親は離婚。そのことにショックを受けたフランクは家を飛び出す。
父親からもらった小切手を使い果たしてしまったフランクは、小切手の偽造を思いつくがなかなかうまくいかない。そんな中、街で注目を浴びるパイロットの姿を目にし、パイロットになる決意をする。
学生新聞の記者を装い航空会社に潜入すると、内部の知識を身に付けていく。ついには、パイロットの制服を手に入れ、身分証を偽装することで見事パイロットとして働き始める。
再び小切手の偽装も始めるが、パイロットという肩書のおかげで怪しむことなく使うことができるようになる。
一方、FBIは偽造小切手が出回っていることに気づく。ここから、様々な職になりすますフランクと、FBI捜査官カールの”追いかけっこ”が幕を開ける。
フランク・W・アバグネイルは実在していた!?
実は、この作品はフランク・W・アバグネイル・Jr著の自伝小説『世界をだました男』が原作となっています。
天才詐欺師、フランク・W・アバグネイルは実在しているんです!驚きですよね。
それでは、映画で描かれている身分詐称の数々はどこまでが本当の出来事なのでしょうか。
※ネタバレを含みます。
航空機パイロット
あらすじにもあったパイロットには実際になっています。
小切手の換金のために行った銀行で、銀行員が身分や見た目で人を判断していると感じたそうです。その時最初に目に入ったのがパイロットでした。
偽の身分証を作り、なくしたと偽って制服を手に入れたのですが、なんと250回以上搭乗していると推定されています。さすがに操縦することはなかったようですが…。
医師
フランク・コナーズの名で、小児科医として11か月働いています。
アパートを借りるときに職業記入欄があり、最初に思いついたのが医者だったそうです。隣に住んでいた本物の医者と仲良くなり、欠員補助で研修医の指導者として働くことに。指導者だったので、実際に医療行為をすることはありませんでした。
映画では、違ったきっかけで医者になっています。映画らしいロマンチックな展開で進んでいるので、ぜひ注目してみてください。
弁護士
ハーバード大学卒という偽の経歴を作り上げてはいますが、しっかり司法試験を受けて弁護士になっています。上司にコーヒーと本を運ぶだけの仕事だったと彼は語っています。
同僚のハーバード大学卒業生と話が合わず、怪しまれてしまったため辞職となったそうです。
パイロットも医師も弁護士も、専門的で大変な職業というイメージがあります。彼自身、実際に専門的な仕事はしなかったと語っていますが、違和感なく数か月以上その場で働くことができるなんてすごいですよね。
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』を見るには?
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は、実際に起こった出来事をもとにしているという驚きと、映画らしいすてきなオリジナル展開を楽しむことができる作品となっています。
さまざまな配信サービスで見ることができるので、ぜひご覧ください!
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