『レディプレイヤー1』は2018年4月20日にワーナー・ブラザース配給で公開されたSF映画です。
最近は、自宅でVR(仮想現実)を気軽に楽しめる時代が来ました。『レディプレイヤー1』は2045年の荒廃した未来で、VRの中で生活することが普通になった世界が舞台となっています。
原作である『ゲームウォーズ』が書籍化されて世に出た2014年には、原作者のアーネスト・クラインが「実写の映画化は不可能だ」と言っていた作品です。
そんな『ゲームウォーズ』をスティーブン・スピルバーグが実写化してしまいました!
今日は、原作である『ゲームウォーズ』が映画化は不可能と言われた理由と、映画『レディプレイヤー1』との違いについて紹介していきます。
『レディプレイヤー1』ってどんな映画?
2045年の未来のお話。環境汚染が進み地球の気候がおかしくなってしまい、人や政治では地球の機能が維持出来ないほど荒廃した世界。
辛い現実から仮想現実である「オアシス」に未来の人々は逃げていた。
そんな「オアシス」はジェームズ・ハリデーによって作り出された。
ジェームズ・ハリデーは1980年代を生きて、その時代のゲームや映画、アニメなどに強く影響を受けたオタクだった。そんな彼が選んだ職業はゲーム会社のプログラマー。
恋愛そっちのけで、仕事や趣味に没頭し続け独立したジェームズ・ハリデーはなりたい自分になれて、やりたいことがなんでも出来る完璧なバーチャル世界である「オアシス」を作り上げる。
彼には、奥さんも子供もいない。そして彼は亡くなり遺言が世界に発信される。
その遺言とは
「オアシス」のどこかに「イースター・エッグ」を隠した。それを見つけた者には、遺産である56兆円と「オアシス」を運営する権限を与える。
56兆円と言えば国家予算ほどある大金と、未来の人々が生活する「オアシス」を独占できる。言ってしまえば、世界を自分のものに出来てしまうほどの遺産であった。
そして、未来の人々は「イースター・エッグ」を探し争いを始める。
「イースター・エッグ」を探し当てるには、3つの鍵を手に入れる必要があり、試練が用意されている。そして、驚異的な強さで一つ目の鍵を手に入れた人物は、主人公であるウェイド・ワッツだった。
主人公であるウェイド・ワッツは両親を亡くして、貧しいスラム街生活を送っている。
ウェイド・ワッツは「オアシス」の中でパーシバルというアバター名でゲームをしている、冴えないオタクだった。
そして、ウェイド・ワッツは貧困層の住民だが、現実を忘れさせてくれる「オアシス」にのめり込んでいく。
一躍有名人となったパーシバル。しかし、世界第2位の企業に甘んじるイノベイティブ・オンライン・インダストリー社は総力を尽くして「オアシス」を手に入れようと争う。
ウェイド・ワッツは無事に試練を乗り越え「オアシス」を手に入れることができるのか?
なぜ原作発売当初に映画化は不可能と言われた?
映画制作をするにあたって大事なことは、著作権を侵害しないことです。
しかし『レディプレイヤー1』や原作『ゲームウォーズ』では、1980年〜90年代に流行った映画やアニメ、ゲームのキャラクターや演出が数多く使われています。
映画では実際にどのような作品が登場するのか、一部紹介したいと思います。
監督であるスティーブン・スピルバーグの作品
- 「バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ」
- 「ジュラシックシリーズ」
- 「トランスフォーマーシリーズ」
- 「宇宙戦争」
- 「グーニーズ」
- 「グレムリン」
上記の作品を見ただけで、スティーブン・スピルバーグ監督がどれだけの名作を世に生み出したのか分かります。
しかも、スティーブン・スピルバーグ監督は『レディプレイヤー1』で、まだ登場させていない映画やキャラクターがいます。
なぜ登場させなかったのかと言うと、自分の作品ばかり登場させて自惚れだと言われたくなかったと言っています。
ワーナー・ブラザース関連作品
- 「アイアン・ジャイアント」
- 「シャイニング」
- 「イレイザー」
- 「マッドマックス」
- 「スピード・レーサー」
- 「キングコング」
- 「ビートルジュース」
- 「ルーニー・テューンズ」
DCコミック関連作品
- 「バットマンシリーズ」
- 「スーパーマンシリーズ」
- 「ロードオブザリングシリーズ」
- 「スポーン」
- 「エルム街の悪夢」
- 「13日の金曜日シリーズ」
日本の作品
- AKIRA
- ストリートファイターシリーズ
- ゴジラ
- 機動戦士ガンダム
- カウボーイビバップ
- マリオカート
- 日産リーフ
日本の映画やアニメ、ゲームも数多く取り上げられているので見ていて楽しくなりますね!
まだまだ全ての作品は紹介できていませんが、ざっと紹介しただけでもこれだけの数の有名作品が登場しています。全ての著作権の許可を取らなければならず、許可を取るだけで数年を費やしたと言われています。
映画化は不可能と言われたのは、こういった権利関係の絡みがあったそうです。しかし、それもクリアしてしまうのは制作スタッフの努力とスティーブン・スピルバーグ監督の人望のお陰かも知れませんね!
また、登場する作品を見てから『レディプレイヤー1』を見るとより一層楽しめると思います。
原作と映画の違いは?
なぜ原作発売当初に映画化は不可能と言われた?でもお伝えした通り多くの作品が登場していますが、著作権交渉が上手くいかず原作『ゲームウォーズ』では登場していましたが、映画『レディプレイヤー1』では登場していない映画やキャラクターが存在します。
スティーブン・スピルバーグ監督の作品で、『E.T』のエイリアンと『レイダース/失われたアーク』で人気を博したインディ・ジョーンズシリーズの主人公、『未知との遭遇』も原作では登場しておりますが、スピルバーグ監督は自身の作品ばかり出すことを嫌い、『レディプレイヤー1』には出演させていません。
また当初は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で有名な車のデロリアンも登場させない予定だったそうです。しかし、『ゲームウォーズ』の原作者アーネスト・クラインの強い要望でデロリアンは主人公の愛車として映画に登場しました。
そして原作『ゲームウォーズ』でも重要な役割を果たす『ブレードランナー』も登場していません。それは『レディプレイヤー1』の制作期間と『ブレードランナー2049』の制作時期が重なっていて、登場させることができなかったそうです。
重要な役割を果たすはずだった『ブレードランナー』の代わりにスティーブン・スピルバーグ監督が思いついたのは、交友もあるスタンリー・キューブリック監督の作品『シャイニング』でした。
他にも、アメリカで人気のあった『スパイダーマン』が日本へ輸入され東映版として制作された映画の中に出てくるレオパルドンというスパイダーマンが乗るロボットが原作『ゲームウォーズ』では登場しますが、アメリカでの認知度が低かったため登場を見合わせました。
日本作品では、「ウルトラマン」が登場します。原作『ゲームウォーズ』内では、主人公が「ウルトラマン」へ変身する様子が描かれていますが、映画『レディプレイヤー1』では登場していません。
「ウルトラマン」の権利を持つ円谷プロダクションは、「ウルトラマン」を本作に登場させようとしていましたが、海外での権利問題があったため断念せざるをえなかったそうです。
原作者であるアーネスト・クラインさんは日本の作品にも愛着を持って多くを起用しており、見ていて楽しくなります。
また、円谷プロダクションも海外の問題をクリアしたことで、今後「ウルトラマン」を使用しても良いと言っているそうです。
まとめ
いかがでしたか?
『レディプレイヤー1』は、元ネタを知らなくても楽しめるストーリー構成になっています。そして数多くの有名作品が登場した本作は、元ネタを見ることによってより一層楽しめる映画になっています。
リアルタイムで元ネタを見ていた人は、懐かしさを感じます。逆に元ネタを知らない人はこの作品から見て古い作品を見てみると楽しめます。どんな世代にも楽しめる究極のエンターテイメントが詰まった映画になっているので、ぜひ皆さん見てください!
U-NEXT、amazonプライム・ビデオ、TSUTAYA TV、dTV
で見られます。(2020年6月現在)