こんにちは、福です。
今回の『麒麟がくる』は劇中で最も悪いやつが活躍します。その名前は摂津春門です。
麒麟がくる
「光秀ははじめて、摂津晴門のような狡猾(こうかつ)で陰険な男に出会ったのだと思いますよ。晴門とのシーンでは、いつも冷静な光秀が興奮して感情むき出しで激怒しますから。これまでに見たことがない光秀を引き出せたと思います」(片岡鶴太郎)#麒麟がくる
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[総合/BS4K]夜8時 [BSP]午後6時 pic.twitter.com/xAPR9mcnTB— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) October 25, 2020
『麒麟がくる』ブルーレイ
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28話の紹介記事
三好の襲撃に対処した光秀たちは疑っていました。なぜ三好は京に奇襲をかける事ができたのでしょうか?摂津春門が手引きしていた可能性がありますね。
彼は三好がいた頃の幕府が好きみたいで、信長を疎んじてます。詳しい内容は別記事にて紹介しますのでご覧ください。
こんにちは、福です。『麒麟がくる』も28話目となりました。今回は、足利義昭一行が上洛に成功し、幕府を立て直そうとするお話です。光秀がいよいよ表舞台で活躍する時が来ました。ますます見逃せないですね。 優子 わたしもパパのお手伝[…]
登場人物
摂津春門
幕府の財務担当大臣で、義輝(13代将軍で義昭の兄)の頃からずっと幕府の事務を取り仕切っている。保守的な性格で、三好がいた頃の幕府を取り戻そうとしている。信長嫌いで、光秀を「厄介な男」として見ている。
明智光秀
幕臣となり、幕府の内部を知る。調べれば調べる程醜い出来事が出たので、幕府の改革に乗り出す。春門を問いただすも、のらりくらりとかわされる。いままで見た事がない人物に怒る光秀だった。
細川藤孝
光秀の親友であり幕臣。一緒に仕事する仲間で、光秀をサポートしてくれる有り難い人物。
織田信長
将軍義昭の襲撃に怒った信長は2か月で二条城を造ると宣言した。独断で各地から資材や豪華な品々をかき集めるが反発される。「うるせー。おめーらが将軍を守る城を造らなかったから俺がやってんだろー」と内心思ってそうだ。
足利義昭
春門と寺社のお坊さんから「信長が持っていた品物を返せ」と突き上げられる。抵抗するも押し切られてしまった可哀想な将軍である。義昭は駒の元を訪れ、非田処(ひでんしょ)を作る計画を打ち明けた。
非田処(ひでんしょ)
貧しい民に食べ物を与え、休む事ができる館。一時的な救護所といえる。
駒
義昭と再会した時、「話したい事がある」と言われた。彼が訪れた時、非田処(ひでんしょ)を作る計画を聞かされた。駒は、計画に必要な1千貫を溜める事にした。
伊呂波太夫
小さい頃、近衛家に拾われた経験がある女性で尼寺(女性だけの寺)に入れられると聞かされた。御所を直したいという思いが強く、今までのミステリアスな印象は薄くなっている。
近衛前久
春門たちに追われている公家で消息不明となっていた。伊呂波太夫に匿われており、光秀と接触する。前久は春門の野望を光秀に話し、信長に希望を見出していた。
29話「摂津春門の計略」
汚職役人に怒る光秀
二条城建設は順調に進んでいた。信長は張り切っており、現場で指示を出している。しかし、2か月の短期間で城を造るため、庭石や装飾品は各地の寺や神社から徴収しなければいけなかった。
そんな中、光秀と藤孝は信長の悪い噂について話していた。
藤孝:近頃、一部の幕臣が「信長さまは将軍の名を借りて、高価なものを奪っている」と陰口を叩いてるのを聞きました。
光秀:今まで何もやらなかった幕臣が、信長さまのやる事に批判するなんてとんでもないことです。
藤孝:同感です。幕臣の中には、寺社が経営してる金貸しと組んで賄賂をせびっている輩がいます。情けない限りです。
幕府内の汚職に光秀は怒りを隠せなかった。
光秀:幕府の内部は腐っている。ほこりを叩けば色々出てくるわ。
摂津春門の悪事
義昭は困惑していた。摂津春門と同席している僧正(そうじょう)の汚職ブラザーズが彼を問い詰めてるのだ。要件は信長から持ち出された庭石や装飾品を返してほしいとのことだ。
僧正(そうじょう)
僧や尼をまとめ、寺を管理する立場の最も偉い人。
義昭:信長どのがわたしを守るためにしている事なのだ。
春門と僧正:……(庭石と装飾品は城の防御には関係ないだろうに。返すと約束してくれるまでは居座るつもりだぞ)
春門:ごほん。このままでは寺社全体が義昭さまや信長さまの抵抗勢力になる恐れがございますぞ。(さて、この脅しにどう対応するかな?)
義昭:(震えながら)信長どのが岐阜城に帰ったら分からない様に返すことは不可能ではない。
その返事に汚職ブラザーズは納得した。義昭が去った後、僧正はお金を春門に渡した。賄賂の現場である。
傷心の義昭と癒しの駒
汚職ブラザーズに問い詰められ、孤独状態の義昭は、駒の元へ向かう。そこで貧しい民を助ける施設について話し合った。施設を造るにはお金が必要だが、幕府は金がない。
そこで駒は支援のため、一千貫(当時で約1億5000万)用意すると約束した。心配する義昭だが、駒はつてがあった。
駒:さて、家に戻ってどのくらいお金があるか確認しなきゃ。お師匠さまがばくちに使ってなきゃいいけど。
ちょうど師匠の望月東庵が、お金を持ち出そうとしていたので叱った。そして、200貫ある事を確認した。
駒:先生。仕事場を広げて、丸薬をもっと作って売りましょう。一千貫用意したいんです。(義昭さまとの約束を守らなきゃ)
東庵:一千貫!!そんな大金をか。(男か!いや違うな。)
摂津春門の野望
光秀は伊呂波太夫の紹介で、前関白の近衛前久と対面した。二人は人けのないある神社でこっそり話し合った。
光秀:足利義栄さま(14代将軍で故人)を推薦したあなたさまが、わたしに何か用でも?(三好勢とつるんでいたと聞く。用心せねば)
前久:わたしは三好勢と組んで足利義輝襲撃に関わっているとして、摂津たちに追われている。その噂を流したのは二条春良(前久のライバル)じゃ。
前久は光秀に今までの事情を説明した。
前久:二条はわたしを追い落とし、近衛家の領土を奪い取るつもりだ。幕府の摂津春門もその分け前をもらうため、グルになっている。春門みたいな汚職役人がはびこり、天下の為に働こうとする人物がいない。
上杉謙信と共に行動したことがある前久は嘆いていた。
前久:幕府は本来の仕事である帝の守護を忘れておる。しかし、わたしは織田信長に期待している。彼に意見を言えるそなたと会って話をしてみたかった。
太夫:公家だけではなく、帝も貧乏です。領地を奪われ、今の帝の曽祖父(祖父の父)の葬式の費用が出せないほどでした。遺体が2か月も御所に放置されたのです。幕府は朝廷を助けてくれませんでした。
太夫の表情は悲しみと怒りが混じっていた。光秀は帝の事が気になり、太夫に御所へ案内してもらう約束をした。
後をつけられる光秀
光秀は信長の元へ向かった。すると、木下藤吉郎がいたので話す事になった。
藤吉郎は京都の奉行になる予定で、公家の動きを把握しようとする。特に公家のトップである近衛前久がどんな人物か知りたがっていた。
藤吉郎は他の任務も言い渡されていた。将軍の側近(光秀や藤孝など)が信長を裏切らないか監視する任務である。
光秀:わたしが信長さまを裏切ると思って、調べていたのか?
藤吉郎:いえいえ、明智さまが信長さまを裏切るなんて考えませんよ。ただ、公家との付き合いには注意して下さい。公家は大名や寺と繋がっているから足元をすくわれる危険があります。(可能性がないとは言い切れないし、信長さまの命令はきちんとこなさないとね)
藤吉郎と別れた後、光秀は後をつけられていると感じた。信長に会うなり文句をぶつけた。
信長:藤吉郎はああいったやつじゃ。仕事をきちんとこなすし使えるやつだ。(お前がうちに来ればこんな扱いはさせないぞ)
信長は藤吉郎を信頼していた。
光秀と春門の睨み合い
幕府の不正がないか調べている最中に、藤孝から思わぬ知らせを受け取る。
「光秀が東寺八幡宮領の一部を奪ったので返せ」という訴えだった。しかし、この領地は光秀が家族と一緒に住むために義昭から貰ったものだった。
春門が怪しいと睨んだ光秀は彼の元へ向かう。
春門:明智どの、急にどうされましたかな。
光秀:わたしが東寺八幡宮領の一部を奪ったので返してほしいという訴えが届いている。あれは義昭さまから頂いた領地であり、奪ったものではない。事実を明らかにして欲しいので春門どのの元へまいった。
春門:そんな訴えは山ほど届いてきます。あまり気になさる事ではないかと思いますよ。(適当にお茶を濁して帰ってもらうか)
光秀:ですが、この手続きをしたのはあなたですよ。義昭さまのお耳に入ればまずいのでは?(お前が領地をかすめ取ったんだろ)
春門:(面倒な顔をしながら)では、調べてみますね。時間をたいそうかけながら調べますので。(武士が寺や朝廷を守っているんだぞ。見返りくらい当然だ)
光秀は春門に詰め寄り、耳元でささやく。
光秀:帝の領地もそんな手口で奪って、仲間の武家に与えたのですね。(お前のやり方は分かっているんだぞ)
春門の表情は変わり、光秀を見据える。光秀は訴えの文を春門に押し付けて話し続けた。
光秀:幕府内に不正があったら、きちんと明らかにするのが私の仕事です。この訴えを見過ごせません。
光秀が立ち去ったのを確認した春門は「困ったお方だ」と言いながら、文をびりびりに破いた。約束を守る気はさらさらないそうだ。
寂れた御所と太夫の思い
光秀は太夫に案内され、御所にたどり着いた。そこは堀が大きく崩され、侵入が出来る程だった。兵と公家で見張っているが、人手不足で子供のいたずらも見落とす始末だと太夫はぼやいた。
その時、若い公家のお方が「これをやるからもう泣くな」とわたしに温石(おんじゃく)をくれました。(とても素敵な方だったわ)太夫は今でもその温石を大切に持っている。若い公家は、今の帝であった。彼女は尼寺に行かない為、近衛家から逃げた。だが、近衛家への恩を返そうと、前久をかくまっている。
二条城完成
2ヶ月後、二条城が無事完成した。城の見事な出来前に義昭は喜び、信長に礼を言う。
信長も気をよくし、二条城の説明をする。彼は協力してくれた光秀や藤孝に感謝の言葉を述べ、義弟の浅井長政を紹介した。
長政は二条城建設の際に、多くの資材や人材を送って協力してくれた大名で信長の信頼が厚い。自己紹介を終え、信長と光秀が二人で話す事になった。
片岡鶴太郎の憎たらしい演技
足利義満をいじめ、織田信長を疎んじる摂津春門の役者は片岡鶴太郎です。
元々はお笑い芸人でしたが、大河ドラマ『太平記』の北条高時を演じ、俳優として活躍する様になります。北条高時は主人公の足利尊氏をいじめたり、遊びに夢中な暗君(政治をしない君主)として描かれてます。
春門は『麒麟がくる』のキャラクターの中でも、一番の悪役として設定されてます。
今後の彼の企みから目をそらせませんね。光秀の足を引っ張ったり、信長を陥れたりするでしょう。