『約束のネバーランド』の伏線が面白い!その巧妙なトリックとは?

皆さんは『約束のネバーランド』という漫画をご存じですか?

『週刊少年ジャンプ』で2016年から連載されており、現在18巻まで発行されています。2019年に第一期アニメが放送され、第二期アニメや実写映画化も予定されている、話題の作品です。

寛太
ネバーランドと言えば、ピーターパンですよね。でも子供に夢を与えるファンタジー系の話かと思えば、実は違うんです…。
子供達が鬼の食料として出荷されるために孤児院で育てられるという結構ダークなストーリーで、序盤からかなり衝撃的な場面が出てきます。
この作品の魅力は、ストーリーのインパクトだけではありません。多くの伏線が張られていて、徐々にその全貌が明らかになっていくというミステリー要素も魅力の一つなんです。
今回は、僕が「これはすごい!」と思った伏線について紹介していきます。

『約束のネバーランド』のあらすじ

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寛太
まずはあらすじからご説明します!

孤児達が何一つ不自由ない幸せな生活を送っている孤児院。孤児院の外は高い塀で囲われており、また「近づいてはいけない」と言われている門がありました。

ある日、6歳の少女コニーが里親に引き取られることが決まります。当日、コニーが子供達に別れを告げて施設を出て行った直後、主人公エマはコニーがお気に入りのぬいぐるみを忘れていったことに気づきます。

出て行ったばかりで門の所にはまだコニーがいると考え、ぬいぐるみを持って家族のノーマンと共に門へと向かうエマ。そこでエマが見たものは、コニーの無残な姿と、恐ろしい鬼の化け物でした。
そして鬼たちの会話から、孤児院は実は鬼の食料となる子供を育てるための施設だと知ったのでした。

エマとノーマンは衝撃を受けますが、全員で脱出することを決意します。

寛太
そしてここから、鬼と手を組む孤児院の母イザベラとエマ達の、互いに譲らない心理戦が始まるんです!

エマ達は子供とは思えない洞察力でイザベラを出し抜こうとしますが、いつも一歩先を行かれ、作戦はことごとく失敗に終わります。さらには実は子供達の中にイザベラと内通している者がいるなど、本当の敵がなかなか読めません。

エマ達は無事仲間達と共に脱出できるのでしょうか? そして、孤児院の外にある世界とは…?

寛太
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隠された伏線【面白いポイント】

以下、ネタバレを含みます。

首の番号

子供達の首筋には謎の番号が振られています。例えば、最年長の11歳であるエマ・ノーマン・レイにはそれぞれ「63194」「22194」「81194」が、10歳のドンには「16194」が、6歳のコニーには「48294」が振られています。

これらの数字を見て何か気づきませんか?末尾が全て「94」ですよね。実はこの数字は逆から読むと意味を持つものなのです。

逆から読むと、エマ・ノーマン・レイはそれぞれ「49136」「49122」「49118」、ドンは「49161」、コニーは「49284」となっていて、若い子供ほど数字が大きいんです。

これが何を表すかというと、商品である子供達の識別番号なのです。だから後から入ってきた子供の方が数字が大きいんですね。

寛太
あえて逆から読むようにしてるのは、子供達に怪しまれないためなのかな?
顔や名前でなく数字で管理してるところに、「人間を物のように扱っている」恐ろしさが感じられますね。

コニーが忘れたぬいぐるみ

エマがコニーに届けようとしたぬいぐるみ。

コニーは誕生日にもらったぬいぐるみがお気に入りでいつも肌身離さず持っていたにも関わらず、施設を出ていく時に置いて行ってしまいます。実はこれはたまたまではなく、レイが仕掛けたものでした。

レイは以前から施設の正体を知っており、エマ達にそのことを気づかせたかったのです。

寛太
コニーがぬいぐるみを忘れたことは、何も知らないで見るとごく自然に思えるけど、実は仕組まれたものだったんですね!

また、エマ達がコニーの死を知った後に「間に合わなかった」と言いながらもぬいぐるみなしで戻ってきたことに対し、レイは「手ぶら?」と内心つぶやいています。これはただ疑問に思ったのではなく、「まずい、ぬいぐるみをあそこに置いてきたのか!?」と思ったためです。

タイトルの意味

『約束のネバーランド』というタイトルにも伏線が隠されています。

鬼と人間はかつて同じ世界に住んでおり、鬼は人間を襲って食べ、また人間も鬼を憎んで殺すという状況が続いていました。延々と続く殺し合いに互いに嫌気がさし、鬼と人間はある約束を交わします

住む世界を分け、お互いにもう殺し合いはしない

その犠牲として、一部の人間が鬼に贈られ、鬼はその人間をタネに養殖することで、食用の人肉を調達するようになったのです。これがタイトルにある「約束」の真相です。

また「ネバーランド」には、子供がある年齢になると食肉用に「出荷」されることから、永遠に大人になれないという意味が込められています。

寛太
もし『約束のネバーランド』というディズニー作品があったら、絶対ポジティブで明るい作品だろうなあ。

ウィリアム・ミネルヴァの正体

孤児院にある本は、ウィリアム・ミネルヴァという者から贈られていました。どの本の裏表紙にもフクロウのマークがあり、フクロウのマークは途切れ途切れの円で囲まれていました。

エマ達はその円のパターンが本ごとに異なることに気づき、さらにそれがモールス信号であることを突き止めます。そのメッセージは、「RUN (逃げろ)」「HARVEST (収穫)」「FARM (農園)」「MONSTER (化け物)」「DANGER (危険)」など、子供達に危険を知らせるようなものでした。

彼の正体ですが、ウィリアム・ミネルヴァというのは偽名で、本名はジェイムズ・ラートリーといいます。ラートリー家はかつて鬼と「約束」を結んだ一族で、秘密を守りながら二つの世界の橋渡しの役割をしています。

しかしジェイムズ・ラートリーは子供達を助けたいと思っており、子供達が真実に気づくよう、本を通して密かに警告やメッセージを送っていたのでした。

寛太
仕組む方もすごいけど、気づく子供達もすごいですよね。
ウィリアム・ミネルヴァさんの本は、後にエマ達のピンチを救うことになるんです!

 

まとめ

子供達が残酷な現実に心理戦を駆使して立ち向かう物語、『約束のネバーランド』。

物語には謎が多くありますが、その答えは巧妙な伏線によって暗示されています。今回ご紹介した以外にも、ファンの間で様々な興味深い伏線が考察されています。

伏線を知った上で作品を見直してみると、新たな発見があって面白いですよ!

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