今回はスティーヴン・スピルバーグ監督の代表作のひとつ「A.I.」にまつわるお話です。
「人工知能」という言葉は、今や僕たちの生活に身近なものになりましたが、この作品が公開された2001年当時は架空の存在として注目を集めました。
そして、映画と同様に高い評価を集めたのが、人工知能を持つ子供型ロボットを演じたハーレイ・ジョエル・オスメントです。
というわけで、ここからは名作「A.I.」を振り返りつつ、ハーレイ・ジョエル・オスメントのその後の活動についても振り返ってみましょう。
スピルバーグ監督作品「A.I.」とは
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もともとは「2001年宇宙の旅」や「時計じかけのオレンジ」などの作品で知られる映画監督スタンリー・キューブリックの企画で、10年以上の時間をかけて脚本執筆やキャスティングが進んでいました。
しかし、1999年にキューブリックが亡くなり、映画の制作自体も白紙になりかけたのです。
そこで、キューブリックの遺族の強い希望によって制作を引き継いだのが、スピルバーグ監督でした。
彼は監督だけでなく脚本の執筆にも携わり、キューブリックの遺志をもとに原案を変えない内容で映画を完成させ、2001年の公開を実現させています。
今作はアメリカと日本でほぼ同時に公開が始まりましたが、「難しい哲学的な映画」として紹介されたアメリカでは動員が伸びず、「母とロボットの愛の物語」として紹介された日本では記録的な大ヒットとなりました。
あらすじ
地球温暖化が進んだ未来の地球が、物語の舞台となります。
そこでは妊娠や出産が許可制となるほどの厳しい人口制限がかかり、人間の代わりに資源を必要としないロボットたちが多く活躍していました。
この時代に開発された子供型ロボットのデイビッドは、彼を作った会社の社員ヘンリーと妻モニカの家へ試験的に送られます。
ヘンリーとモニカの間にはマーティンという息子がいましたが、彼は不治の病のために冷凍保存されていて、実質的には子供がいないのと同じ状態でした。
デイビッドは自分を起動させたモニカを永遠に愛するようにプログラムされていましたが、なんとマーティンが奇跡的に病を克服して家に戻ることとなり、モニカは実の息子であるマーティンに愛情を注ぐようになります。
そしてある日、マーティンとデイビッドが遊んでいる最中に起こった事故がきっかけで、デイビッドは森に捨てられてしまいました。
一人ぼっちになってしまったデイビッドは「母に愛される人間の男の子になること」を夢見て、森で出会ったロボットたちと共に旅に出ます。
天才子役ハーレイ・ジョエル・オスメントの過去と現在
4歳から活動しており、1994年に公開された「フォレスト・ガンプ/一期一会」で映画デビューしました。
1999年に公開された「シックス・センス」では、当時11歳でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、天才子役と呼ばれるきっかけとなっています。
「A.I.」出演後は、テレビドラマや映画はもちろんですが、人気ゲーム「キングダムハーツ」シリーズの代表的なキャラクターである「ソラ」の声を担当し、声優としても活動しました。
私生活では、2006年に飲酒運転で逮捕された上にマリファナを所持していたことも発覚し、3年間の保護観察処分を受けています。
その後、大学の芸術学部を卒業し、映画への出演も再び活発になりました。現在32歳になったハーレイは、俳優として幅広く活動しています。
ちなみに、ハーレイは過去のあるインタビューで、「A.I.」について「人生の中でもお気に入りの作品のひとつ」と語っています。彼の作品に対する思い入れが伝わりますね。
まとめ
スピルバーグ監督作品「A.I.」と、主演のハーレイ・ジョエル・オスメントについてまとめていきましたが、いかがでしたでしょうか?
人工知能が身近な存在になった今、もう一度作品を見直してみると、また違った解釈ができそうですね。
20年以上の芸歴を誇るハーレイの、今後の活動にも注目です。
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