『麒麟がくる』27話の「宗久の約束」は今井宗久(陣内孝則)に注目!!

こんにちは、福です。今日、家にいるのは僕だけです。今回のレビューも一人で進行していきますので、よろしくお願いします。

寂しいなぁー

麒麟がくる

『麒麟がくる』は一年間通して歴史上の人物を描く、大河ドラマ59作品目となります。麒麟は平和な世の中にしか現れない生き物です。主人公の明智光秀は、麒麟がくる世を望んでいます。

麒麟を信じているひとたち

明智光秀
足利義昭 足利義輝(故人)

麒麟の姿

『麒麟がくる』ブルーレイ

画像出典:amazon

登場人物たち

主人公

明智光秀(あけちみつひで)

信長から、京の潜伏指令を受け情報を得る。そこで、駒の仲介を経て今井宗久と接触した。ある交渉で、宗久の出した条件に光秀は戸惑うが、義昭や信長の許可を得るため行動する。

商人

今井宗久(いまいそうきゅう)

堺(現在の大阪)の大金持ち商人で、茶道に詳しい。駒の丸薬に目をつけ、商売を持ちかけようとする。彼女の紹介で光秀と出会い、彼に条件を出した。

茶道
お湯を沸かし、茶をたて、茶を振る舞う行為。鎌倉時代に茶の栽培が盛んになり、武家社会にまで飲む習慣が広がった。現在の茶道の原点は千利休(せんのりきゅう)である。

庶民

駒(こま)

戦争孤児で望月東庵の助手である。ある老人から教わった丸薬を製作した。丸薬の事で東庵と大喧嘩するも、伊呂波太夫の仲介で売れてしまう。久しぶりに光秀と再会するも、彼の行動を否定してしまう。

駒の丸薬
駒の患者である芳人(ほうじん)から教わったものである。形は少々大きい正露丸(せいろがん)だ。彼女は芳人丸と名付け、貧しい人に無料で配っていた。
しかし、伊呂波太夫に「きちんとお金をとらないと駄目よ。商売はわたしがうまくやるからね」と諭される。丸薬はビジネスの商品となった。

望月東庵(もちづきとうあん)

京に住む医者でばくちが好き。駒の行動に激怒するも、強盗に押し入られ無一文となった。その際、腕を折られ、治療が出来ず途方に暮れる。丸薬が売れてお金になる事実に気付いた東庵は、駒の丸薬作りを許した。光秀と藤吉郎とは知り合いの仲である。

伊呂波太夫(いろはだゆう)

旅芸人の女座長で、色々な情報を持っている。京の都に愛情をもっており、昔のような美しい国にするためお金稼ぎをする。光秀に三好の動向を教えるなど、情報通として活躍している。

武士

織田信長(おだのぶなが)

義昭を率いて上洛するため、六角家と戦い三好勢を京から追い出す事に成功した。成功の鍵は京にいる宗久の条件を飲んだ事だった。光秀に再度「わしの家臣にならぬか?」と勧誘するが断られてしまう。

木下藤吉郎(きのしたとうきちろう)

信長の家臣で、京にいる三好勢の動きを探るため光秀と合流する。藤吉郎はサバ売りの商人として変装し、光秀の山伏(山野に住んで修行する僧)姿に「かえって目立ちます」と指摘した。

僧から武士へ

足利義昭(あしかがよしあき)

光秀と一緒に信長の元へ向かった。信長の歓迎を受けるも、戦には興味がなく貧しい民を救う事を考えている。武士の教育を受けていない事が原因である。光秀の事を信頼している。

前回のお話

前回は、おじさんたちの騙し合いや企みが中心でした。舞台は越前の朝倉家で、悲劇が起こりました。色々あったが光秀は無事脱出し、織田信長の元へ向かいます。

詳しい内容は別記事にて紹介しますのでご覧下さい。

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27話「宗久の約束」

信長と義昭の初対面

信長は美濃にて、義昭を歓迎した。忠誠の証として、見事な太刀(日本刀の一種)と鎧などと合わせ、金一千貫を献上する。

金一千貫
現代のお金に換算すると、一貫=約15万円で一千貫は約1億5000万の価値がある

信長:本日より公方様(義昭の別称)にお仕え致します。わたしの心の中では、すでにあなたは将軍です。

義昭:織田尾張守(おだおわりのかみ)が来てくれてありがたい。これから頼りにするぞ。ところで、この銭はいくらあるのだ?

信長:一千貫です。

義昭:(立派な太刀や武具に目もくれずに)この銭があれば、一万の貧しい民が一か月過ごせるな。そなたの心遣いに感謝する。

信長:は?(軍資金を貧しい民の施しと勘違いしてない?)

信長:公方様、太刀も手に取ってご覧ください。(よし、気合い入れて説明するぞ)

信長は太刀の説明をするが、義昭は銭に夢中で話を聞いてない。

信長:……(なんだ。このお方は)

歓迎の後、不安になった信長は光秀を呼んだ。

信長:義昭さまが太刀を嫌そうに扱う姿を見たか?武家の棟梁として不安しかない。

光秀:幼い頃から僧として生きてきたお方です。むしろ、武士として頑張ろうとよく決断したと思いますよ。信長さまが義昭さまをうまく導けば大丈夫です。

その後、二人は今後の方針を決めた。光秀は京に潜伏し、朝廷が織田に味方するか確認する仕事を受けた。新たなお使いクエストである。

信長:木下藤吉郎と合流して情報を集めてくるのだ。

光秀:木下?(誰だっけ)

信長:猿顔のよくしゃべるやつじゃ。

光秀:あっ。(思い出した。あの時は義輝さまの危機を聞かされて焦っていたな)

光秀、京に潜入する

若狭のサバ売りとして潜伏していた藤吉郎と合流した光秀は、離れた民家で密談する。光秀の山伏の恰好が目立っているため、後で着替える事となった。

藤吉郎:ここへ来る時に三好の兵が慌てていましたね。わたしが噂を流しておきました。織田は10万の軍勢で京に来るそうだ。織田の兵は強い。」

光秀:いい作戦だ。見えない敵と戦うのは誰でも怖いからな。

藤吉郎:そうですね。わたしたちが織田方とばれたら、首をおとされます。わたしは信長さまからあなたを守る様言われてます。どこへでもついていきますよ。そうそう、信長さまと言えば…。

藤吉郎のおしゃべりは止まらない。

藤吉郎:信長さまは偉いお方です。たまに恐ろしい事を言うが、褒美をちゃんとくれます。わたしが幼い頃、父に「針を沢山売ったら麦飯を沢山食わせてやる」と言われました。結局、食べさせて貰えませんでしたよ。

藤吉郎はしかめ面をしながら父の事を語っている。

藤吉郎:いつもそのことを思い出します。信長さまは結果を出したらきちんと褒美をくれます。そして、わたしを褒めてくださる。フフッ

藤吉郎も父親に褒めてもらえなかった人生を歩んでいたんだね。彼は褒美をくれて褒めてくれる信長を、父親の代わりとして見てるかも。

光秀は駒に会うため、東庵の家へ向かう。

東庵と駒に再会した光秀は軽く雑談し、外で待機された藤吉郎も来て盛り上がった。藤吉郎は字を教えてくれた駒にお礼を言い、織田家の家臣となり、侍になった事を報告する。

東庵から、三好の親族が針治療を受けに来ていると聞かされた藤吉郎は顔の表情を変え、懐に隠した短刀を手に取った。

東庵「表に護衛がいる。ここでの争いは避けてもらいたい

藤吉郎は諦めて、立ち去った。懐の短刀をあえて見せたままで。三好の護衛に呼び止められた藤吉郎は怪しい人物を装い、猿の様に逃げていった。

戦は嫌でございます

別の部屋で光秀と駒は話した。織田家が足利義昭を担いで上洛する。そのために情報が欲しい。情報通で関白の近衛前久とコネを持つ太夫に会いたいという事を知った駒は光秀に聞く。

駒:また戦をするのですね。家を焼かれ、畑が荒らされます。

光秀:乱れた世を直すためには、幕府を立て直さねばならないのだ。

駒:みんなそう言って戦をしてきたんです。(十兵衛さまがこんな事を言うなんて…)

駒は寂しそうな顔をするも、光秀を太夫の元へ案内した。このまま光秀を返したら、京の都が焼かれてしまうからだ。
太夫から得た情報
朝廷は織田と三好のどちらが勝つか見ている。織田が勝てば、義昭さまを将軍にするとの事だ。ただ、三好は今井宗久などの豪商の援助があって強いため、長い戦となるだろう。
横で聞いてた駒は、今井宗久が丸薬に興味を持っていた事を思い出した。もしかしたら、戦を止める交渉ができるかも知れない。彼女は光秀に「宗久さまのもとへ行ってみませんか」と提案した。
駒は自分の持てる能力とコネを使って、戦を避けようとしてますね。歴代大河ドラマのヒロインや女主人公の「戦は嫌でございます」とは違う印象を受けます。

今井宗久とお茶

駒は宗久の茶室にて、お茶を頂いていた。お茶の感想を聞かれた駒は喉の渇きが潤ったと返答し、宗久は高笑いした。駒は宗久に丸薬の商売を許す代わりに、三好の援助を辞めてほしいと切り出した。

三好の味方をし続ければ織田を敵に回し、京の都は焼かれてしまう。宗久もそれは避けたいが、ある疑念を持っていた。織田信長は南蛮貿易を認め、堺を守る気があるかどうかだ

ここからは光秀と宗久が話す番だ。

宗久は織田側が有利であると踏んでいた。病弱で京にいない足利義栄では、将軍の仕事を勤めるのは厳しいからだ。それに義栄が死んだら、三好は義輝殺害の逆賊となる。

宗久は完成した茶を駒に渡し、光秀の前に置かせた。宗久は条件を飲んでくれたら織田に味方すると約束した。

京へ入る時は武装せずに入り、民家に火をつけない事。そして、堺を守り、貿易の自由を認める事。

光秀は差し出された茶を飲んだ。毒は入ってないが、責任という名の茶を飲み込んだ。

光秀の交渉

光秀は信長や家臣の前で、宗久の条件を話した。家臣たちは嫌な雰囲気を出している。戦になるかも知れない場所で武装なしは考えられないからだ。

家臣たち:三好の罠じゃないですか?明智どのは将軍家の使い走りのようです。武装せずに上洛するなんて論外だ!!

光秀:この戦は新しい将軍が民たちを安心させる事が重要です。そのためにも、武装せず京へ入るべきです。

家臣たち:戦はそんなに甘くない。

光秀:それはわかっています。堺の商人たちが三好に援助しなければ、六角(三好に味方している大名)撃破はたやすいです。それから、三好の出方をうかがっても遅くはない。

脳筋揃いの家臣たちとの議論が激しくなった。そして、信長は「もうよい!!」と一喝する。

信長:この案件は公方さまにも知ってもらう必要がある。われらだけでは決める事はできん。

会議はお開きとなり、家臣たちは納得がいってない表情を浮かべた。

信長は光秀を連れて、義昭と三淵藤英(幕府の家臣)に今までの事を説明した。説明を聞いた義昭はとても嬉しそうである。

義昭:素晴らしい案だ。京の民たちの不安を取り除く事がなによりも重要だと、わたしは考えていた。藤英、いい案だと思わぬか?

藤英:(満面の笑みを浮かべながら)公方さまにふさわしい上洛となりましょう。

作戦が決まり、信長と光秀は退席した。廊下を突き進み義昭の部屋から離れた場所で、信長は光秀に話しかける。

光秀の選択

信長:わしの本心は家臣たちが正しいと思う。公方さまの考えには納得がいかない。しかし、おぬしの不安も分かる。だから了承したのだ。おぬしも覚えておけ。

立ち去ろうした信長は光秀の方へ振り返った。

信長:十兵衛、お主は義昭さまのお側にいるのか?それともわたしの元へ来るのか?今ここで決めて欲しい。

光秀:わたしは将軍のお側にいます

信長は目線を上にあげてまた光秀に向けた。

信長:残念だ。これから幕府の家臣として扱うぞ。それでよいな。

光秀の提言通りに事は進んだ。六角は倒され、三好は京からいなくなった。信長一行は武装解除したまま、京へ入る事ができた。怯えていた民たちも安心して外へ出て行った。

 

今井宗久(陣内孝則)はどんな人?

登場人物で彼がどんな人か軽く説明しました。時代の流れに敏感な宗久は、駒の丸薬「芳人丸」に目をつけスポンサーになりました。

宗久は武士階級の身分でしたが、自分で身を立てるため商人、茶人の修業をします。独立した宗久は皮製品を売って財産を得ました。

戦国大名ともコネを持ち、薬や鉄砲、火薬などの商売も行いました。そして、堺の豪商仲間に入り、足利義昭や織田信長と出会います。

信長の無茶振りに答えた宗久は、彼に信頼されます。宗久のこれからの活躍は『麒麟がくる』でお楽しみください。

今井宗久の演者は陣内孝則です。彼は『太平記』という大河ドラマにも出演していて、その役は佐々木道誉です。

彼は、主人公の足利尊氏(室町幕府初代将軍)の盟友で、美しいものが好きな大名です。彼の有名なセリフは「佐々木判官、故あって足利方に寝返る!!」ですね。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?信長はまた光秀の勧誘に失敗しましたね。本能寺の変フラグが始まったんでしょうか?

光秀と信長は大きな国作りを目標にしてます。いわば共犯者ですね。信長自身も光秀が断るのを薄々感づいていたかもしれません。

光秀に断られた直後の信長の思い

十兵衛に二度も断られた。将軍家大好きなのは分かっていたが、じかに言われるとへこむな。
まぁいい。志は一緒だし、しばらくは将軍家に貸しといてやるか。(信長の中ではすでに十兵衛は家臣扱いです)
いずれは俺の重臣になって、いっぱい助けてもらうんだ。フフッ。

今後の信長と光秀の行動に注目していきましょう。次回は義昭も出てくるので楽しみです。このレビューをママにラインで見せたらこんな返事がきました。

優子
信長は光秀に二度もふられたのね。でも全然諦めてなさそう。妻の帰蝶も光秀好きだし、夫婦揃って迫るわよ。
義昭も参戦してくるのね。信長、光秀、義昭の三角関係たまらないわぁー。
次回が待ち遠しいわ。
ママはいつも通りでしたね。それでは次回また会いましょう。
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