イギリスの国営放送局BBCが手掛けるサスペンスドラマ「13(サーティーン)」
日本でも桜庭ななみさんが主演でリメイクされた13(サーティーン)の原作を紹介します。
13(サーティーン)はどんな作品なの?
ある1人の女性が13年もの長い間、誘拐され監禁されていました。そんな衝撃的な事実から始まる本作。
イギリスの映画やドラマでは、登場人物の演技に間を持たせる、ゆっくりとした展開が特徴の一つです。そのお陰でストーリーの描写が丁寧に作り込まれており、引き込まれる作品になっています。
誘拐され13年間も監禁生活を続けなければならなかった主人公アイビー。彼女の苦しい日々を映し出すように重苦しい雰囲気が漂うシーンからストーリーは展開していきます。
海外ドラマでは、シリーズものが多く見始めたら長い時間を取られてしまうことを覚悟しなければなりませんが、13(サーティーン)は1シーズン5話という短めの作りになっており、あまりためらわずに見始めることが出来ます。
※以下13(サーティーン)のネタバレを含みます。
第1話〜13年間捕らえられていた女性の解放〜
あらすじ
物語の始まりは、イギリスの田舎から始まります。住宅街のとある一軒家から1人の女性が裸足のまま、公衆電話に向かって走り出します。その格好は、起き抜けなのか血の気の引いたような顔、着古したパジャマ姿、髪の毛もボサボサのままでした。
誘拐事件が発生し13年間、監禁されたアイビー。そんな彼女を警察は保護します。保護された先で、巡査部長のリサと、警部であるエリオットはアイビーに事情聴取を行います。そして、アイビーの家族が警察を訪れ、再会を果たします。家族はアイビーに駆け寄りハグをします。しかし、家族の腕の中で、アイビーは困惑の表情を浮かべます。
それもそのはず、13年間の長い間会えなかったアイビーは確証が持てなかったのでしょう。そんな戸惑いを拭うために、DNA鑑定を受けます。DNA鑑定の結果を待つ間、アイビーの家族は、彼女が精神的にまいっているだろうということで家族が不仲であることを隠すこと、彼女が戻ってきても違和感がないように家を13年前の状態に戻すことを決めます。
アイビーからの事情聴取で明らかになった犯人の家にエリオットとリサは捜査へ踏み込みます。家宅捜索をしてみますが、彼女の話と、現場の状況が違うことに違和感を覚えるエリオットとリサでした。
その頃、アイビーの元には以前の恋人のティムが訪れていました。久々の再会の喜びを分かち合う二人ですが、ティムもまたアイビーの家族の家族と同じように、彼女を傷つけないために結婚していることを隠してしまいます。
事件解決のため、エリオットはアイビーに事情聴取を行います。事情聴取を進めていくうちに、アイビーは次第にエリオットへ心を開いていきます。
捜査を進めていくエリオットは、誘拐犯はアイビーが13歳の頃通っていた学校で働いているマーク・ホワイトであると突き止めます。
エリオットは、急いで学校に向かい校長先生へ報告します。すると、10歳のフィービーがまたしてもマークの手によって連れ去らていました。
見どころ
自分が13歳で、実際に誘拐され13年後に逃げ出すことが出来たら、どんな感情になるでしょう?アイビーの様に少し困りながら少しずつ家族と打ち解けていくのかなと思います。
周囲の優しさに迎えられ、心を開き新しい人生を歩んでいく。そんな希望に一歩踏み込む彼女の姿に感動します。
しかし、再び悲劇が起こってしまいます。アイビーを誘拐したマークが今度は10歳の少女を連れ去ってしまいます。ようやく自由を手に入れたアイビーでしたが、この先彼女はどういった行動に出るのか?
逃げ出して、無事に穏やかな暮らしを迎えられるハズだったのに、また新たな犯行が起きてしまう。アイビーは果たして、この試練を乗り越える事ができるのか?
次の話が気になりますね!
第2話〜新たな誘拐、明かされる二人の関係〜
フィービーが誘拐されたことを受けて、警察は動き出します。エリオット達はアイビーとともに忌(いま)まわしい監禁が行われた家に行き、記憶を呼び戻そうとします。マークが隠れていそうな先はないかと質問しますが、アイビーは思い出すことが出来ません。しかし、巡査部長リサはそんなアイビーの言動に違和感を感じます。
フィービーの誘拐事件に本格的に乗り出した警察は、過去のショッピングモールの監視カメラ映像を漁っていました。すると、そこにはアイビーと親しげに手を繋ぐマークの姿が映されていたのです。
そして、アイビーとマークが顔見知りであったことがわかり、警察はアイビーへの不信感を募らせます。
警察からの信用を失ったアイビーは自分の心を安らげる場所を求めて、昔の恋人ティムの元を訪れます。ティムもそんな彼女を放っておけず、話を聞きます。しかし、密かに会っていたことがティムの奥さんヤズミンにバレて口論となってしまいます。
警察はアイビーが主犯であるマークに関係していると見て、犯罪に加担しているのではないかとアイビーを訪れます。
自分も共犯者として扱われた事に動揺を隠せないアイビーは、話を聞いてもらうためにティムの元を訪れます。しかし、そこで目にしたのは、奥さんであるヤズミンと一緒にいるティムでした。
打ちひしがれるアイビーでしたが、なんと見知らぬ男性に襲い掛かられてしまいます。
見どころ
アイビーは命からがら逃げ出せたのに、犯人であるマークと共犯ではないか?という疑いをかけられてしまいます。
ようやく、エリオットと心を通じ合わせることが出来たと思った矢先だったのに、監視カメラにマークと手を繋いでいる映像が見つかってしまう。そんな心細い状況では、昔の恋人を頼りたくなるのもわかります。
しかし、ティムには奥さんがいる。衝撃的な事実を突きつけられ、精神的にもズタズタのアイビーにさらに悲劇が!
彼女は、監禁された家からは逃れられたものの負の連鎖からは完全に逃れきれない。この後、彼女は本当に落ち着ける幸せな生活を手にできるのか?そして、彼女を襲った人物とは?
人間関係で上手くいかないことが、結局一番精神的に負担になりますよね…。
人間関係のほころびは、ほんの些細(ささい)なでき事なんですよね。
第3話〜語る事ができない真実〜
見知らぬ男性から襲われたアイビー。その男性の正体はフィービーの父親でした。そこに助けに来たアイビーの妹のエマ。警察も駆けつけ一命を取り留めたアイビーですが、フィービーの父親の気持ちに対して理解を示します。その態度に警部であるエリオットは、アイビーへの疑いは間違っていたと思い始めます。
捜査の中でマークの弟ディロンの存在が浮上します。そして、アイビーにディロンへと繋がる手がかりを求めますが、アイビーは知らないと言います。しかし、リサは捜査の中で、アイビーが監禁されていた地下室の中にディロンの指紋を発見しており、アイビーが嘘をついていることを確信します。
再び、疑いの目を警察から向けられるアイビーに更なるショックな出来事が起こります。妹エマから伝えられた、父アンガスの不倫。そして、妹のエマは家族を優先するあまりに、フィアンセであるクレイグとの結婚を先延ばしにしており、不満を爆発させたクレイグは怒りの矛先をアイビーに向けます。
窮地に追い込まれたアイビーは、エリオットへ助けを求めます。
そんな中、捜査を続けていたリサがアイビーの監禁されていた地下室で白骨化した遺体を発見します。
見どころ
アイビーは新たに誘拐されたフィービーの父親に対して、決して怒る事なく共感すらします。しかし、犯人に近づこうとする警察の捜査に関しては、嘘をついてしまいます。
アイビーも、フィービーを助け出したいという気持ちはあるのに。なぜ警察には真実を話せないのか?まるで、捜査を撹乱している様です。
そして、取り繕(つくろ)っていた家族の不仲が徐々にあらわになっていきます。新たな誘拐は無事に解決するのか?そしてアイビーは幸せな日常を取り戻す事ができるのか?これからの登場人物それぞれがどう行動し、事件を解決していくのか気になりますね!
なぜ、真実を離さないのか?本当に共犯だったのか?
色々な憶測が飛び交って、次の展開が気になりますね!
第4話〜白骨遺体の正体、そして真実へ〜
リサが発見した白骨化した遺体は、マークの弟ディロンであることが判明します。
アイビーの元へ、エリオットとリサは向かいます。これまで捜査を妨害するために嘘をついていたことで、アイビーを逮捕します。
白骨化した遺体について警察から聴取されますが、口を閉ざしたまま何も語らないアイビー。捜査が進展せず、行き詰まった警察は、アイビーの母親に説得の協力を依頼します。徐々に心を開き始めるアイビーは警察へ真実を打ち明けます。
ディロンは、アイビーを思い監禁生活から逃げ出す手助けをしてくれたこと。それが、マークに見つかり、ディロンが殺されてしまったこと。その死体を隠すように、マークから指示を受け実行したこと。そして、その全てを話してしまえば家族から愛されることは無くなってしまうとマークから脅迫されていたのでした。
全てを打ち明けたアイビーは、無実であることが証明され、無事に家に変えることが出来ました。
そこへ、警察に1本の連絡が入る。それは、マークからの連絡でした。
マーク・ホワイトの望みは、アイビーと二人きりで話がしたいというものでした。警察はアイビーに連絡をし、彼女は警察へ協力するため、一人でマーク・ホワイトの元へ向います。
アイビーは家族の愛情を確かめる様に、徐々に真実を語り始めます。すべてを打ち明けることは勇気がいる事です。
しかし、すべてを隠さずに話しても受け入れてくれる存在が家族なのかもしれませんね。
アイビーはすべてを打ち明け、マークの元へ向かう覚悟を決めます。逃げてばかりではダメだと、それこそが本当の意味での解決になるとアイビーは悟ったのでしょう。次回最終話に突入します。アイビーは自分と家族を信じ、本当に安らげる日常を取り戻せるのか?
第5話〜衝撃のラスト〜
アイビーはフィビーのことを思い、助けるためマークの元へ向かいます。警察は、マークを捕まえるために包囲網を張り巡らせます。そんな中、包囲網をかいくぐるために、フィービーを解放したマーク。そしてフィービーを解放した隙をついて、再びアイビーを拉致し車に乗り込み逃げます。
エリオットとリサは、拉致されたアイビーとマークが乗った車を止めるため、車の前に飛び出します。そんな制止を振り切り、逃走するマーク。それが原因で車に轢かれてしまうエリオットとリサは病院へ緊急搬送されます。
警察は、マーク・ホワイトの行方を完全に見失ってしまいます。アイビーの家族や、ティムとその奥さんもマークを探すために行動しますが、一向に見つかりません。
エリオットは病院のベッドの上で目を覚まします。エリオットと共に、車に轢かれたリサは重体で生死の境を彷徨っており昏睡状態が続いています。リサを危険な目に合わせてしまったとエリオットは打ちひしがれます。
その頃、アイビーはマークから逃れるために会話をします。もし、アイビーのお腹の中の子供が生きていたらと語りかけるマーク。子どもなんて生まれなくて良かったと反抗し、マークから奪った銃で撃とうとします。しかし、その銃には弾が入っておらず、逃亡は失敗に終わり怒ったマークから殴られ気を失ってしまいます。
マークはアイビーから愛されることは無いと悟り、家族と共に育った家でアイビーと心中しようと決めます。
アイビーが目を覚ますと、マークが横に眠っています。逃げるには、今しかないと思ったアイビーは家から脱出します。
その瞬間。アイビーが逃げ出した家は激しい音を立て爆発しました。
通報を受けた警察が現場に向かい、彼女の家族も駆けつけます。家族と再会を果たしたアイビーは、家族のもとへ駆け出し、強く抱きしめ合うのでした。
見どころ
アイビーは脅迫され続けてきたマークと口論し、牙をむきます。それは、13年間という長い地獄の様な生活に終わりを告げ、新しい人生を歩む希望がそうさせたのかも知れません。
人生において時に、逃げる事は大事です。しかし、逃げた事をそのままにせず、立ち向かい解決することでしか前に進めないのかも知れません。
今まで抑圧されてきたものからの解放は、安堵(あんど)と共に、涙が溢れてきます。
まとめ
いかがでしたか?
登場人物のそれぞれの心情が理解できるからこそ、感情移入しやすい作品だと思います。
もし、家族が誘拐されて同じ目に遭ったら自分はどんな行動を釣るのだろうか?
様々な視点から見ると一度だけではなく、何度見ても楽しむことができる作品だと思います。
イギリスの国営放送局BBCで話題となったサスペンスドラマ13(サーティーン)のあらすじを紹介しました。
本作品は5話と短くまとめられており、週末に一気に見るのはもってこいの作品です。
時間がなくて、シリーズ物のドラマを見るのは少し…と気が引けてしまう方にも最適な作品になっています。