みなさん、『天気の子』はもう見ましたか?
『天気の子』は昨年(2019年)7月から公開されていたアニメーション映画作品で、
2016年に公開された『君の名は。』の新海誠監督が手がけた最新作です!
『君の名は。』を観ていない方も、きっと作品名やテーマソングは耳にしたことがあるはず。
大ヒットを記録して一大センセーションを巻き起こした作品だったんです。
『君の名は。』がブームになっていたときは、私の学校でもその話題で持ちきりでした!
私達みたいな若い世代がすごく共感できるストーリーだし、映像も綺麗で音楽も最高。
私だけじゃなくてパパやママもすごく気に入っていたし、幅広い世代に愛される作品だったんです。
そんな新海誠監督の新作と聞けば、モチロン期待大!ですよね!
そんな『天気の子』が2020年5月27日にDVDやBlu-rayの発売、同日から配信サービスでの視聴も出来るようになりました。
そこで今日は、ちょっとおさらい。
『天気の子』の名言・名セリフを私のチョイスでピックアップしてご紹介します!
劇場で観た方はもう一度見たくなるし、まだ観ていない方は、きっと見たくなるはず。
考えさせられる深いセリフや、心を動かされる熱いセリフをお楽しみください。
『天気の子』のパワーであなたの心も晴れるかもしれません。
『天気の子』ってどんなお話?
新作『天気の子』は、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を「選択」するストーリー。
東京にやってきた家出少年・帆高が出会った、不思議な力を持つ少女・陽菜。
ふたりの恋の物語は、美しく、切なく、新たな時代を迎えるあらゆる世代、そして全世界へのメッセージとして描かれる。
世界の秘密についての物語…。なんだか謎めいていて面白そうなキャッチコピーですよね。
そして上にある通り、この映画は「メッセージとして描かれる」と言われるだけあってとてもメッセージ性が強い作品になっています。そのメッセージを形作っている作中の名言・名セリフの一部をぜひご覧下さい。
画像出典:Amazon
このあと名言をご紹介するにあたって、その言葉の背景も一緒に知っていただきたいので、これからネタバレありでざっくりとあらすじをご紹介します。
もしまだ『天気の子』を見ていない方でも、ネタバレでもいいからストーリーを知りたいという方はぜひご覧ください。
この作品の醍醐味は素晴らしい映像美とぴったりはまった挿入歌、心のこもったセリフと魅力的なキャラクター達が織りなす世界観です。ネタを先に知っていても、『天気の子』を実際に見る時の感動は損なわれませんよ!
東京にやってきた家出少年の帆高は、弟と2人だけで暮らす少女、陽菜に出会います。
陽菜は、祈ることで雨を局地的に晴れにするという不思議な能力を持っていました。
その能力を使って、帆高と陽菜・弟の凪の3人は、晴れてほしい事情がある人にお金をもらって雨を止ませるというバイトを始めます。
色んな依頼者と出会いながら、次々と「晴れ女」の力を発揮させていった陽菜ですが、有名になってしまい依頼が殺到してしまったためにバイトを休業することにしました。
そんな中、家出していた帆高を警察が捜索して追いかけてきます。
それと同時に、弟と未成年の2人だけで生活していた陽菜も、児童相談所の人間に保護されてしまいそうになり、3人は一緒に逃げることを決めました。
あちこちに断られ、やっとラブホテルでゆっくり休めることになった3人でしたが、陽菜は今まで「晴れ女」の能力を沢山使っていたことで、空(彼岸)に連れて行かれてしまいました。
次の日、陽菜がいなくなったのと引き替えに雨続きだった東京が雲ひとつなく晴れ渡ります。
それを見た帆高は、陽菜が天気のための人柱になってしまったことを悟りました。
そして帆高は警察に追われながら、なんとか空の世界(彼岸)まで行き、陽菜をこの世界に取り戻そうとするのでした。
陽菜と過ごしているうちに、帆高はどんどん陽菜に惹かれていきました。
悲しみと切なさが半端じゃないよね。
本編に出てくる順番にご紹介します。
名言・名セリフピックアップ! あの「今から晴れるよ」も!
「ねえ、今から晴れるよ」
序盤、帆高の前ではじめて陽菜が「晴れ女」の力を使うシーンのセリフです。
「君、家出少年でしょ。わかるよ。」「せっかく東京に来たのに、ずっと雨だね。」
陽菜はそう言ったあと帆高を屋上へ連れて行きました。
そして「ねえ、今から晴れるよ」と言ったあと、手を合わせ目を閉じて祈り始めます。
するとみるみる光が差して晴れ間が広がり、「晴れ女?!」と帆高は驚きます。
とても神々しいシーンで、私が好きなシーンのひとつです。
ちなみにこのセリフについて、新海誠監督はインタビューでこう言っています。
気になるこのセリフは、こちらの予告でも聞くことができますよ。
このあとでご紹介する他の名言もこの動画で一部聞くことができます。
「いいかも!」と思った方は、是非本編で前後も含めてじっくりご覧くださいね。
「天気って、不思議だ。ただの空模様に、こんなにも気持ちを動かされてしまう。」
始めたお天気の仕事が軌道に乗り、沢山の人に喜んでもらった後の帆高の語りのセリフです。
このセリフは、後にこう続きます。
「ただの空模様に、こんなにも気持ちを動かされてしまう。心を、陽菜さんに、動かされてしまう。」
空に、心を動かされる。その空を操る陽菜にも、心を動かされる。
空模様に帆高の心模様を重ねて、彼の恋心を浮かび上がらせた秀逸なセリフです。
同じ場面のこちらも名言です。
「人の心って、不思議だ。例えば朝、窓の外が晴れているだけで元気になれてしまう。空が青いだけで、生きていて良かったって思えたり、隣にいる誰かを、もっと愛しく思えたりする。」
これには共感できる人が多いのではないでしょうか。
雨の日よりも、天気の良い日の方がなんとなく気分が良かったりしますよね。
「ただの空模様に、こんなにも気持ちは動くんだ! 人の心は空につながっているんだと、僕は初めて知った。」
と続き、ここで挿入歌の『祝祭』が流れて、街のビル群に西日が差していくとても綺麗なシーンです。お楽しみに!
「付き合う前はなんでもはっきり言って、付き合った後は曖昧にいくのが基本だろ?」
陽菜の誕生日が近いと知って、どんな誕生日プレゼントをあげようか、あれでもないこれでもないと迷っている帆高に、陽菜の弟である凪が言った一言です。
「あのなあ、はっきりしない男が一番ダメなんだよ。付き合う前はなんでもはっきり言って、付き合った後は曖昧にいくのが基本だろ?」
小学生の言葉とは信じられない大人な発言です。
モテモテで女心の分かる凪のこの言葉に、「センパイって呼ばせてください!」と弟子入り(?)した帆高。
相手は小学生なのに、帆高が凪を「センパイ」と呼ぶのがなんとも面白いんです。
後日公園でみんなで団らんしているときに凪に「帆高も来いよー。」と言われて帆高が「あ、センパイが呼んでる…。」とトコトコ歩いていくシーンはすごく笑えるので、お見逃しなく。
「人間歳とるとさあ、大事なものの順番を、入れ替えられなくなるんだよな。」
こちらは圭介が、帆高を追い出した後にぽつりとつぶやいたセリフです。
家出少年である帆高をかくまっていると、誘拐容疑がかけられて逮捕されてしまうかもしれない。
そうしたら仕事も失うし、大事な自分の娘に会うことができなくなるかもしれない。そんな気持ちもあったのかもしれません。
今まで築いてきたものを投げ出せず、過去のきらびやかな思い出をそれ以上のもので上書きすることがもうできない自分。
それに対して帆高は、警察に反抗してこれからの将来を棒に振ってでも陽菜のために動こうとしています。
出会ってからそれほど経っていない相手をすぐに「一番大事なもの」に位置づけられる帆高の柔軟さ、純粋さ、ひたむきさに輝かしい若さを感じて発したセリフなのではないかと思います。
大人の人にはけっこう耳に痛い言葉なのかも。
「これ以上僕たちになにも足さず、僕たちからなにも引かないでください。」
安らかなこの瞬間がずっと続いてほしいという願いがこもった名言です。
「なにも引かないで」というのは普通に理解できる言葉ですが、「なにも足さないで」はなかなか言えないセリフですよね。
今以上なんてないから、余計なものを増やしてくれなくていい…。そんなことが言えるのは今が完全に満ち足りていると心から感じられるからこそなのではないかと思います。
詩的でとても印象に残る名言ですよね。
陽菜役の森七菜さんも映画「天気の子」の中で特に好きなセリフとして、このフレーズをあげています。
新海誠監督はこのセリフについて、パンフレットでこんなふうに言及していました。
これはいつかどこかで使ってみたいと思っていたフレーズでした。
こんな幸せがいつまでも続くわけないと自分でもわかってはいるけれど、夢のように充実したひととき。
好きな子との雨宿りほどはロマンティックではないにしても、誰の人生にもそういう一瞬があるはずです。
その先の人生を温めてくれるような特別な一瞬。
そういう瞬間を帆高に、そして観客に経験してほしくて、あのホテルの夜を描きました。
「もう一度あの人に会いたいんだ!」
もう少しで空(彼岸)へつながる入り口へたどり着けるという時に、警察に囲まれてしまって万事休すというところで帆高が涙を流しながら叫んだセリフです。
「ほっといてくれよ! なんであんたらが邪魔するんだよ! みんななにも知らないで!」
「俺はただ…もう一度あの人に、会いたいんだ!!」
強い心の叫びが、私達観客の心にまで刺さるような強い言葉です。
彼の叫びに、あなたもぜひ心を動かされてみてください。
「天気なんて、狂ったままでいいんだ!!」
「ねえ、帆高はさ、この雨が止んでほしいって思う?」
自分が人柱であると告白する前に、陽菜が帆高に問いかけたことがありました。
そのときの帆高は何気なく、「えっ、ああ…うん。」と答えました。
けれど、それが叶うのは自分が消えたときだと陽菜は知っていました。
陽菜が消えてしまったあとで、その言葉の意味を知った帆高はこの問いを思い返し、彼女に全てを背負わせていたことを悔やみます。
陽菜を探してなんとかたどりついた空の世界で陽菜を見つけ、「陽菜、一緒に帰ろう!」と呼びかける帆高。
「でも、私が戻ったら、また天気が…!」と返す陽菜。
あのとき、雨が止んでほしいと言ってしまった帆高。
でも、今の帆高の答えはもう違います。
あの日の何気ない答えではなく、今度は心の底から強い思いでこのセリフを口にしたのです。
「もう二度と、晴れなくたっていい! 青空よりも、俺は陽菜がいい!!」
圭介が少し前にこんなセリフを言っていました。
「人柱一人で狂った天気が元に戻るなら、俺は歓迎だけどね。てか、みんなそうだろ。」
これは圭介が冷たいように思えますが、常識的な人々や、陽菜と関係ない大多数の人間の意見はその通りなのです。
でも帆高は違います。陽菜が、もう「大事なものの順番」で何よりも一番なのです。
青空よりも陽菜がいい、と言いながら、帆高が空を落ちていく陽菜の片手をやっと掴みます。
そして叫んだ言葉がこの「天気なんて、狂ったままでいいんだ!!」なんです。
陽菜が戻ってくるなら青空なんていらない。
僕は世界よりも、大切な君を選ぶ。
そんな帆高の覚悟と愛の込められた、ある種エゴイスティックな名言なのです。
言い終わった瞬間二人の両手がつながり、バックで流れていた挿入歌『グランドエスケープ』が大サビに入ります。
二人の再会を祝福するような合唱と拍手の音楽をバックに、両手をしっかりつなぎ合わせて二人はくるくる回りながら地上へ落ちていきます。
宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』でハクが自分の名前を思い出すシーンを彷彿とさせる、とても美しいシーンです。
ますます、見ないわけにはいきませんね!!
『天気の子』の名言・名セリフを実際に聞こう!
映画『天気の子』の名言・名セリフはいかがでしたか?
お気に入りの言葉がきっと見つかったのではないでしょうか?
まだまだご紹介しきれていない名言・名セリフもたくさんありますので、ぜひ実際にご覧になって素敵な言葉を音と映像で体感してくださいね。