近頃すっかりお気に入りのマーベル作品。
今回はその中から「ドクター・ストレンジ」についてお話します。
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まず、このドクター・ストレンジのマントがとってもかっこいいですよね~。
このマントは意思を持っていて、兄弟子のモルドからは「ずいぶんと気に入られたようだな」と言われるくらいストレンジに忠実です。
戦いの中でピンチに陥るストレンジを何度も助ける姿は、なんとも愛らしく見えてきますよ(笑)。
さて、ここからは映画のあらすじと原作、映画と原作との違いについて話していきます。
映画「ドクター・ストレンジ」のあらすじ
天才外科医のストレンジは不慮の事故で両手の神経を損傷し、一瞬にして医師としてのキャリアを失います。あらゆる治療法を試したものの症状が回復する兆しすらなく、信頼していたパートナーも失ってしまったストレンジは、治療法を求めてネパールのカトマンズを訪れます。そこで神秘的な力を持つエンシェント・ワンと出会って魔術師としての修行を積み、その最中で闇の魔術師から世界を守るための戦いに巻き込まれていきます。
原作と映画との違い
原作は「マーベルコミックス」という出版社が刊行しているアメリカン・コミックス(アメコミ)のシリーズです。コミックの他、マーベル制作のゲームやアニメにもキャラクターが登場しています。
「Strange Tales」という雑誌に初めて掲載されたのがなんと1964年のこと。アメリカで長い間愛されてきたヒーローが、満を持して実写化されたのが「ドクター・ストレンジ」なのです。
そして、実写化にあたって設定が変更されたり、原作にはいないキャラが登場したりしています。
- 原作で「脳外科医」だったストレンジが「神経外科医」になっている。
- モルドが「ワンを殺すために弟子入りした敵」から「忠実な弟子がワンに失望し離れていく」という設定になっている。
- 原作のストレンジは魔術の他に、格闘術やテレパシーも使える。
- ストレンジのパートナー・クリスティーンは原作にはいない。
- 原作の恋人は魔術師としての兄弟弟子であるクレアという女性。
そして、映画制作が発表されたときに大きな話題となったのが、ストレンジの師匠であるエンシェント・ワンの存在でした。
魔術師・エンシェントワンとは?
ストレンジが手の治療のために訪れた、ネパールのカトマンズにある修行場「カマー・タージ」の主であり、強力な魔術師でもあるエンシェント・ワンは、映画ではティルダ・スウィントンというイギリス人(ケルト人)女優が演じています。
しかし原作のワンは立派な髭をたくわえた老師(推定500歳!)で、修行場もネパールではなくチベットにあるとされているのです。
性別も人種も修行の場所も、大幅に変更されたわけですね。
そしてこの大幅な変更が「人種問題だ」と多くのメディアからの批判を集めたのです。
原作でアジア人だったワン役に、ケルト人のティルダを採用したことで「ホワイトウォッシュ」との指摘を受けました。
映画を制作したマーベル社は
「エンシェント・ワンは特定の人物ではなく、時を超えて受け継がれる称号のようなもので、今回の映画ではその称号がケルト人に受け継がれたということだ」
と話し、人種差別などの問題はないとの考え方を強調しました。
でも実は、中国政府とチベット人との民族問題に配慮してキャスティングされたという、政治的な意図があるとも言われていて、真相はなかなか複雑なようです。
まとめ
漫画やアニメ、小説などが実写化されたときに「全然違うじゃないか!」という批判が起こることは日本でもよくありますが、その批判が人種問題にまで発展してしまうのは世界規模の作品ならでは、といったところでしょう。
日本人にはあまり馴染みのない問題ですが、これを機に少しだけ、人種問題について学んでみるのもいいですね。
一方で、映画が公開されたあと、撮影当時55歳だったティルダの年齢を感じさせない美しさと独特の存在感を高く評価する声もあがりました。
美しく強い魔術師エンシェント・ワンの活躍にも注目してください!