いよいよ4月から新しいドラマが始まりますね。
「美食探偵・明智五郎」は原作が面白いのですが、公式ツイッターで本編映像入りの”ショートムビー”が公開されて、テンポのよさそうな雰囲気に期待が高まりました!
🌈本編映像入りの“ショートムービー~ロングVer~”も公開❗️ひと味違った“恋する毒殺サスペンス”をご賞味あれ😎
🍽番組公式HP⬇️https://t.co/tGK3ChxN3u#美食探偵 #美食探偵明智五郎 #中村倫也 #小芝風花 #小池栄子 #北村有起哉 #佐藤寛太 #富田望生 #志田未来 #武田真治 #東村アキコ @senritsutareme https://t.co/J2ynD91cks pic.twitter.com/BiljXJd4kY— 美食探偵 明智五郎【公式】4月12日(日)よる10時30分スタート❗️ (@bishoku_ntv) March 23, 2020
東村アキコ先生の漫画はドラマ化されたものも多く、おすすめしたい漫画も沢山あります。今回は、そんな東村先生の過去の作品を紹介したいと思います。
美食探偵・明智五郎とは?
まず、『美食探偵・明智五郎』についてお話しますね。
美食探偵・明智五郎は、毎月28日に発売されている集英社の「ココハナ」という漫画雑誌に連載中の作品です。
明智五郎は、ループタイがトレードマークの一風変わったファッションセンスに見目麗しいウェーブヘアーの美男子。美味しいものをこよなく愛し、エビアレルギーなのにペットにレッドビーシュリンプを飼うなどちょっと変わった探偵さんです。
東京の表参道に事務所を構えている明智さんですが、探偵事務所といってもそれほど流行っている感じではないんですね。なのになぜそんな場所に事務所があるのかといったら、いわゆるお坊ちゃんなんです。
扇屋百貨店の社長ご令息なので、上品な立ち居振る舞いやテーブルマナーもお手の物。趣味で美食倶楽部を開催していたりします。
作中では、探偵以外の私生活はほぼ描かれていないので謎です。その謎めいた人物像が探偵マンガの雰囲気にぴったりで、気になってしまうんですよね。
美食家といっても、高級志向というわけではなく、町で人気のパン屋さんやお弁当屋さんなど、美味しければ何でもすすんで食べるタイプ。
ここの部分は私もなんだか身近に感じます。
そんな明智五郎を主人公に、最初は地味な主婦であり依頼人として出会った美女“マグダラのマリア”との奇妙な関係を描いた探偵漫画です。
ミステリーとしては倒叙(とうじょ)型といって、最初から犯人が解っている形式です。
通常の形式ならまず事件が起きて、証拠や交友関係から犯人を絞りこんで、動機や犯行日時のアリバイなどから犯人が解ることで解決されますよね?
この作品は、犯人が先に解っていて、何があってそうなったかを含めてトリックを解き明かす感じで話がすすみます。同じ形式の探偵ドラマだと「古畑任三郎」が有名ですね。
明智五郎以外の登場人物も魅力的で、特に探偵ものには「助手役」がつきものです。
ホームズにはワトソン、コナンには蘭ねえちゃん、古畑任三郎には今泉、そして明智五郎にはキッチンカーでお弁当の移動販売をしている小林苺(通称:小林一号)がとってもいいスパイス役として登場します。
この作品の作者、東村アキコさんは、小さい時からサスペンスや推理物が好きだったとの事です。明智と小林苺は江戸川乱歩の少年探偵団をオマージュされたのかな?と思います。(少年探偵団では明智小五郎と助手役の小林少年が事件を解決します)
ドラマ化されるにあたって、東村アキコ先生はこうコメントされています。
東村アキコ先生コメント
私は子供の頃、図書館にあった江戸川乱歩の小説や、テレビでやっていた探偵ものの映画、サスペンスドラマが大好きでした。
どの作品も怖いのに、登場人物はみな魅力的で、レトロでお洒落で、恐ろしくも美しい悪、みたいな作品たちに魅了されたものです。
この作品は、そんな世界観を私なりに漫画という形で表現したものですが、それがこの度ドラマ化されると聞いて、人生がループして子供の頃に見たブラウン管の中に明智とマリアが映り込むような不思議な感覚におそわれました。
明智役の中村倫也さん、ハンサムで、クレバーで、ちょっと不思議な感じが明智役にぴったりです。楽しみです!
痴情のもつれから大事件に発展するといことも多いサスペンスですが、それだけではなく、一つ一つの事件自体が本題ではないというのも面白い部分なんです。
マリアは、殺したいと思う人がいる人物を見つけてはコンタクトし手を貸したり、アドバイスをして殺人をさせてしまう連続殺人犯。
彼女は事件の中で美味しい料理に手がかりを必ずかくして、残していきます。それぞれの事件には共通点がないけれども、共通するのが事件の向こうに見えるマリアの影。
明智五郎に心を寄せるマリアと探偵明智の奇妙な関係、2人の駆け引きがこの世界観を作り出していて面白いので、ぜひ観てほしいと思います。
売れっ子、東村アキコ先生の過去の作品はこれ!
他にもたくさんあるのですが、ドラマ化されたものを含めておすすめしたい漫画を厳選して紹介します!
東京タラレバ娘
2014年に連載開始された東京タラレバ娘は、連載されたその年に「このマンガがすごい!」のオンナ版で第2位になり表彰されています。マンガ版の直木賞のようなものなので、非常に面白く注目された作品といっていいでしょう。
主人公鎌田倫子は脚本家として独立もして仕事はそこそこ順調。でもプライベートでは独身彼氏なしで順調とは言えません。
同じような状況の独身アラサー女友達2人と集まって、毎日のように女子会をしています。
「あのときああしてたら」「相手のここがこうじゃなければ」「綺麗になったら」「好きになれる人がいれば」そう言って飲んで食べる女子会。
そんな事を話していたら近くの席で聞いていた若い男性に、建設的じゃない妄想会議みたいな事を言われてぐうの音もでません。
「タラレバつまみに酒飲んでろよ、このタラレバ女!」と言われて物語は始まります。
ずばりアラサー女子の本音と葛藤を描いた作品です。ですが、老若男女におすすめできる作品だと私優子は思っています。
というのも、男女関係なくどんな年齢でも「~だったら」と思う事は日常のあるあるなんじゃないかと思います。
車で側道から主道に入る時、欲しい服が見つかったけどサイズがない時、天気予報をきにしつつ傘を持たずに出かけた時、家族の連絡ごとがうまくいかなかった時など、小さな事なら沢山ありますよね。
アラサー女子の葛藤が描かれた作品でも、タラレバはどの世代や性別でもある事なので色んな想像ができる。そういう意味で「このマンガがすごい!」を受賞したんじゃないかなと思います。
ちなみに「東京タラレバ娘」は別の主人公でシーズン2も書かれています。
全ての人におすすめできるマンガです。
海月姫(くらげひめ)
おしゃれに縁がないオタク女子、通称「尼~ズ(あま~ず)」と女装男子が展開するシュールなラブコメディ漫画。
主人公はクラゲオタクの月海(つきみ)さん。
月海はある日、行きつけのペットショップでお気に入りのクラゲが死にかけているのを見かけます。クラゲを助けたいのにコミュニケ―ション下手から店員さんには相手にしてもらえません。
そこに偶然通りかかった美女に助けられます。見とれるほどの美女は実は男性。近くの邸宅に住む政治家一家の次男・蔵之介でした。
月海が住むのは「天水館(あまみずかん)」という昭和レトロな外観のアパートです。天水館のルールは男子禁制、お風呂・トイレは共用というまるで寮のようなアパートです。月海と天水館を気に入った蔵之介は男性であることを隠して頻繁に来るようになります。
蔵之介は、自分をかわいくないと思い込みおしゃれに縁がない月海を変身させることに熱中し始めます。すると月海は見違えるほどキレイになっていきます。
アパートの住人は全員オタク。実家からの仕送りで生計を立て、「オシャレ人間は天敵」「人生に男は必要ない」と言って外部との接触を避け、まるで尼さんだと自分たちを「尼~ズ」と呼んでいます。
そんな古いけど快適な城「天水館」が土地の再開発による取り壊しの危機が迫り尼~ズは大慌て。
大切な城を失うかもしれないのに何もしない尼~ズに、堪忍袋の緒が切れた蔵之介は泣き寝入りをするなと一喝します。蔵之介はオタクにデザインさせた小物や服をもとにファッションブランドを立ち上げ、その売り上げで天水館を買い取ろうとしますが結末やいかに!
偽装不倫
「偽装不倫」はLINEまんがで連載された漫画です。
主人公の濱鐘子は30歳の独身女性。
20代からの婚活は上手くいかず、親からも結婚したらとつつかれる。婚活に疲れた鐘子は、気分転換に韓国へ旅行に向かいますが、行きの飛行機でイケメン男性・ジョバンヒに出会います。
出会ったイケメンになぜか既婚者と嘘をついてしまうと、ジョバンヒは「僕と不倫しませんか?」と言い出し鐘子は一夜を共にしてしまいます。
ただの一人旅のはずだったのに、おかしな不倫関係(偽装不倫)が始まるのです。不倫じゃないのに不倫のふりをする鐘子は次第にジョバンヒに惹かれ始めますが…。
主に泣いてます
紺野泉は、ほとんどの男性が一目惚れするほどの美貌の持ち主。
就職面接を受ければその場で愛人関係を迫られたり、近所を歩くとストーカー被害にあったり、妹の結婚式では新郎が一目惚れして結婚が破談になってしまう。
妹から「いなくなればいいのに!」と罵倒され実家とは疎遠に。美人であるがゆえに降りかかる災難に嫌気がさした泉は、それが原因で海岸で自殺をしようとします。
偶然通りかかった画家・仁(既婚者)に出会い自殺を思いとどまりますが、好きになり愛人になってしまいます。
泉は天然で控えめなで繊細な性格な上に、頭が弱いため人付き合いも世渡りも下手で不器用です。泉はモテないために努力を惜しまず真面目におかしなコスプレ(こなきじじいなど)もする。
そんな泉と周りの登場人物が作り出す最高におかしなコメディ漫画です。
かくかくしかじか
東村アキコ先生自身が漫画家になるまでの、自叙伝的エッセイを漫画にした作品。
ここまで読んだあなたは、東村アキコという漫画家が気になったのではないでしょうか?
本作品はマンガであるにも関わらず創作はほとんどなく、どうやって漫画家になったのかを描いています。
普段のギャグをちょいちょいはさむ東村節はほとんど封印して、実際の恩師や関わってきた人たちが鮮やかに描かれ、東村アキコをより深く知りたい人におすすめです。
なかなか濃いキャラクターの登場人物に、うなること間違いなしです。
今、一番のおすすめは『美食探偵・明智五郎』!
東村アキコ先生はとても正直に思ったことを漫画にされていると思います。そのため読者の気持ちを掴むのがとても上手です。
普段なら殺人をしてしまう犯人に思いを馳せる事はありませんが、事件にまつわる人物の切なさを描いていることで、少し心臓をギュッと握られたような苦しさを感じる部分があります。
トリックはもちろん人物の背景や心情、いつもながらの東村節がさく裂したテンポのいいやりとりなど、楽しめる部分の多い作品なので今一番のおすすめと言えます!