皆さん、こんにちは。
今回は、Huluオリジナルの連続ドラマ『雨が降ると君は優しい』の主題歌をご紹介させて頂きます。
それは1976年に発売された、ボズ・スキャッグス(Boz Scaggs)の「We’re All Alone」です。
世界のアーティストがカバーしてきた名曲
この曲は、ドラマの挿入歌やCМソング等の色んなシーンで使用されてきました。
私が初めて聞いたのは、いつかだったのかは覚えていません。でも、いつの間にか私の中で「素敵な曲」と思うようになっていました。
知らない間に、この曲のメロディが私の記憶の中に定着していたのでしょう。
英語の歌詞は分らなくても、心地よく響くメロディから”癒し”をもらっていました。
きっと皆さんもタイトルではピンと来なくても、曲が流れてきたら「どこかで聞いたことがある」と思えるはずです。
それは「We’re All Alone」がリリースされて以来、数多くのアーティストによって、歌い継がれて来たからなのです。
日本でもカバーされて来た名曲
最近ではアンジェラ・アキが、日本語の詩を付けて編曲も手掛けています。
インディーズ時代の彼女が2005年に出したアルバム『ONE』と、デビュー後の2009年リリースのアルバム『ANSWER』。
2枚のアルバムの中に、収録されています。きっと、思い入れのある曲なのでしょう。
アンジェラ・アキは20代の若き頃に、”悩み苦しんだ日々の中で生まれた歌詞”だと公表しています。
ファンの方は、この曲を彼女のオリジナルだと思って聞いていたのではないでしょうか。
「孤独」や「生きる」と言う、難しいテーマに対する”アンサーソング”を書くのが得意なアーティストですから。
脚本家・野島伸司のこだわり
本作の脚本を手掛けるのは野島伸司です。
「ひとつ屋根の下」「高嶺の花」など、数多くの脚本を担当し、大ヒットさせてきました。
野島伸司は、どの作品でも主題歌について言及しています。
シナリオと楽曲が、同じイメージであることの重要さを、誰よりも感じているのです。
脚本家としてだけではなく、総合的なプロデューサーでもあるのですね。
そんな野島伸司が“世界で一番好きな曲”と言って主題歌に決定したのが「We’re All Alone」だったのです。
「We’re All Alone」の世界に
野島伸司はボズ・スキャッグスの原曲を聞いて、「主題歌にぴったり」と感じたのだと思います。
私なりの解釈ですが、宜しければご参考になさって下さい。
「We’re All Alone」 作詞・作曲・唄:Boz Scaggs
止まない雨が降り始めたね どうか泣かないでおくれ
海岸にいる夢を見よう すると僕たちを海に連れて行ってくれるんだ
永遠に 永遠に
瞳を閉じて愛しい人 君は僕と一緒にいるんだ
さあ波の下を抜けて 長いあいだ忘れられていた洞窟へ行こう
ふたりっきり ふたりっきり
窓をしめて 明かりをおとそう 全てうまくいくさ 悩むことないさ
過去を捨てて 生まれ変わろう そんな素振りでいいんだよ
昔からからよく言われてきたことだけど
年をとることは誰にも止められない
美しいバラも恋人達も同じだよ
君の季節も風の赴くままに移ろうのさ
僕を抱きしめていて 僕を抱きしめていて
窓をしめて 明かりをおとそう 全てうまくいくさ 悩むことないさ
過去を捨てて 生まれ変わろう 僕らは全てを忘れるんだ
ふたりっきり ふたりっきり
窓をしめて 明かりをおとそう 全てうまくいくさ 悩むことないさ
過去を捨てて 生まれ変わろう 風の吹くままに 僕を愛しておくれよ
全てを忘れた僕らは今
ふたりっきり ふたりっきり
「みんな一人ぼっち」もしくは「ふたりっきり」この、どちらかが多いようです。
曲からインスパイアされて執筆した
野島伸司は「この曲を聴きながら、書いたばかりのシーンを振り返り執筆していた」と語っています。
ドラマの世界観とリンクしているかを、確認する作業が大切だと言います。
それは、「楽曲とドラマが密接な関係にあるべきだ」と言う強い信念によるものです。
また、取材のコメントの中で「ここまで歌詞の内容とドラマのストーリーがフィットする主題歌は久々」とその喜びを表しています。
“ふたりっきり”を意味するタイトルは、主人公の“信夫と彩の愛”を彷彿とさせるのです。
そして、歌詞の中に登場する“雨”は、最終話のラストシーンと深くリンクしているのだそうです。
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地上波作品では描くことが困難なテーマ
『高校教師』『家なき子』を始め、数多くの衝撃作を生み出して社会現象を巻き起こしてきた野島伸司が、Huluと初めてタッグを組みます。
3年の歳月をかけて書き下ろした、渾身の最新オリジナルドラマ『雨が降ると君は優しい』。
“性嗜好障害”と言う病名を聞いたことはありますか?
このドラマのテーマである「セックス依存症性」のことです。
究極の試練を与えられた新婚夫婦を、立木信夫(玉山鉄二)と立木彩(佐々木希)が演じます。
奇才の脚本家が“心の闇を抱えた男女らの愛と憎しみが交錯する群像劇”を、見事に立体化しています。
脇を固めるのは、陣内孝則をはじめ木村多江、奥菜恵、笛木優子、古谷一行(特別出演)と言った豪華な俳優陣です。
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最後に
野島伸司は、自身のことを「私の中にいる作家」と興味深いコメントをしています。
Huluであったから、実現化された本ドラマ。
スピリチュアルな世界観で表されている「We’re All Alone」の中に出てくる恋人と、信夫と彩の夫婦。
皆さんは、この作品をどう感じるのでしょうか。
是非、感想をお聞かせください。
どうぞ、ご期待ください!