「オトナの土ドラ」史上初の全4話構成の「13(サーティーン)」は、スピーディーな展開が飽きさせないクライムサスペンスです。
長期間の誘拐から生還した主人公・相川百合亜と、その家族の絆が試される物語という見方だけでなく、いわれのない中傷など被害者に対する迫害といった社会問題にも切り込んでいます。
また、ストーリーだけでなく、役者さんたちにも注目が集まりました。なかでも主役の桜庭ななみさんと、犯人役の藤森慎吾さんは話題となりましたね。
そんな見どころだらけの「13(サーティーン)」ですが、今回は登場人物とあらすじ。そして、みどころを紹介したいと思います。
「13(サーティーン)」の登場人物
主人公・相川百合亜を中心として、13年間のギャップを感じ、その言動に困惑する周囲。
百合亜とその家族の運命を狂わせた誘拐犯・黒川一樹。
そういった登場人物たちの思惑が絡み合うのが、本作の見どころのひとつです。
見どころではあるのですが、ストーリーの重要な鍵となっているので、ネタバレを避けて登場人物を紹介します。
最後に視聴可能な動画サービスを紹介していますので興味が出たら、ぜひご覧になってみてください。
黒川 一樹
黒川の狂気とそれによって起こる事件が発端となっているため、「13(サーティーン)」の根幹ともいえる人物です。
13年前に百合亜を誘拐し、監禁していた誘拐犯で、百合亜に対して異常ともいえる執着を示しています。彼女が無事に保護されてからは、再び手に入れようと行動を起こします。
母親にネグレクトされていた過去があり、そのため愛情に飢えているようです。しかし、彼が愛を得るための方法は酷く歪んでいて、それが狂気として表に出ているのでしょう。
百合亜を待ち続けた相川家
百合亜が誘拐され、行方不明となったことで崩壊してしまった相川家。
しかし、百合亜が帰ってきたことで、形だけの平穏を取り戻そうと努力することになりました。
そのなかで家族の持つ秘密や、百合亜の空白の13年間といった問題だけでなく、世間からのいわれのない中傷とも戦うことになります。
相川 百合亜
「13(サーティーン)」の主人公が相川百合亜です。
相川家の長女で13歳の時、行方不明となり、13年後に保護されたことで相川家に帰ってきました。
失踪の原因は黒川に誘拐され、監禁されていたことです。その経験から家族に対しても心を開けなかったり、異常にも見える行動をとったりします。
また、13年間という年月は彼女と社会の間にも大きな溝を作ることになりました。
百合亜は家族との絆を取り戻し、平穏な生活を送れるようになるのでしょうか。
相川 麻美
相川麻美は百合亜の母親です。
失踪した百合亜を思うあまり、夫の宗一とは責任を押し付け合うことになり、もう一人の娘である千帆からは蔑ろにされた疎外感から恨まれています。
そのことで家族からは完全に孤立しており、夫の不倫をきっかけに別居状態となりました。
しかし、百合亜が帰ったきたことをきっかけに13年前の家族を再現するため、表面上は穏やかな家族を演じ、自らの秘密と向き合うことになります。
相川 宗一
百合亜が失踪した当時は仕事が忙しく、家庭を顧みることがありませんでした。そのことに対して百合亜の父親として責任を感じていますが、失踪をきっかけに麻美と不仲になりました。
その後、不倫をして別居となりますが、百合亜が帰ってきたことをきっかけに戻ります。しかし、百合亜が不在の13年間と別居によって、家族とはぎくしゃくしてしまいます。
相川 千帆
千帆は百合亜の妹ですが、姉に対してあまりよい感情を持っていません。
それは百合亜が失踪した当時、両親の関心の殆どが姉に向けられ、自分が放っておかれたという疎外感によるものです。
また、容姿に関しても百合亜に対しコンプレックスを持っており、就職活動のストレスと相まって、帰ってきた姉を認めないという形でそれらが表に現れました。
黒川一樹を追う警察
警察は百合亜が失踪から帰ってきたことで、彼女を誘拐した黒川を追うことになります。
そして、皮肉なことに百合亜の帰還によって新たな誘拐事件が発生します。
解決のため百合亜に事情を聞くことになりますが、次々と発覚する事実に警察は彼女へ疑念を持つようになってしまい……。
永井 敏彦
百合亜の誘拐事件と、それに関連して起きた誘拐事件を追う刑事の一人が永井です。
刑事として対面する内に百合亜の不思議な魅力に惹かれてしまいます。そのことで彼女が本当に被害者なのか、世間がいうような魔性の女なのか迷います。
田辺 佐緒里
永井の相棒を務める刑事です。
永井よりも率直な物言いと口の悪さが特徴。
一見して直情型のようですが、実際は物事の裏側まで読もうとする刑事として優秀な人物です。
そのため、百合亜に永井が誘惑されているのでは、と警戒しています。
「13(サーティーン)」3話のあらすじ
黒川が新たな誘拐事件を起こし、その解決のために警察は百合亜の情報を欲しがりますが、肝心の百合亜は有益な情報を言いません。
そんなとき、黒川の自宅から白骨死体が発見されました。鑑定の結果、その遺体は黒川の弟のものだと判明します。
さらに百合亜に事情聴取を行う警察ですが、彼女は非協力的なまま。事件に進展がないことで、世間では百合亜に対する中傷まで始まりました。
一方で相川家には不審な封書が届けられ、すぐに警察に届けられます。
永井と田辺は封書を届けた配達員が黒川だと直感し、付近にまだ潜伏してのではないかと警戒を強めます。
さらに捜査で百合亜と黒川が映っている監視カメラの映像が発見されましたが、映っていた二人は恋人同士のように親密です。
その後、黒川の自宅からは血の付いた斧が発見され、そこには百合亜の指紋が……。
二人の関係は、本当に誘拐犯と被害者だったのでしょうか。百合亜は黒川の弟の殺害にどのように関わっているのでしょう。
そして、追い詰められることになる百合亜を助けるため、ある人物が真実を打ち明ける決心をします!
藤森慎吾さんの怒りすら狂気に見せる演技力に注目
「13(サーティーン)」は、秘密を抱えた人間関係と、緊張感あるサスペンスを楽しめる良作です。
私のイチオシしたい見どころは、藤森慎吾さん演じる黒川一樹です。
普段のバラエティ番組などで見せるものとは全く違った顔を随所で披露していて、最初は誰だか分らなかった人もいたとか。……実は私も初めて公式サイトを見たとき、誰だか分かりませんでした。
黒川に注目してみると「13(サーティーン)」はサイコスリラーしての要素もしっかりあって、サスペンスやミステリー以外の楽しみ方もばっちりできるのです。
「13(サーティーン)」の原作をご存じですか?
画像出典:Amazon
「13(サーティーン)」には原作があることをご存じでしょうか?
2016年にイギリスで制作され、「13/誘拐事件ファイル」という邦題で日本でもケーブルテレビや動画配信サービスなどで放映されました。
基本的なストーリーラインは同じで、主人公・アイビーの揺れ動く心理、家族や警察関係者の困惑や動揺などか丁寧に描かれています。
原作に対するリスペクトが感じられるのは、日本版「13(サーティーン)」の制作者たちが、こういった重要な部分を踏まえて日本の現状に合わせて再構築しているからではないでしょうか。
原作はHuluやamazonプライム・ビデオ
などで視聴可能です。
「13(サーティーン)」はもう一度観ても損はしない
ネタバレを避けて紹介してきた「13(サーティーン)」3話ですが、少しは興味を持ってもらえたでしょうか?
本当は私もあんなことや、こんなことがあって、伏線も……と語りたかったのですが、クライムサスペンスは謎と、その解決が最高なので、ぐっと我慢して紹介してきました。
土曜深夜に放送していた「13(サーティーン)」は全4話構成という連続ドラマとしてはちょっと少ない話数ですが、中身はたっぷり詰まっています。
ぜひ放送終了後にも動画配信サービスで楽しんでください。
本放送では気付けなかった伏線や役者さんの演技を発見できるかもしれませんよ。